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上告審が法律審であるとの性格から、原則として[[証拠調べ]]を行うことはない<ref>もっとも、刑事事件について証拠の顕出という形で原判決の事実認定の当否を判断する資料に供することはできる(最高裁昭和34年8月10日大法廷判決)。また、職権調査事項については上告裁判所が事実を認定し得る(民訴法322条)。</ref>。
 
このこともあり、上告を棄却するときは、[[口頭弁論]]を経る必要はないとされており([[s:民事訴訟法#319|民事訴訟法319条]]、刑訴法408条)、実際に上告審で弁論が行われることはほとんどなく、書面での審理に限られるのが普通である。これに対し、原判決を変更する場合には、被上告人にも反論の機会を与える必要があるから、口頭弁論を開催する必要がある([[s:民事訴訟法#87|民事訴訟法87条]]1項本文、刑訴法43条1項)。そのため、上告審で口頭弁論が開かれるということは、原判決を何らかの形で見直すことを事実上意味するといえる。ただ、[[死刑]]判決に対する上告事件と[[大法廷]]の審理は原則として公判ないし口頭弁論が開かれる慣行があり、公判ないし口頭弁論が開かれたからといって原判決が見直されるとは限らない。なお、上告審で死刑判決が破棄されたのは2009年9月時点で12例(11件・16人)だけである。例外として1992年10月20日に発生した[[国立市主婦強盗殺人事件]](第一審は死刑判決も控訴審で破棄され無期懲役に減軽)では無期懲役判決の上告ではに対し1999年に最高裁小法廷で口頭弁論が開かれるも、上告を棄却して無期懲役を確定した<ref>1998年1月まで求刑死刑に対して二審で無期懲役判決が出た5件について検察側が上告した(連続上告)の一つ。本件含め4件は上告棄却されるも、[[福山市女性強盗殺人事件]](強盗殺人前科による無期懲役の仮釈放中の犯行)についてのみ上告を認めて破棄差し戻しし、その後死刑判決が確定した。</ref>事例もある。
 
なお、原判決の基本となる口頭弁論に関与していない[[裁判官]]が判決書に署名押印していることを理由として原判決を破棄し、高等裁判所に事件を差し戻す場合には、口頭弁論を開催しなくてもよいという判例がある(最高裁平成19年1月16日判決<ref>最三判平成19年1月16日集民223号1頁[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=34001 最高裁判例情報] 2014年8月20日閲覧</ref>)。
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=== 死刑を求めた検察官の上告を認容した判決 ===
過去に最高裁が死刑判決を求めた上告を認容して原判決を破棄にした例は3例([[永山則夫連続射殺事件]]・[[福山市女性強盗殺人事件]]・[[光市母子殺害事件]])あるが、全て控訴審の無期懲役判決を破棄差し戻しになっとしており、その後いずれも差し戻し控訴審で下された死刑判決が第二次上告審で確定している。
 
==脚注==