「シェフィールド (駆逐艦)」の版間の差分

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エグゾセAM39は、「シェフィールド」の艦橋後方右舷の水線上約1.8メートルの位置に命中、入射角60度で艦内に突入した。弾頭は爆発することなく、右舷通路、調理室、前部補機室を経て、前部機械室に達したが、[[固体燃料ロケット]]は燃焼を続けており、機械室内の潤滑油や燃料にも引火して、大火災を生じた<ref name="岡田1997">{{Cite book|和書|author=岡田幸和|year=1997|title=艦艇工学入門|chapter=損傷艦艇の被害状況と応急対策|publisher=海人社|isbn=978-4905551621|pages=271-296}}</ref>。
 
本艦では発電機・消火ポンプは前後区画に配置されていることから、今回の例のように前部機械室・補機室が機能喪失した場合でも、後部の機械室・補機室によって艦の機能は最低限維持できる見込みであった。しかしアルミ合金製の通風トランクや仕切弁が溶解してしまい、電纜を介した延焼もあって火災は他区画へ拡大し、後部機械室・後部補機室の機能も順次に失われた。電纜類の被覆などの燃焼によって有毒ガスが発生し、また被弾後約30分で電源が失われたこともあって、消火活動は大きく阻害された。4基の消防ポンプはすべて機械室に配置されており、命中した時点で作動していた2基は衝撃によって停止した。このうち1基は再起動に成功したが、もう1基は再起動できず、また再起動できた1基もまもなく機能を喪失した。残る2基のうち1基は最初から故障状態、もう1基も始動できなかった。これにより、消防主管の圧力は失われてしまった。代替になるかもしれなかったローヴァー製の可搬式ガスタービンポンプは性能的に全く不十分であった<ref name=OCC>{{Cite web|author=Office of Commander-in-chief, fleet |date=1982-05-28|url=https://clashofarms.com/files/BOI_Rpt_HMS_Sheffield_May82.pdf|title=Loss of HMS Sheffield|format=PDF |language=英語|accessdate=2016/07/24}}</ref>。このため、バケツにロープをつけて海水を汲み上げて消火用水として使ったという逸話もある。また、艦橋付近の被弾によって通信線が断絶し、指揮機能が低下したことも初期消火活動に悪影響であった可能性が指摘されている<ref name="藤木1991"/><ref name="岡田1997"/>。
 
被弾から約5時間後にフリゲート「[[アロー (フリゲート)|アロー]]」が、ついで「[[ロスシー級フリゲート|ヤーマス]]」<ref name="nids"/>が救援に到着し、外部からの注水も行われた。しかし艦体は鋼製であったものの隔壁はアルミ合金製であり、また木製家具類の焼失もあって、火災範囲は最終的に艦内の約2/3に達した。艦自身の消火活動はほとんど遂行不能となり<ref name="岡田1997"/>、前部のシーダート弾薬庫に誘爆の恐れが生じたことから、2100Z時(1800L時)、総員退去が下令された<ref name="藤木1991"/>。最終的に、乗員260名中、死者・行方不明者20名、負傷者24名であった<ref name="藤木1991"/>。
 
火災は2日間続いたのち鎮火したが、[[アセンション島]]への曳航途上で荒天に遭遇、破孔から浸水が拡大し、5月10日0700Z時ごろ、南緯53度04分、西経56度56分で沈没した。荒天に遭遇、浸水沈没したとも、曳航困難で爆破自沈させたとも言われている。最終的に、乗員260名中、死者・行方不明者20名、負傷者24名であった<ref name="藤木1991"OCC/>。
 
== 参考文献 ==