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|title=「ザナドゥ・ネクスト」- レビュー
|accessdate= 2008-12-16
}}</ref>。また、翌年の[[1986年]]に本作品と[[システム]]を共用する直接の続編(もしくは追加シナリオ)として'''ザナドゥ・シナリオII'''がリリースされた(後述)
 
本項ではシナリオII、その後発売された移植版、リメイク版、派生作品についても解説する。
 
== ゲームシステム(ザナドゥ) ==
=== ゲームフロー ===
自由落下が表現された[[サイドビュー]]マップ上でのブロック単位移動を基調とする。敵キャラクターとの[[シンボルエンカウント]]によって戦闘画面に切り替わり、[[ビュー|トップビュー]]のドット単位移動によるアクションゲームを行なう。戦闘を繰り返す事による経験値の蓄積によって主人公がレベルアップし、入手する多数の武具・防具およびアイテムを活用しつつ最終ボスのキング[[ドラゴン]]「ガルシス」の討伐を目指す。
 
=== レベル構造 ===
ザナドゥのゲーム空間であり通常の移動領域である「レベル(LEVEL)」には独立した[[ダンジョン]]である'''塔'''が複数存在する。塔の内部は正方形の小部屋が連結された構造で、小部屋毎に固定画面の切り替えで移動が行われる。塔内部の広さは数部屋しかない狭いものから、[[マッピング]]なしでは迷う程度ほどに広いものまで様々である。内部の広さはサイドビュー移動時の外観で広さの見当が付く場合もある。
 
通常の塔は個別に完結した構造としてデザインされているが、ひとつのレベル内の塔はプログラム的に連結構造として処理されている。このため、あるAの入り口から入って別の塔Bの出口から外に出る事も可能である。これは通常の徒歩移動以外にもアイテム利用によって壁を通過するなどして意図的に行う事も可能である。1つのレベルにおいて最大で16×4の長方形(シナリオIIは8×8の正方形)ブロックの連結構造である事が複数の資料で確認されている。
 
の部屋の中には「どの部屋ともつながっていない隠し部屋」が存在する場合があり、これを発見するためには塔の内部をマッピングする必要がある。このような隠し部屋には強力な武器・防具などが置かれていることがあるほか、重要なアイテムを守るボスデカキャラがいる場合もあり、隠し部屋の発見はゲーム進行上の重要な要素となっている。
 
=== 熟練度 ===
本作品内で入手できる武具・防具・アイテムには、個別に熟練度というパラメータが設定されている。例えば武器であれば、高価な武器でも熟練度は以下の方法で増加させる事可能であり低いと安物だが熟練増加すれば減少しなの高武器より弱いということになり、攻撃が敵に当たらなかったりダメージが小さかったりする
 
熟練度は以下の方法で増加させる事が可能であり、一度増加すれば減少しない。
* 敵を武器または魔法で攻撃することで、攻撃に使った武器または魔法の熟練度が上昇し、敵に与えるダメージが大きくなる。
* 敵の攻撃をいずれかの方向から受けることで鎧の熟練度が上昇し、敵から受けるダメージが減少する。
* 敵の攻撃を正面から受けることで盾の熟練度が上昇し、同じく敵からのダメージが減少する。
* 敵の魔法を受ける事によって、盾および鎧の熟練度が同時に上昇する。
* アイテムを使用することでアイテムの熟練度が上昇する。ポーションは回復量が増加し、効果が一定時間持続するアイテムは持続時間が長くなるなどの効果がある。
* 拾う事で装備中の武器・魔法の熟練度を直接上昇させる事の可能なアイテムが存在する(それぞれ、Magic GrobeおよびRod)。
 
* 敵を武器または魔法で攻撃することで、攻撃に使った装備している武器または魔法の熟練度が上昇し、敵に与えるダメージが大きくなる。
=== 有限要素の管理 ===
* 敵の攻撃をいずれかの方向から受けることで、装備している鎧の熟練度が上昇し、敵から受けるダメージが減少する。
本作品のシナリオIにおける敵およびアイテム数は有限であり、戦闘などにおける乱数要素も極力廃されている。ゲームクリアを目指すプレイヤーはアイテムの利用方法を常に取捨選択しなければならず、ゲームデザイン用語としての'''[[リソース]]管理'''や、'''[[トレードオフ]]'''の概念が必然的にプレイヤーにも適用される。
* 敵の攻撃を正面から受けることで、装備している盾の熟練度が上昇し、同じく敵からのダメージが減少する。
* 敵の魔法を受ける事によってことで装備している盾および鎧の熟練度が同時に上昇する。
* アイテムを使用することで、アイテムの熟練度が上昇する。
* 拾う事で装備中のしている武器または魔法の熟練度を直接上昇させる事の可能なアイテムが存在する(それぞれ、Magic GrobeおよびRod)。
 
