「自転と公転の同期」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Matryosika (会話 | 投稿記録)
解りにくいので「同期回転の原因」の節を作成
Matryosika (会話 | 投稿記録)
画像の変更
2行目:
 
== 同期回転の原因 ==
[[ファイル:Co-rotation.png|右|400x400ピクセル|自転角速度が公転角速度に対して卓越している場合。黄矢印は自転と公転の角速度の差を表す。各潮汐バルジ(BFとBN)にかかる重力は角速度の差を打ち消すように働く。]]
このような同期は二つの天体の距離が比較的近く、相手の天体が及ぼす[[潮汐力]]が強い場合に起こる。こういった同期現象は[[惑星]]や衛星に限らず、公転運動する固体状の天体に於いて一般的に起こり得る現象である。
 
8 ⟶ 9行目:
ここで、惑星-衛星系を考え、両天体の公転運動に合わせて回転する座標系に乗り、潮汐力による衛星の変形の効果によって衛星が同期回転する様子を見てみる。
 
衛星の2つの潮汐バルジは、その自転周期と公転周期の差に応じて、惑星とを結ぶ軸上からずれる。これは、衛星の[[粘性率|粘性]]に応じて潮汐力による変形応答が遅延するためである。ここで、潮汐バルジ部の質量が惑星から受ける重力を考えると、潮汐バルジが惑星とを結ぶ軸への移動を起こすように[[トルク]]がかかる(潮汐トルク)。この潮汐トルクは、衛星の自転周期と公転周期の差を縮めるように働き、ついには同期回転状態に落ち着く。<br>[[ファイル:inverse.png|right|説明図]]
== 同期回転の例 ==
[[火星]]の[[フォボス (衛星)|フォボス]]・[[ダイモス (衛星)|ダイモス]]や[[木星]]の[[ガリレオ衛星]]を始め、[[太陽系]]の惑星にある、ほとんど全ての衛星は自転と公転とが同期している。また、惑星と衛星との距離が近く、両者の質量の差があまり大きくない場合には、衛星からの潮汐力によって惑星の自転周期も衛星の公転周期・自転周期と同期し、両者とも完全に相手に同じ面を向けたままの状態になる場合もある。惑星と衛星という関係ではないが、[[準惑星]]の[[冥王星]]とその衛星[[カロン (衛星)|カロン]]とはそのような同期の例である。[[地球]]と[[月]]とは現在、月のみ自転と公転が同期した状態にあるが、地球の自転速度は徐々に遅くなっており、遠い将来には月の公転周期と同期するところまで遅くなって安定すると考えられる。