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{{Otheruseslist|航路標識の灯台|照明器具の灯台|照明|雑誌の『灯台』|第三文明社}}
{{Redirect|灯塔|中国の都市|灯塔市}}
'''灯台'''(とうだい)は、[[岬]]の先端や港内に設置され、その外観や灯光により船舶の航行目標となる施設。[[航路標識]]のうち光波標識の一種である。
[[ファイル:Chikiu.JPG|thumb|300px|[[チキウ岬灯台|チキウ岬燈台]]([[北海道]][[室蘭市]])]]灯台は塔状の建造物で、最上部には遠方からでも識別可能な強力な光源が設置される。夜間には光源が明滅(大型のものでは光源に前置された[[レンズ]]が回転)し、航行する船舶が場所を識別する目印となる。現在の灯台は多くが[[コンクリート]]製だが、木造や石造、[[煉瓦]]造、鉄造のものも見られる。
灯台は設置場所により、船舶が陸地、主要変針点又は船の位置を確認する時の目標となる「沿岸灯台」、又は[[港湾]]の所在、港口などを示す「防波堤灯台」の二種類にも区分される。
多くの国では、灯台はいわゆるコースト・ガード([[沿岸警備隊]])あるいは港湾行政当局の管理下にあ
{{seealso|航路標識}}
== 分類 ==
[[File:Fukui South breakwater lighthouse.jpg|right|thumb|入港時、右側に赤い灯台<br />([[福井南防波堤灯台]])]]
[[File:Fukui North breakwater lighthouse.jpg|
* 灯台の設置場所・役割による分類
**沿岸灯台(岬や沿岸の顕著な場所に設置されているもの)
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記録に残る最古の灯台は、[[紀元前7世紀]]にエジプトのナイル河口の寺院の塔上で火を焚いたことに始まると言われている。その後[[紀元前279年]]頃から約19年の歳月をかけ、いわゆる[[世界の七不思議]]の一つ「[[アレクサンドリアの大灯台]]」が港口のファロス島に建設された。これは約134m の高さがあったと言われ、[[796年]]の地震で半壊するまで使用された。その後、宝物が埋まっているとの噂により破壊が進み、[[1375年]]の地震により完全に崩壊。[[1477年]]には跡地に要塞が建設され、消滅したと言われている。また、同じく世界の七不思議の一つである[[ロードス島の巨像]]も灯台の機能を果たしていた。
=== 日本における歴史 ===▼
灯台の諸元は、海上からの高さを元に策定される。以下は灯光する灯台の諸元。▼
; 光達距離▼
: 3種または4種類の表し方がある。[[光達距離]]を参照。▼
; 発光間隔▼
: 大型のものはレンズを回転させ、あたかも点滅しているように見せかけている。この発光間隔は灯台毎に定められており、その違いからどの灯台であるか判断できるようになっている。▼
; [[レンズ]]▼
: 大型の灯台では'''[[フレネルレンズ]]'''と呼ばれるレンズが使用される。▼
; 明弧▼
: 光の発せられる水平方向(角度)。南を0°として、時計回りに表現される。360度の場合「全度」という。大きな灯台では陸上部に光が漏れないように遮蔽しているところもある。これを「暗弧」という。▼
* [[世界灯台100選]]
*: [[国際航路標識協会]]の「世界各国の歴史的に特に重要な灯台100選」に選出された灯台。日本からは5つの灯台が選ばれた。▼
=== 高さ順の一覧 ===▼
:''詳細は「[[:en:List of tallest lighthouses in the world|灯台の一覧(高さ順)]](英語)」を参照''▼
== 各国の灯台 ==
=== アメリカの灯台 ===
アメリカの歴史的な灯台として[[ニューヨーク州]][[ロングアイランド]]の[[モントーク岬灯台]](Montauk Point Lighthouse)がある<ref name="nikkeibp">[http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5847/ モントーク岬灯台、米歴史建造物] ナショナルジオグラフィック日本版、2017年2月9日閲覧。</ref>。モントーク岬灯台は1796年に完成したニューヨーク州最古の灯台で、19世紀前半にヨーロッパからニューヨークを目指す船舶にとって重要な航路標識となっていた<ref name="nikkeibp" />。2012年3月、モントーク岬灯台はアメリカの国定歴史建造物に選ばれた<ref name="nikkeibp" />。
日本においては[[海上保安庁]][[交通部 (海上保安庁)|交通部]](旧灯台部)が所管し、個々の設置・維持・管理等を各管区海上保安本部所轄下の[[海上保安部]]が行っている。
所在地である岬や堤防の名を記する。堤防の先端に建つ灯台は原則として場所を示す固有名詞の後に'''堤防燈台'''または'''堤防灯台'''という命名をするが、重要な港湾灯台には付近に堤防が無いことも有るので「堤防」を冠していないものもある。▼