熟練度が上昇すると、以下の効果が得られる。
* リソース管理の例
** 極端に数武器または魔法少ないアイテム熟練度存在上昇するため使用を意図的制限す与え必要ダメージ増大する。
* 鎧または盾の熟練度が上昇すると、敵から受けるダメージが減少する。
** 熟練度を増加させるアイテムをゲームの序盤で取り過ぎると、終盤で必要となる武器や魔法の熟練度を上げる事が困難になる。
* アイテムを使用することでアイテムの熟練度が上昇する。ポーションと、回復アイテムは回復量が増加する、効果が一定時間持続するアイテムは持続時間が長くなるなどの効果がある。
** 敵と接触すると、1~9匹の敵と戦闘することになる。その最後の敵を武器で倒すとアイテムが出現する。魔法で倒すとアイテムは出現しない。そのため、容易に敵を倒せる集団攻撃魔法を使うと、アイテムが取れないことが多い。
 
** 各レベルで出現する敵は、通常4回倒すと二度と出現しなくなる。出現する4回の敵はそれぞれ能力値や持っているアイテムが異なる場合がある。特に最初は容易に倒せるのに、3回目や4回目の敵は格段に強くなっている場合もある。
=== 有限要素の管理 ===
** 塔の中の敵は一度倒すと二度と出現しなくなる。
本作品のシナリオIにおける敵およびアイテム数は有限であり、戦闘などにおける乱数要素も極力廃されている。ゲームクリアを目指すプレイヤーはアイテムの利用方法を常に取捨選択しなければならず、ゲームデザイン用語としての'''[[リソース]]管理'''や'''[[トレードオフ]]'''の概念が必然的にプレイヤーにも適用される。
 
*トレ; リソドオフス管理の例
:* 極端に数の少ないアイテムが存在するため、使用を意図的に制限する必要がある。
** 冒険を円滑に進行させるためにはキャラクターのレベルアップによるHPの増強が必要とされるが、同時にFoodの消費量も増大する。
*:* 熟練度を増加させるアイテムをゲームの序盤で取り過ぎると、終盤で必要とな入手する武器や魔法の熟練度を上げる事が困難になる。
** 経験値を蓄積するためには敵を倒す必要があるが、後に入手する武器防具の育成のために敵を残しておく必要がある。しかし序盤に敵を倒さなければ高価な武器防具は購入することができない。
*:* モンスターと接触すると、1~9モンスターと戦闘することになるが、その最後のモンスターを武器で倒すとアイテムが出現する。魔法で倒すとアイテムは出現しない。そのため容易にモンスターを倒せる集団攻撃魔法を使うと、アイテムが取れないことが多い。
** ボスキャラや重要アイテムなどが置かれている塔の中を探検するには鍵を消費する必要に迫られるが、鍵の値段はレベルアップに伴い上昇するためキャラクターが低レベルの時期に買いだめするのが望ましい。しかしながらレベルが低いと敵を倒すことが困難で、購入資金を集めるためにレベルを上げざるを得ない。
:* 塔の外では、同じモンスターは通常4回出現し、すべて倒すと二度と出現しなくなる。
:** 各レベルで出現する敵はなお通常4回倒すと二度と出現しなくなる。出現する4回の敵はそれぞれ能力値や持っているアイテムが異なる場合がある。特に最初は容易に倒せるのに、3回目や4回目の敵は格段に強くなっている場合ある。
*:* 塔の中のモンスター一度倒すと二度と出現しなくなる。
; トレードオフの例
*:* 冒険を円滑に進行させるためにはキャラクターのレベルアップによるHPの増強が必要とされになるが、同時にFoodの消費量も増大する。
*:* 経験値を蓄積するためにはモンスターを倒す必要があるが、後に入手する武器防具の育成の熟練度を上昇させるためにモンスターを残しておく必要がある。しかし序盤にモンスターを倒さなければ高価な武器防具購入することができない。
*:* ボスキャラや重要アイテムなどが置かれている塔の中を探検するには鍵を消費する必要に迫られるが、鍵の値段はレベルアップに伴い上昇するためキャラクターが低レベルの時期に買いだめするのが望ましい。しかしながらレベルが低いと敵を倒すことが困難で、購入資金を集めるためにレベルを上げざるを得ない。
 
