「モロッコ料理」の版間の差分

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[[ファイル:Couscous of Fes.JPG|right|200px|thumb|[[フェズ]]のクスクス]]
'''モロッコ料理'''([[アラビア語]]:''مطبخ المغرب'')は、[[{{仮リンク|地中海]]料理と[[|en|Mediterranean cuisine}}、中世アラブ料理、{{仮リンク|ベルベル料理]]|en|Berber_cuisine}}[[{{仮リンク|アンダルシア料理]]|en|Andalusian_cuisine}}が元なっている。写真は最も有名[[オスマン帝国]]の支配を受けモロッコかったため、{{仮リンク|アルジェリア料理である|en|Algerian_cuisine}}や{{仮リンク|チュニジア料理|en|Tunisian cuisine}}に比べて[[クスクストルコ料理]]の影響が少ない
<!--日本には存在しないが、サンフランシスコには、世界で唯一、ミシュランの星を保持するモロッコ料理店「aziza」が存在する。1つ星。-->
 
== 概要 ==
モロッコ料理では、[[クミン]]、[[パプリカ]]、[[サフラン]]がよく用いられ、[[ハリッサ]]はクスクスに添える程度で、料理にあまり使わないため[[チュニジア料理]]ほど辛くない。よく使われる[[ハーブ]]に[[パセリ#種類|イタリアンパセリ]]や[[コリアンダー|コリアンダーリーフ]]がある。料理に[[レーズン|干しぶどう]]、[[ナツメヤシ|デーツ]]、[[アーモンド]]、[[レモン]]の塩漬け、[[オリーブ]]をよく用いるのも特徴的である。東地中海地方([[マシュリク]])のアラブ料理とは異なり、[[ヨーグルト]]の消費は少ない。主食は主に[[パン]]である。
 
モロッコ料理では、[[クミン]]、[[パプリカ]]、[[サフラン]]がよく用いられ、[[ハリッサ]]はあまり使わないため[[チュニジア料理]]ほど辛くない。よく使われる[[ハーブ]]に[[パセリ#種類|イタリアンパセリ]]や[[コリアンダー|コリアンダーリーフ]]がある。料理に[[レーズン|干しぶどう]]、[[ナツメヤシ|デーツ]]、[[アーモンド]]、[[レモン]]の塩漬け、[[オリーブ]]をよく用いるのも特徴的である。東地中海地方([[マシュリク]])のアラブ料理とは異なり、[[ヨーグルト]]の消費は少ない。主食は主に[[パン]]である。
 
モロッコ料理では[[牛肉]][[羊肉]]が最もよく用いられる肉である。[[マグリブ]]で育てられている羊の種類は、脂肪のほとんどを尻尾の近くに蓄える。そのため、羊肉特有の臭みはあまり強くない。[[ニワトリ|]]や[[ハト|鳩]]など家禽の肉もよく食べられる。南部では[[ラクダ]]を食用とする南地方もある。
 
[[ミント]]と[[砂糖]]を入れた[[緑茶]]([[アッツァイ]])はとても人気があり、茶葉は中国緑茶の[[{{仮リンク|珠茶]]|en|Gunpowder_tea}}[[{{仮リンク|珍眉茶]]|en|Chun Mee}}が好まれる。
モロッコ料理では[[牛肉と羊肉]]が最もよく用いられる肉である。[[マグリブ]]で育てられている羊の種類は、脂肪のほとんどを尻尾の近くに蓄える。そのため、羊肉特有の臭みはあまり強くない。[[ニワトリ|鶏]]や[[ハト|鳩]]など家禽の肉もよく食べられる。[[ラクダ]]を食用とする南地方もある。
 
[[ミント]]と[[砂糖]]を入れた[[緑茶]]([[アッツァイ]])はとても人気があり、茶葉は中国緑茶の[[珠茶]]や[[珍眉茶]]が好まれる。
 
2010年、[[イタリア料理]]、[[ギリシア料理]]、[[スペイン料理]]と共に、モロッコ料理が、[[地中海]]の食事として[[ユネスコ]]の[[無形文化遺産]]に登録された。
 
