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'''アムピクテュオーン''' （{{lang-grc-short|'''Ἀμφικτύων'''}}, ''{{ラテン翻字|el|Amphiktyōn''}}） は、[[ギリシア神話]]の人物で、[[アテーナイ]]の王である。'''アンピクテュオーン'''、[[長母音]]を省略して'''アムピクテュオン'''、'''アンピクテュオン'''とも表記される。

[[プロメーテウス]]の子[[デウカリオーン]]とピュラーの子で、[[ヘレーン]]、[[プロートゲネイア]]<ref>アポロドーロス、1巻7・2。</ref>、オレステウス<ref>パウサニアス、10巻38・1。</ref>と兄弟。アムピクテュオーンは大地から生まれたともいわれ<ref>アポロドーロス、3巻14・6。</ref>、アテーナイ王[[クラナオス]]の娘と結婚し、息子[[イトーノス]]のほか<ref>パウサニアス、5巻1・4。</ref><ref>パウサニアス、9巻1・1。</ref><ref>パウサニアス、9巻34・1。</ref>、[[ケルキュオーン]]と[[トリプトレモス]]の母になった娘がいた<ref>パウサニアス、1巻14・3。</ref>。

アムピクテュオーンは義理の父クラナオスを追放して自ら王となり、12年間アテーナイを支配したが、その後[[エリクトニオス]]によって王位を追われた<ref>アポロドーロス、3巻14・6。</ref><ref>パウサニアス、1巻2・6、31・3。</ref>。

一説にアムピクテュオーンは[[ポーキス]]に[[イオニア]]、ドロピア、[[テッサリアー]]、アイニアーネス、[[マグネーシア]]、マリス、プティオーティス、[[ドーリス]]、ポーキス、[[ロクリス]]の諸族を集め、[[デルポイ]]の聖域を維持するための[[隣保同盟]]を創設した。この同盟の参加者はアムピクテュオーンにちなんでアムピクテュオネスと呼ばれ<ref>パウサニアス、10巻8・1～81-8・2。</ref>、その会議場があった[[ボイオーティア]]のアンテーレー付近にはアムピクテュオーンと[[デーメーテール|デーメーテール・アムピクテュオネス]]の聖域があったという<ref>[[ヘロドトス]]、7巻200。</ref>。

* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波書店]]（1953年）

* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎（1991年）

* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]]（1960年）