一般に岬に建つ灯台には岬の名前として'''埼'''を使用する。'''崎'''が山の様子が険しいことを表す字であり、平野に突出した山地の鼻を意味するのに対して、'''埼'''には陸地が水部へ突出したところを意味する。このため、[[明治]]時代の海軍[[水路部 (日本海軍)|水路部]]以来、[[海図]]では'''埼'''の字が用いられている。なお、[[国土地理院]]では前身の陸軍[[陸地測量部]]が使用していた'''崎'''の字を引き続き用いており、地図では'''崎'''の字が用いられる<ref>[http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/faq/saki_saki.html 「埼」と「崎」はどうなってるの?] 海上保安庁海洋情報部 海の相談室FAQ集</ref>。▼
==== 歴史 ====
日本最初の灯台については、[[839年]](承和6年)に復路離散した遣唐使船の目印として、九州各地の峰で篝火を焚かせたと『[[続日本後紀]]』にあるのが最初であると言われている。建設が確認できる最古の灯台は、[[摂津国]]の[[住吉大社]](現[[大阪市]][[住吉区]])の西方にあった[[鎌倉時代]]創建と伝えられる高灯籠であり、大社の馬場だった[[住吉公園]]入口に場所を移し復元された(1974年)<ref>[http://www.toshi-kouen.jp/staticpages/index.php/sumiyoshi_points_inner03 住吉公園の見どころ「高燈籠」]</ref>。
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===== 江戸条約の灯台一覧 =====
{{座標一覧|article=Category:江戸条約の灯台}}
# [[観音埼灯台]](初点灯1869年)
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===== 大坂条約の灯台一覧 =====
{{座標一覧|article=Category:大坂条約の灯台}}
# [[江埼灯台]](現存・現役・1871年)
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==== 日本の代表的な灯台 ====
▲== 命名法 ==
▲所在地である岬や堤防の名を記する。堤防の先端に建つ灯台は原則として場所を示す固有名詞の後に'''堤防燈台'''または'''堤防灯台'''という命名をするが、重要な港湾灯台には付近に堤防が無いことも有るので「堤防」を冠していないものもある。
▲=== 灯台と燈台 ===
▲=== 崎と埼 ===
▲一般に岬に建つ灯台には岬の名前として'''埼'''を使用する。'''崎'''が山の様子が険しいことを表す字であり、平野に突出した山地の鼻を意味するのに対して、'''埼'''には陸地が水部へ突出したところを意味する。このため、[[明治]]時代の海軍[[水路部 (日本海軍)|水路部]]以来、[[海図]]では'''埼'''の字が用いられている。なお、[[国土地理院]]では前身の陸軍[[陸地測量部]]が使用していた'''崎'''の字を引き続き用いており、地図では'''崎'''の字が用いられる<ref>[http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/faq/saki_saki.html 「埼」と「崎」はどうなってるの?] 海上保安庁海洋情報部 海の相談室FAQ集</ref>。
▲== 諸元 ==
▲灯台の諸元は、海上からの高さを元に策定される。以下は灯光する灯台の諸元。
▲; 光達距離
▲: 3種または4種類の表し方がある。[[光達距離]]を参照。
▲; 発光間隔
▲: 大型のものはレンズを回転させ、あたかも点滅しているように見せかけている。この発光間隔は灯台毎に定められており、その違いからどの灯台であるか判断できるようになっている。
▲; [[レンズ]]
▲: 大型の灯台では'''[[フレネルレンズ]]'''と呼ばれるレンズが使用される。
▲; 明弧
▲: 光の発せられる水平方向(角度)。南を0°として、時計回りに表現される。360度の場合「全度」という。大きな灯台では陸上部に光が漏れないように遮蔽しているところもある。これを「暗弧」という。
▲== 代表的な灯台 ==
▲* [[世界灯台100選]]
▲*: [[国際航路標識協会]]の「世界各国の歴史的に特に重要な灯台100選」に選出された灯台。日本からは5つの灯台が選ばれた。
* [[日本の灯台50選]]
*: 1998年(平成10年)11月1日の第50回灯台記念日の行事として、海上保安庁が募集し一般の投票によって選ばれた日本国内の50の灯台。
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*: [[灯台#歴史]]を参照されたい。
==== 灯台の公開 ====
{{seealso|参観灯台}}
常時一般公開されている灯台を[[参観灯台]]と呼ぶ。現在は15灯台で、社団法人[[燈光会]]などが海上保安庁から委託を受け、参観事業を行っている。これらの灯台は、上部へ登って眺望を楽しむことができるほか、資料館や展示室を併設するものもある。ただし、荒天時や冬期などには公開されない場合もある。なお、常時公開されていない灯台でも、[[海の日]]や[[灯台記念日]]([[11月1日]])の前後などに特別公開される場合がある。
▲== 高さ順の一覧 ==
▲:''詳細は「[[:en:List of tallest lighthouses in the world|灯台の一覧(高さ順)]](英語)」を参照''
== 脚注 ==
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