== モロッコの有名な料理 ==
[[ファイル:MarrakeshTagine2.jpg|200px|right|thumb|[[マラケシュ]]のタージーンとパン]]
* [[クスクス]](كسكس)
* [[バスティラ]]({{Lang|en|Pastilla}} بسطيلة) - ハトや鶏の肉を玉葱、卵、炒めた[[タマネギ]]や揚げた[[アーモンド]]などと一緒に[[ワルカ]]で包んで焼いた[[パイ]]。[[]][[シナモン]]をふりかけて食べるものが有名。パスティラ、ブスティラ、ビスティーヤなどとも呼ばれる。
* [[タジン鍋|タージーン]](طاجين)- 肉、野菜、果物などを円錐形の蓋のついた同名の土鍋で[[蒸し煮]]にした煮込み料理。
* [[{{仮リンク|タンジ]]|en|Tangia}}([[:ar:طنجية]]) - 同名の口の狭い壷に牛や羊の肉と香辛料・塩漬けのレモン・[[バター]]にんにく[[ニンニク]]を入れて紙でふたをし、[[モスク]]の[[ハンマーム]]の炉の灰に埋めてゆっくりと蒸し煮にした料理。出勤前にタンジアを持ってモスクに行ってタンジアを灰に埋めれば、仕事が終わる頃にはタンジアがほどよく煮上がるため、独身男性向きの料理とされる。
* [[キョフテ|ケフタ]](كفته)- [[挽肉]]料理。串に刺してグリルしたり、タージーンで煮込む。
* {{仮リンク|ブリーク (チュニジア料理)|label=ブリーク|en|Brik}}(بريك)- [[トルコ料理]]の[[ブレク|ビョレク]]から派生した、[[チュニジア]]発祥のおかずパイ。[[ツナ]]や[[鶏卵]]をワルカで包んで揚げたもの。
* [[クナーファ|ケネッファ]](كنفة)- 揚げたワルカの層の間に揚げたアーモンドと[[アーモンドミルク]]の甘いソースを挟んだデザート。
* ロズ・ビル・ハリーブ(رز بالحليب)- [[米]]をアーモンドミルクと牛乳で煮込んだ[[ライスプディング]]。
* [[ムハッレビ|ムハラビーヤ]](محلبية)- [[コーンスターチ]]と牛乳の[[プディング]]。
* クターイフ(قطايف‎)- [[クナーファ]]生地をバターで揚げ、アーモンドペーストを挟んで[[シロップ]]で煮た菓子。
 
== モロッコ料理の食材 ==
[[ファイル:Spices1.jpg|right|200px|thumb|スパイスマーケット]]
* [[ワルカ]](ورقة)- 紙のように薄いパイ生地。バスティラやデザートに用いる。東地中海の[[フィロ]]に似ているが、製法が違う
* [[アルガン油]](''{{Lang|en|Argan oil}}'') - [[アカテツ科]][[アルガンノキ]](''[[:en:Argan|Argania Spinosa]]'')の種子から絞った油。クスクスや[[サラダ]]に用いる他、[[パン]]につけて食べる。
* [[スメン]](سمن)- 澄まし[[バター]]。ハーブを練り込んだものや何年も醗酵させたものがある。
* [[{{仮リンク|ルアス=ル=ハーヌート]](رأس الحانوت)([[:|en:|Ras el hanout]])}}(رأس الحانوت)- [[カルダモン]]、[[ニクズク属|メース]]、[[ナツメグ]]、シナモン、[[唐辛子]]などをブレンドした調味料。
* [[{{仮リンク|メルゲーズ]](مرقاز)([[:|en:|Merguez]])}}(مرقاز)- 羊肉や牛肉の辛い[[ソーセージ]]。
 
== 無形文化遺産 ==
2010年、[[イタリア料理]]、[[ギリシア料理]]、[[スペイン料理]]と共にモロッコ料理が[[地中海]]の食事として[[ユネスコ国際連合教育科学文化機関]]の[[無形文化遺産]]に登録された。2014年、「アルガンノキに関する慣習とノウハウ」が登録された。
 
== 参考文献 ==