「本福寺 (淡路市)」の版間の差分

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当初、[[住職]]や300余りの[[檀家]]すべてが反対した。なぜ建設することができたのかは、『建築手法』(安藤忠雄、二川幸夫 共著)に詳しい。
 
設計にあたり安藤は、「お寺とは何か」という考察から始め、「人が集まり、心の豊かさを感じられる空間」という結論に達した。信者からは、とにかく寺に人が来ない。魅力的にして人が来ることで心のよりどころにしたいとの思いを聞かされていたが、通常寺には大屋根があり、これは権力の象徴であるため避けたい。権力ではなくハスをシンボルにする。そのために、10ḿの楕円形の水盤を作り、その中に人が入ってゆく。水盤を[[池]]にして[[仏教]]の原点であるハスの花をいっぱいに咲かせる。ハスの中に入る寺にしたい。と、信者らの前で説明したが、前述のごとく全員に反対された。さすがに全員反対には驚いた安藤がとった策は、[[京都]]の真言宗[[本福寺]]本山の当時すでに90歳を超える高名な僧侶、[[立花大亀]]に意見を求めることであった。

安藤から話を聞いた立花は「これはいい。なぜなら仏教の原点のハスの中に入るというのは一番良い姿だ。自分も[[冥土]]へ行く前に見たい」といい、2、3人の檀家代表に話をした。次の回に出席すると、同じ信徒らの意見は180度変わっており、全員賛成だった。そこで安藤は「あなた方、この間全員反対だったじゃないか」と問うと、「いや、それは安藤さんの空耳じゃないか」といわれた。安藤はムッとして「漏るかもわからんぞ」と脅かしたところ「新しいことに挑戦しているのだから、少々は仕方がないでしょう」といわれたという<ref name="kishi"></ref>。
 
== 所在地 ==