「ティファニーで朝食を」の版間の差分

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=== ユニオシの描写 ===
[[File:Starring Mickey Rooney.jpg|thumb|left|ルーニーによる演技<br />醜さを強調するために口に出っ歯の[[マウスピース]]を嵌めている。]]
[[ユニオシ]]は日系アメリカ人という設定であるが、アメリカ社会における[[ステレオタイプ]]で悪意に満ちた日本人像(黒ぶちの眼鏡、出っ歯、低身長、[l]と[r]を混同するなど)を白人俳優が演じている。ユニオシを演じたミッキー・ルーニーは当時を振り返って、監督の指示通りにコメディ感を演出した演技だったとしている。だが当時はアメリカ社会において人種差別の問題は未解決で、白人同士の仲間内の私的な場面では黒人(Groe)、ユダヤ人(Jew)、日本人(Jap)、中国人(Chink)、メキシコ人(beaner)など[[少数民族|エスニック]]な[[マイノリティ]]に対するきわどい差別的表現やブラック・ジョークが囁かれることは希ではなかったが、[[公民権法]]の制定が既に視野に入っていた1960年代初期に、[[映画]]という公の場面でこのような表現がなされたことになる。だが今日ではこのシーンは[[ハリウッド]]史上最も残酷で、恥ずべき表現の一つとして解釈が共有されている。この演技によってルーニーに対しては生涯、[[人種差別|差別主義的]]なイメージと[[スティグマ]]が付きまとうことになり、俳優としての地位とキャリアを維持するために釈明と弁明を重ねて行う必要があった。彼によれば40年間どこへ行っても賞賛を受け、当のアジア人である中国人からも「傑作だ」と称賛されたと自己弁護に努めている。