「マルコム・X」の版間の差分

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== 生涯 ==
=== 生い立ち ===
マルコムは[[ネブラスカ州]][[オマハ (ネブラスカ州)|オマハ]]に生まれる。[[バプテスト教会|バプテスト]]の反体制的な牧師だった彼の父親アール・リトルは、アメリカに[[黒人]]の自由は存在しないと考えている人物だった。自宅敷地内に[[家庭菜園]]を作り[[家畜]]を育てほぼ[[自給自足]]に近い生活を送り、周辺に住む他の黒人のように白人に媚び諂い仕事を分けてもらうことを良しとしない人物だった。そのため、一家は当時大きな勢力を誇っていた[[クー・クラックス・クラン|KKK]]の標的にされていた。父は[[1931年]]に[[ミシガン州]][[ランシング (ミシガン州)|ランシング]]で[[レイシスト|人種差別主義者]]によって殺害された。頭が変形するほど殴られ、体が三つに切断されるように線路に放置されて轢死体となって発見された。明らかな殺人にも関わらず警察は[[自殺]]と断定した。当時マルコムの父は二つの保険会社の[[生命保険]]に入っており、その内の一つは受け取りの金額が僅か数百ドルと小額だったため保険金が支払われたが、もう一つの保険会社は受け取りの金額が大きかったため、警察が自殺と断定したとの理由により保険金は支払われなかった。その後彼の母ルイーズは精神を病み、[[精神病院]]に送られた。後にマルコムと兄弟姉妹が精神病院から引き取るが、その時にはマルコムを含めて子供達を全く認識できなかったことから、人間[[モルモット]]まがいの扱いを受けていたものと推測されたが、病院側はあらゆる質問を拒否し彼女のカルテも無断で破棄したため事実は現在でも闇の中である。マルコムは自伝で、役所の人間が同じことを何度も母に尋ね子供達を里子に出すことを強要したため精神を病んだのだ、と記述している。
 
ルイーズは黒人と白人の混血で、母親(マルコムの祖母)が白人に[[強姦]]されて生まれた。一見すると褐色の肌の白人と間違えられ、そのお陰で職を得られたこともあったが、白人の血が入った黒人であることが発覚すると即座に解雇された。マルコムは自伝で、「母は自分の体に流れている白人の血を憎み、黒人の中でもとりわけ肌の色が黒く黒人然とした父と結婚したのだ」と語ってはいるものの、実際にはマルコムの父が殺害される数年前から夫婦仲は冷え切り喧嘩が絶えなかった、とマルコムの兄姉は証言している。事実、アールが殺害された晩も、夕食のメニューという些細なことで口論となり、彼が家を飛び出してその帰り道に襲撃され殺害されている。ルイーズは初婚であったが、アールにとっては3度目の結婚であった。彼女は夫の死後9人の子供を一人で育てることになった上に、精神を病んだため、子供たちはそれぞれ別の家に里子に出された。