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==研究史==
限定戦争についての学術研究は核時代において最も盛んに行われ、特に1950年代から1970年代にかけて研究が進められた。[[核兵器]]が導入されてからは、どのような戦争でも核兵器を投入することによって[[核戦争]]へと事態がエスカレーションしていく危険が出てきたことが歴史的な背景としてあった。
 
1950年に勃発した[[朝鮮戦争]]では[[アメリカ合衆国]]と[[ソビエト連邦]]という[[超大国]]の[[イデオロギー]]的な対立が遠因となったはじめての正規戦であったが、この戦争で[[アメリカ軍]]は核攻撃の是非をめぐって議論が行われていた。当時、[[核兵器]]という兵器を運用するための理論的基盤が不足しており、軍事戦略や外交政策との関連から核戦略の理論を構築する研究が求められていた。核兵器を絶対兵器と位置づけた[[ロバート・オズグッド]]([[:en:Robert Osgood]])、[[核抑止]]を提唱した[[バーナード・ブローディ (軍事戦略家)|バーナード・ブローディ]]、限定された核兵器の使用を提唱した[[ヘンリー・キッシンジャー]]などのアメリカの戦略家たちは核兵器を前提とした[[安全保障]]環境において核戦争の危険を回避しながら軍事力を活用するための戦略理論を構築していった。
 
==前提条件==