削除された内容 追加された内容
変種 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
変種 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目:
[[植物学]]における'''変種'''(へんしゅ、{{lang-en-short|variety}}、{{lang-la|varietas}})は、{{仮リンク|植物命名規約|en|Botanical nomenclature}}によって定められた、{{仮リンク|植物分類|en|Plant taxonomy}}における[[階級 (生物学)|階級]]の一つ。[[二名法]]で記載される学名の後ろに {{lang|en|'''var.'''}} と省略されて表記される。なお[[植物新品種保護国際同盟]]では、変種の語を法律用語として扱っている。
 
[[国際動物命名規約]]では、種小名の後ろにつけられる階級は[[亜種]]のみが認められており、変種という階級は認められていない。
5行目:
== 概要 ==
[[ファイル:Echinochloa crus-galli korseby.jpeg|thumb|180px|イヌビエ(狭義)]]
変種は、同じ[[種 (分類学)|植物種]]の他の変種とは区別されるが、異なる変種間でも[[交雑]]は可能である。しかし変種間で生態的特性や好適環境が異なる場合もあり、その場合分布域が重ならないこともあるため交雑が起こりづらくなる。例えば[[イヌビエ]]<ref>狭義、{{lang|la|''Echinochloa crus-galli''}} {{lang|en|var.}} {{lang|la|''crus-galli''}}</ref>、[[ヒメイヌビエ]]<ref>{{lang|la|''E. crus-galli''}} {{lang|en|var.}} {{lang|la|''praticola''}}</ref>、[[ヒメタイヌビエ]]<ref>{{lang|la|''Echinochloa crus-galli''}} {{lang|en|var.}} {{lang|la|''formosensis''}}</ref>の3変種は、どれも湿性条件に適応して生育するが、ヒメイヌビエは乾燥に比較的強く路傍や畑地などでも生育できるのに対し、ヒメタイヌビエは乾燥に弱く水田で[[イネ]]と共存する適応性をもつなど、それぞれの変種で生態的に大きく異なる特性を持っていることがある<ref>中山 祐一郎, 坂井 雅子, 山口 裕文 (2009)「水ストレスに対するイヌビエ(広義)の生態的反応」雑草研究 54(4) 239-248</ref>。
 
また、2種類の変種が同所的に生育し、生殖隔離が起こっていると考えられる場合には、その変種が種に格上げされることが検討されることもある。例えば[[ネコノメソウ属]]の[[ボタンネコノメソウ]]<ref>{{lang|la|''Chrysosplenium fauriei''}} {{lang|en|var.}} {{lang|la|''kiotense''}}</ref>は、同属の[[ホクリクネコノメ]]<ref>{{lang|la|''Chrysosplenium fauriei''}}</ref>の変種として扱われているが、同所的に生育する例があることや形態的な特徴の著しい差異から、別種<ref>{{lang|la|''C. kiotense''}}</ref>として扱うべきだと示唆されている<ref>若林三千男、大場秀章(1995)「ネコノメソウ属ホクリクネコノメ群(ユキノシタ科)の一新種と群内の分類学的再検討」植物分類・地理 46(1), 1-27</ref>。
 
==変種の利用==