「全日空機高知空港胴体着陸事故」の版間の差分

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=== 代替機種導入要望に関し行われた議論 ===
事故の直後に国土交通省はメーカーおよびカナダ政府に対し異例の改善要請を行った<ref>『日本の旅客機2007-2008』イカロス出版 89頁</ref>。また[[南国市]]の市長が代替機の導入などを全日空に対して早急に申し入れる考えを市議会で示しているほか<ref>[http://www.kochinews.co.jp/07bonbaru/070315bonbaru05.htm 高知新聞2007年3月15日付朝刊]</ref>、あまりにもトラブルが多発するため日本におけるDHC-8-400への不信感は根強い
 
しかしながら、まだ購入してから時間が経っていないこともある上、このサイズの航空機においてもジェット化が進んでいるために、DHC-8-400と競合していたターボプロップ機を生産していたメーカー、たとえば[[スウェーデン]]の[[SAAB|サーブ]]はこのサイズのターボプロップ機の製造を中止したり、民間機製造から撤退したり、[[ドイツ]]の[[フェアチャイルド・ドルニエ]]や[[オランダ]]の[[フォッカー]]などは経営破綻で消滅したりしている。
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以前DHC-8-400が機体トラブル続出で運航休止になった際には、全日空は高知線を[[エアバスA320]](座席数166席)に置き換えた事もあったが、この時には[[関西国際空港]]発着(大阪国際空港の発着枠が使えないため)になった上に、提供客席数を同じにするため、便数も大幅に減らされた事もあった。また全日空はDHC-8-400より少し乗客数の多い[[MRJ]](座席数90)を発注しているが、これは大阪国際空港への乗入れを狙った低騒音機になる予定である。しかし大阪国際空港のジェット枠自体が削減される動きがあるほか、早くても就航は2012年(後に開発の遅れから2017年に延期)であり、DHC-8-400に代わる適切な機体の発注は行われていない。また日本航空もMRJにスペックが近い[[エンブラエル170]]を発注しているが、いずれもジェット機であり、DHC-8-400に代わるターボプロップ機の発注は行っていない。
 
そのため大阪(伊丹)・高知線に就航できるターボプロップ機は、巡航性能の劣るターボプロップ機、たとえば、ロシア製([[Il-114]])やウクライナ製([[An-140]])、[[中華人民共和国]]製([[Y-7]])などを除外すると、ライバルは仏伊共同開発機の[[ATR 72]]以外に存在しない<ref>[[バンコク・エアウェイズ]]は死亡事故を起こしたDHC-8の代わりにATR72を導入した。</ref>。もっとも、ATR 72も初期には主翼の設計の不備から着氷して墜落する事故(1994年10月31日、アメリカ)や、燃料計を純正品でないものを装着して燃料切れ墜落事故(2005年8月6日、イタリア)を起こすなど、機体に起因する事故を起こしている。なお、ATR72の製造元[[ATR (航空機メーカー)|ATR社]]は競合機DHC-8よりも低騒音、低燃費、低価格をセールスポイントに、2007年に日本市場参入を表明し、[[伊藤忠商事]]の子会社伊藤忠アビエーションを販売代理店とするなど意欲を見せているが、現在のところ日本においては天草エアラインやオリエンタルエアブリッジが姉妹機のATR42の導入を表明しているのみである。新規開発計画は日本国内だけでなく諸外国でも同規模のターボプロップ機の開発計画はないので、代替機の早期導入は困難であり、メーカー、監督官庁、運航航空会社が連携した機体の信頼性を向上していかなければならないといえる<ref>『日本の旅客機2007-2008』[[イカロス出版]] 89頁</ref>
もっとも、ATR 72も初期には主翼の設計の不備から着氷して墜落する事故(1994年10月31日、アメリカ)や、燃料計を純正品でないものを装着して燃料切れ墜落事故(2005年8月6日、イタリア)を起こすなど、機体に起因する事故を起こしている。しかし、現在は信頼の高い旅客機の1つである。
 
これはボンバルディア機には日本の航空産業も部品を提供しており、部品のサポートに有利な面があることがある。
なお、ATR72の製造元[[ATR (航空機メーカー)|ATR社]]は競合機DHC-8よりも低騒音、低燃費、低価格をセールスポイントに、2007年に日本市場参入を表明し、[[伊藤忠商事]]の子会社伊藤忠アビエーションを販売代理店とするなど意欲を見せているが、現在のところ日本においては天草エアラインやオリエンタルエアブリッジが姉妹機のATR42の導入を表明しているのみである<ref>ただし、就航前に経営破たんした地域路線向け格安航空会社の[[リンク (航空会社)|リンク]]はATR72-600を3機導入する予定であり、2機は引き渡し寸前のところまで整備が終わっていた。</ref>。これはボンバルディア機には日本の航空産業も部品を提供しており、部品のサポートに有利な面があることがある。
 
しかし2015年6月、JALグループの[[日本エアコミューター]]は、運行中の[[サーブ 340|サーブ340B]]の後継機としてATR42-600を9機(確定8機、オプション1機)導入することを発表した。<br />その際に同社社長の[[安嶋新]]が「'''ボンバルディアが開発予定のQ400よりも小型の機体と比較して決めた'''」と表明、同機を導入する天草エアラインからの整備事業受託の可能性についても言及した<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/63086 Aviation wire「JAC、ATR42を8機発注 17年から置き換え」]</ref>。<br />またATR社自身も同一グループの[[エアバス]]とのパートナーシップを強調した営業展開をさらに推し進める意向を示している。
 
これらの要素を勘案すると、今後は日本においてもATR機が一定の存在感を有することでボンバルディア機の優位性に大きな変化を与える可能性も考えられる。
 
海外では[[バンコク・エアウェイズ]]のように死亡事故を起こしたDHC-8に代わりにATR72を導入した航空会社もある。そのためATR72を除くと新規開発計画は日本国内だけでなく諸外国でも同規模のターボプロップ機の開発計画はないので、代替機の早期導入は困難であり、メーカー、監督官庁、運航航空会社が連携した機体の信頼性を向上していかなければならないといえる<ref>『日本の旅客機2007-2008』[[イカロス出版]] 89頁</ref>。
 
== 脚注 ==