「人工透析」の版間の差分
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=== 血液濾過 (Hemofiltration:HF) ===
1970年代Hendersonらが提唱したHemofiltration(当時はDiafiltrationと呼ばれた)は、[[日本]]でも山上らが専用の濾過膜やプロセッサ(血液濾過専用装置)の開発を行った。
RP-6 2連、Toray B-1 2連、Nipro F-1 2連など)が開発が進み単独使用での治療が可能(Daicel HEMOFRESH等)となった。
置換補充液の製剤形状も当初ガラス瓶入りの1Lバイアル(エアー管入り)で重量や備、廃棄の面でもであった、そのため大容量のバッグ製剤を作るに至ったが当時厚生省では1L以上の輸液バッグは前例がなく認可を取るのに時間と労力を要した。行ったた、血液濾過法としては昭和58年2月に保険適応された。
血液透析では拡散現象により物質除去を図るため、拡散速度が大きな尿素やクレアチニンと言った小分子量物質の除去には優れるが、比較的大分子量である低分子量蛋白領域と呼ばれる物質除去は効率が落ちる。血液濾過は濾過流束に乗った物質除去を原理とするため、低分子蛋白領域物質の一部までの均一な除去が可能である。小分子量物質の除去は血液透析に遠く及ばないが、低分子蛋白領域の物質除去により血液透析では改善できない病態の改善が認められている。また循環動態が不良であり、通常のHDに耐えられない場合、不均衡症候群が起こる場合も用いられる。
透析では中空の半透膜(一部の製品で平膜あり)で構成された[[ダイアライザー]]と呼ばれるデバイスが用いられるが、血液濾過では比較的に除水能が高いヘモフィルターを用いる。ヘモフィルターに血液を体外循環させ大量の限外濾過液を取り出す。これは血液流量200mL/minに対して平均
=== 血液透析濾過 (Hemodiafiltration:HDF) ===
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慢性腎不全における腹膜透析と血液透析の違いを纏める。HFとHDFといった血液浄化療法はHDより更に高い質の血液浄化を求める場合に選択される治療法であるため、基本的にはこの2つを考えるのが主流である。もちろん最初から安定的に高水準の溶質除去を求める場合はHDF等が考慮されることもある。
{| class="wikitable"
! nowrap="nowrap" |項目!! nowrap="nowrap" |HD!! nowrap="nowrap" |CAPD
|-
|食事制限||厳しい||緩やか
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多臓器不全を合併する重症患者の透析としては日本では持続的血液濾過透析(CHDF)が用いられることが多い。特に[[急性腎障害]](AKI)、低心機能症例や重篤な炎症がみられる症例においてよく選択される。CHDFでは間欠的血液透析(IHD)と比べて有利な点がある。それは除水時の血圧低下など循環動態への影響が少ないこと、また血中尿素窒素の濃度変化も緩徐であることから浸透圧変化による細胞浮腫のリスクが低いことがあげられる。
{| class="wikitable"
! nowrap="nowrap" | !! nowrap="nowrap" |血流量(mL/min)!! nowrap="nowrap" |透析液流量(mL/min)!! nowrap="nowrap" |置換液(mL/min)!! nowrap="nowrap" |透析時間!! nowrap="nowrap" |ダイアライザー膜面積(m<sup>2</sup>)
|-
|CHDF 日本||80〜120||7〜10||5〜8||24hr以上||0.7〜1.2
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血圧の低下は発生時間によって3種類に分かれると考えられている。
{| class="wikitable"
! nowrap="nowrap" |発症時間!! nowrap="nowrap" |原因!! nowrap="nowrap" |治療
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|開始直後||循環血漿量の減少||除水速度の配分変更
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