「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の版間の差分

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『'''王立宇宙軍 オネアミスの翼'''』(おうりつうちゅうぐん オネアミスのつばさ)は、[[ガイナックス]]制作の[[サイエンスフィクション|SF]]アニメ映画。[[1987年]](昭和62年)[[3月14日]]に劇場公開された。純制作費は3億6000万<ref>{{Cite web |url=http://ch.nicovideo.jp/ex/blomaga/ar1137546 |title=岡田斗司夫の毎日ブロマガ「スタジオジブリ敗北!? 興行収入と配給収入についての解説」|publisher=岡田斗司夫の毎日ブロマガ |date=2016-11-16 |accessdate=2016-11-16}}</ref>だが、ハリウッドでのプレミア上映などプロモーションにかかった宣伝費などを含む総製作費は約8億円に対し[[配給収入]]は3億4700万円<ref>『映画プロデューサーが面白い』、キネマ旬報、1998年、p222。</ref>。{{要出典範囲|ガイナックスは本作で生まれた赤字の補填のために『[[トップをねらえ!]]』を制作する事となった|date=2017年3月}}
 
== 概要 ==
[[1950年代]]の地球に似ている「もうひとつの地球」にある「オネアミス王国」正式国名「オネ・アマノ・ジケイン・ミナダン王国連邦」が舞台。
 
当初は4000万円の[[オリジナルビデオ]]として企画されていたものだったが<ref>武田康廣『のーてんき通信 エヴァンゲリオンを創った男たち』ワニブックス、[[2002年]](平成14年)、p91</ref>、当時[[バンダイ]]の[[山科誠]]社長が映像事業進出を模索していたことから映画化が実現し<ref>竹熊健太郎編『庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン』太田出版、[[1997年]](平成9年)、p76</ref>本作を制作するため[[1984年]](昭和59年)に[[ガイナックス|GAINAX]]が設立された。制作スタッフの多くが商業作品の制作経験をほとんど持たない20代の若者であったことでも知られる。その主要スタッフはNASAにロケハンに行っている。当時、映画製作の進行状況など月刊[[モデルグラフィックス]]誌上において毎月リアルタイムに連載された。
 
監督は当時24歳の[[山賀博之]]。スタッフの平均年齢も24歳である。のちに『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』などで有名となった[[貞本義行]]や[[庵野秀明]]も参加し、音楽監督として[[坂本龍一]]を起用している。大衆向け娯楽作とは異なり、興行的には成功とは言えなかったが、一部でロングラン上映をする館もあった<ref>『のーてんき通信』p96</ref>。また、ビデオ・レーザーディスク(「メモリアルボックス」)は長く好調な販売を記録した。[[1997年]](平成9年)に[[ドルビーデジタル]]版(「サウンドリニューアル版」)が制作、同年[[11月2日]]に公開された。
 
公開当時、上映時間の都合からカットされた場面(約1分)があり、「メモリアルボックス」において登場キャラクターの声優である森本レオ・曽我部和恭による追加アフレコを行った上で本編に組み込まれた。その後1997年発売の「サウンドリニューアル版」ではこの場面は特典映像扱いとなり、本編は公開版に戻されている。<ref group="注">これとは別に東宝東和側から、一日の上映回数を増やすため40分程度尺をカットするよう求められた際、企画の[[岡田斗司夫]]が「フィルムを切るのなら俺のを切れ!」と啖呵を切り、阻止したとのこと。<ref group="注">「オタクアミーゴス!」より、での岡田斗司夫自身の証言。</ref>
 
緻密でリアリティある作画を実現するため、シロツグの初めて体験する飛行訓練シーンでのプロペラ回転始動のカットなど一部には[[コンピュータグラフィックス]]技術も導入されている。しかし、[[テクスチャマッピング]]された動画にも莫大な時間と費用を要する時代であり、その節約のため、[[ワイヤーフレーム]]で描かれた線をなぞって手書きの動画に起こす手法が採られた。
 
[[1992年]]([[平成]]4年)頃には続編の『[[蒼きウル]]』が山賀監督自身によって構想されたが、企画は諸事情から凍結となり実現していなかった。[[2013年]](平成25年)[[3月21日]]、『蒼きウル』の製作再開が明らかになった<ref>{{Cite news |url=http://mantan-web.jp/2013/03/21/20130321dog00m200013000c.html |title=蒼きウル : ガイナックスの凍結アニメが20年ぶりに再始動 |newspaper=まんたんウェブ |publisher=MANTAN |date=2013-03-21 |accessdate=2016-01-15}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://animeanime.jp/article/2013/03/21/13388.html |title=王立宇宙軍の続編「蒼きウル」20年ぶりに始動 ガイナックスがアニメフェアで発表 |work=アニメ!アニメ! |publisher=イード |date=2013-03-21 |accessdate=2016-01-15}}</ref>が、2017年現在公開予定などは明らかにされていない
 
