「チリンの鈴」の版間の差分

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オオカミのウォーに母を殺された子[[ヒツジ|羊]]チリン。
 
チリンは復讐のために牧場を出てウォーを探し当て、オオカミを超える強さを身につけるべく憎い敵であるウォーに弟子入りを志願する。最初チリンを相手にしなかったウォーだが、チリン本気なのを知り、弱肉強食の世界で生き延びるために戦い方を教える。復讐心を糧に厳しい修行に耐え続ける内に、チリンは徐々に恐るべき魔物の姿に変わってしまう。牙を持たない彼の殺しの手段は、凶器とも言えるまでに肥大化した二本の角で突き殺すこと。その角を武器にウォーに何度挑めども仕留められぬ日々を繰り返す内に、チリンは次第にウォーに親子にも似た親愛の情を抱くようになり、っていく。そして復讐がかなわぬのならせめて彼と運命を共にするこしよう決め、彼の手下となっ共に森を荒らしまわるようになる。
 
やがてウォーは最後の課題としてチリンに生まれ故郷の牧場を襲撃するよう命じ、チリンは難の迷いもなく実行に移す。そして1匹の子羊に襲い掛かろうとしたとき、母羊が我が子を守ろうと立ちはだる。その様をかつての自分と自分の母親に重ね合わせたチリンは激しく動揺して実行に移せず、復讐心に再び火を灯して羊に襲いかかろうとしたウォーの前に立ちふさがった。
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激闘の末、ウォーはチリンの角に突かれ、こうなることがわかっていてあえてチリンを受け入れ鍛えたこと、自分を殺したのがチリンであったことに喜びを感じていたことを伝え、息絶える。
 
こうして復讐を果たしたものの、チリンは父親同然の存在となっていたウォーを自らの手で殺めてしまったことで深い悲しみに暮れ、異形の姿ゆえに元の羊の群れに戻ることもできず、ウォーが抱えていた一匹狼ゆえの孤独を実感と共に噛み締めながら姿を消した。
 
そして以後、彼の姿を見たものはなかったという。