「セイの法則」の版間の差分

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'''セイの法則'''(セイのほうそく、{{lang-en-short|Say's law}}, {{lang-fr-short|Loi des débouchés}})は、「[[非貨幣市場の総供給]]はそれ自身の[[と総需要]]をつくり出が常に一致」と要約されいう原則であ{{sfn|齊藤|2006|p=256}}。[[古典派経済学フランス]]の[[仮説]]。[[古典派経済学者[[ジャン=バティスト・セイ]]理論のフレームワークを形成しによっいた発見され、「セイ法則」、「販路説」などとも呼ばれる{{sfn|齊藤|2006|p=256}}
 
== 概要 ==
あらゆる経済活動は物々交換にすぎず、需要と供給が一致しないときは価格調整が行われ、仮に従来より供給が増えても価格が下がるので、ほとんどの場合需要が増え需要と供給は一致する。それゆえ、需要(あるいはその合計としての国の購買力・国富)を増やすには、供給を増やせばよいとする。
 
[[ジャン=バティスト・セイ]]が著書『経済学概論』第1巻第15章「販路」<ref>"Traité d’économie politique", 1841, 6e édition, Chapitre XV "Des débouchés"</ref>に叙述したことからセイの販路法則と呼ばれることもある。単に「セイ法則」とも呼ぶ。セイの法則が主張する重要な点は、経済の後退は財・サービスへの需要不足や通貨の不足によるものではないとする点にある。
 
{{Quotation|貨幣がこの相互交換において果たすのは一時的な役割だけである:交換が終わってみると、ある生産物に別の生産物が支払われたのだ、ということが常に見出される(L’argent ne remplit qu’un office passager dans ce double échange ; et, les échanges terminés, il se trouve toujours qu’on a payé des produits avec des produits.)
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== 命題としての「セイの法則」 ==
ケインズの体系においては、セイの法則はただ単に「供給された量は必ず需要される」という[[命題]]として捉えられている<ref>『思想としての近代経済学』[[森嶋通夫]]([[岩波新書]]){{要ページ番号|date=2017-2}}</ref>。この場合に価格調整(需要不足のときは自動的に価格が下がるメカニズム)は、命題を成立させる[[十分条件]]の代表例の一つにすぎない。
 
現代経済では、資本財市場か資本用役(賃貸/サービス)市場のどちらか一方でしか価格調整は機能しないことが多い([[耐久財のディレンマ]])。鉄道輸送や電力供給などの場合、サービス(用益)需給の市場均衡に資本財市場は従属しており、列車や発電機の需給はセイの法則が想定する均衡システムの例外となる。またマンションなど戸売り(財市場)と賃貸(用益市場)が並存している市場においても、賃貸オーナーは市中金利と年間償却額より十分賃料価格が高い(低い)場合は投資用マンションを購入(売却)するため、おおむね財市場が用益市場に従属性をもつ関係にある。
 
このように資本財が用益市場の均衡に従属し独自の調整が利かない場合、資本財への[[投資]]が旺盛なとき<ref>自然成長率(≒投資収益率)が実質金利より十分に高いとき</ref>にはこの命題(供給は必ず需要される)は真であるが、投資が旺盛でないときには偽となる。
 
== 通貨切り下げ競争 ==
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== 発展引用文献 ==
* {{Cite|和書|last=齊藤|first=誠|author-link=齊藤誠|title=新しいマクロ経済学|date=2006|publisher=有斐閣|vol=新|isbn=4-641-16273-5}}
*「セイの法則とケインズ理論」有井治(成城大學經濟研究(53),69-84,1976.3)[http://ci.nii.ac.jp/naid/110008739243][http://www.seijo.ac.jp/pdf/faeco/kenkyu/053/053-arii.pdf]
* {{Cite|洋書|title=Traité d’économie politique|year=1841|edition=6e édition|author=Say}}
 
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