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== 湿疹の三角形(湿疹三角) ==
[[File:Sissinsankaku.PNG|right|湿疹の三角形]]
湿疹の三角形は、湿疹として生じる固疹の形態(紅斑、漿液性丘疹、小水疱、膿疱、糜爛、痂皮、落屑、治癒)を、通常とりうる経過を加えて表現した図である。慢性化するすなわち治癒しなかった場合は皮膚の肥厚、苔癬化を呈する内容も加えられている。経過が一定ではなく様々なパターンをとることが分かる。一方、病因論的に見ると典型的湿疹は接触皮膚炎である。
 
湿疹の経過は多様であるので、必ずしもそうとは言い切れないが典型的な経過をまとめてみる。まず[[炎症]]がおこり毛細血管が拡張する、この状態を''紅斑'' という。細静脈から滲出が進み皮膚が膨らんでくる、この状態を''滲出性丘疹'' という。さらに滲出が進むと''小水泡''となる。炎症細胞の量が増えてくれば''膿疱'' となる。膿疱は細菌性皮膚炎でも特徴的だが、細菌がいなくても炎症細胞が増えれば起こしえる。やがて大きくなった水泡や膿疱は破れて''湿潤''(または糜爛)となる。滲出した滲出液が固まれば瘡蓋のようになる、これを''結痂'' という。そして炎症がおこり形態変化を起こした皮膚もいずれ新陳代謝で消えてなくなろうとする、これが''落屑'' である。落屑までいけば大抵は治癒になるのだが、リモデリングされてしまうことがある、これが''苔癬化'' であり、表皮が肥厚し、粗い皮膚構造が特徴的である。似た言葉に''苔癬'' という言葉があるが、これは一定範囲内の丘疹の集簇であり苔癬化とはまったく異なる概念である。[[扁平苔癬]]などが有名である。
 
まとめとして語句を整理する。
*[[紅斑]]:炎症の始まりとして、血流が亢進した状態。
*滲出性[[丘疹]]:表皮の炎症によって海綿状態がおこった状態。