== 評価 ==
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本作品に対し[[宮崎駿]]は、金のない無名の若者たちが集団作業で作る姿勢に好感を持って応援し<ref>『パラノ・エヴァンゲリオン』p73</ref><ref>「対談 宮崎駿・高畑勲 ぼくたちの30年東映動画からスタジオジブリへ」『キネマ旬報臨時増刊 宮崎駿・高畑勲とスタジオジブリのアニメーションたち』キネマ旬報社、[[1995年]](平成7年)、p18</ref>バンダイを説得するための話などをした。完成した作品にもある程度の評価をしているが、作中でロケット打ち上げの際に将軍が簡単に打ち上げを諦めたこと<ref>『パラノ・エヴァンゲリオン』p74</ref>や主人公以外の、努力してきた年配者を描かないことを批判<ref>大塚英志、ササキバラ・ゴウ『教養としての<まんが・アニメ>』講談社現代新書、[[2001年]](平成13年)、p234</ref>。『[[キネマ旬報]]』1987年3月下旬号で[[山賀博之]]監督とほとんど口論に近い形の対談を行っている。
 
[[堀江貴文]]([[ライブドア]]元社長)は、本作の熱心なファンとして知られ、一時はライブドアが続編製作に出資するという話もあった。堀江は宇宙事業参入を目指し、知人らとロケット開発を行ってい<ref>{{Cite web |url=http://gendai.ismedia.jp/articles/-/97 |title=“丸裸”ホリエモン 「それでも続ける宇宙ロケット開発」への情熱|経済の死角 |work=現代ビジネス |publisher=講談社 |date=2010-01-16 |accessdate=2016-01-15}}</ref>。
 
[[安彦良和]](アニメ監督)は、「全然素晴らしいとは思わない。何のメッセージもない。ただ映像は素晴らしい。誰がやったんだこんなとんでもない作画。そういうことをやって何を言いたいんだっつったら、地球は青かったって言うんですよ。それガガーリンだろ、50年代だろ、ふざけんな(笑) 青いの当たり前じゃない、みんな知ってんだよ。それが物凄い気持ち悪かったんですよね。こんなに無意味なもの、これだけのセンスと技術力を駆使して表現しちゃうこいつら何なの?って」と否定意見を述べ絶賛している<ref>「アニメ、文化、この時代〜ガンダムとエヴァンゲリオンと〇〇〇〇」(丸善ジュンク堂チャンネル、安彦良和×東浩紀、2015年7月11日)、『アニメ・マンガ・戦争』(安彦良和著、p.129)</ref>。
 
[[押井守]]は2016年のインタビューで、「本格的な異世界ファンタジーをちゃんとやりきれたフィルムなんて数えるほどしかない」と述べ、アニメでの例として『[[風の谷のナウシカ (映画)|風の谷のナウシカ]]』とともに本作を挙げている<ref>{{Cite news|url=http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1481597206|title=押井守監督は、この15年で何を見て感じてきたのか? 『ガルム・ウォーズ』監督インタビュー|newspaper=animate times|date=2016-12-13|accessdate=2017-02-04}}</ref>。
 
== タイトル ==
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これではイメージが固すぎるとの考えから、1986年の映画製作発表時には副題を付け、「'''王立宇宙軍 リイクニの翼'''」という仮タイトルになった<ref>{{Cite web |url=http://www.dot-anime.com/tb/tb_emodama/016.html |title=エモーション魂〜渡辺繁を支えた縁人〜 第16回 20分間の攻防 |work=ドットアニメ - TORNADO BASE |publisher=バンダイビジュアル |date=2007-11-07 |accessdate=2016-01-15 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20071113064142/http://www.dot-anime.com/tb/tb_emodama/016.html |archivedate=2007-11-13}}</ref>。その後"リイクニの翼"では、観客の意識がリイクニに偏り過ぎるという事で"オネアミスの翼"に変更、さらに配給元の[[東宝東和]]の意向で主題と副題を入替え、劇場公開時は「'''オネアミスの翼 王立宇宙軍'''」のタイトルとなった。
 
この入替えは制作サイドからは不評であったため、<!--のちにLD「メモリアルボックス」ではタイトルから「オネアミスの翼」が取り除かれ、それ以降は「王立宇宙軍」が正式タイトルという扱いになっている。--><!-- LDでも「オネアミスの翼」は付いている。主題・副題を戻しただけ。 -->レーザーディスク化の際「'''王立宇宙軍 オネアミスの翼'''」に戻され、以後の映像ソフトでもこのタイトルとなっている。
 
== 物語 ==
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;老人F(フォンマ)
:いつもニコニコしていて、いつも何か食べている。
;老人G(ハンパゴイル
:松葉杖をついている。水素エンジンに反対したカロックを「後から来たくせに、ごちゃごちゃ抜かすな!」と怒鳴り散らした。
;老人H(ゴイルハンパ
:度の強い眼鏡をしている。ロケット打ち上げの際に上昇高度の読み上げを担当した。
 
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{{ガイナックス}}
{{星雲賞メディア部門}}
{{坂本龍一}}
 
{{デフォルトソート:おうりつうちゆうくん おねあみすのつはさ}}
[[Category:アニメ作品 お|うりつうちゆうくん おねあみすのつはさ]]