このように多数の要素の管理能力がゲームクリアの瞬間まで問われる。一般的な[[コンピュータRPG]]の解法としての繰り返し型攻略や、アイテム蓄積による[[パワープレイ]]が強く制限されるため、[[詰将棋]]や[[パズルゲーム]]と似た難易さが生じている。反面、要素を数理的に捉え管理することで、ザナドゥを[[シミュレーションゲーム]]として遊ぶ方法論も提示されている(「ザナドゥ・データブック」)。
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=== カルマ ===
さらにザナドゥ独特の概念として'''[[カルマ]]'''がある。これは「本来倒すべきではない敵」を倒してしまった場合や、セーブ時に十分な金額を持っていない場合などに増加するパラメータで、カルマ0が1外では上あると寺院に入ることができずキャラクターのレベルアップが不可能になるほか、最終面の塔にも入れなくなるためゲームクリアが困難あるいは不可能となる。
 
カルマは「本来倒すべきではない敵」を倒してしまった場合に増加する。また、本作ではセーブ時にGoldを消費するが、十分な金額を持っていない時にセーブしても増加する。ただしレベル間の移動時やボスキャラ挑戦時などで行われる自動セーブはGold消費・カルマ増加判定の対象外となるため、多くのプレイヤーが事実上のセーブポイントとして利用した。また、セーブしてすぐにリセットして再起動すると、GOLDGoldを減らさずにセーブができる[[裏技]]も存在した。
 
カルマはブラックポーション(HPを半減させる毒)を取ることで、5ずつ下げることができる。
カルマはブラックポーション(自分のHPを半減させる毒)を取ることで意図的に5ずつ下げられる。ザナドゥ・シナリオIIではカルマの下がらないブラックポーションも多数配置されていたため、当時のゲーム雑誌では「カルマを下げるブラックポーションの見分け方」が定番として取り上げられていた。なお、カルマの下がるブラックポーションは白い[[表面ハイライト]]が5ドットで描かれているのに対し、カルマの下がらないものは4ドットで描かれている。
 
=== 重量の概念デカキャラ ===
ザナドゥの敵キャラクモンスターのうち、塔の深部に配置されたボスキャラクターは通常の敵キャラクモンスターの3x33×3体分の大きさで描画され、視覚的に巨大な印象を受ける。「デカキャラ」等と称されたこれらはザナドゥのリリースにおいては斬新な表現であり、セールスポイントのひとつとして広く喧伝された。ザナドゥのタイトル・ロゴ案のひとつに『[[ゼビウス]]』のタイトル・ロゴ風のものが存在しており、こちらの「[[ゼビウス#登場キャラクター|アンドアジェネシス]]」は巨大キャラクターの表現として先駆的なものである
続編の『'''ザナドゥ・シナリオII'''』では「逆さつらら」の登場により、管理要素が更に多元化している。この逆さつららの上に乗ると、アイテムや装備品の数量に応じてダメージが加わるようになっている。ただし、高所からの落下ダメージは存在しない。
 
ザナドゥのタイトル・ロゴ案のひとつに『[[ゼビウス]]』のタイトル・ロゴ風のものが存在しており、こちらの「[[ゼビウス#登場キャラクター|アンドアジェネシス]]」は巨大キャラクターの表現として先駆的なものである。
これは初代ザナドゥのキャラメイク時に、特定のキャラクター名で開始した場合にすべてのアイテムを255個持った状態でスタートできたり、ある特定のカリスマ値に設定した場合、隠し要素である「謎のアイテムショップ」を利用することで、大量のアイテムを持った状態でゲームをスタートすることが可能になっていたことの反省から生まれたものとされている(特定のカリスマ値でゲームを有利に展開出来るのはFM-7版のみ)。特にシナリオIIはスタート地点の両脇に逆さつららが配置されており、これは事実上の「アイテムショップ封じ」と目されている<ref>実際にはMantle, Silver-Rose, Winged Bootsのいずれかを使用することで回避可能である。</ref>。
 
=== 巨大な敵キャラクター ===
ザナドゥの敵キャラクターのうち、塔の深部に配置されたボスキャラクターは通常の敵キャラクターの3x3体分の大きさで描画され、視覚的に巨大な印象を受ける。「デカキャラ」等と称されたこれらはザナドゥのリリース時期においては斬新な表現であり、セールスポイントのひとつとして広く喧伝された。ザナドゥのタイトル・ロゴ案のひとつに『[[ゼビウス]]』のタイトル・ロゴ風のものが存在しており、こちらの「[[ゼビウス#登場キャラクター|アンドアジェネシス]]」は巨大キャラクターの表現として先駆的なものである。
 
=== 本作品の影響 ===
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発売日は最も早い。ザナドゥの開発は[[X1turbo]]上で行われ<ref>http://togetter.com/li/229082</ref>、これをオリジナルとして各機種への移植が行われた。既に[[フロッピーディスクドライブ]](FDD)が普及しており、ザナドゥの媒体は[[フロッピーディスク]](FD)2枚組であった。
 
要望が多かったため、X1版にはFD媒体の他に[[カセットテープ]]媒体も用意された。X1のデータレコーダは他機種に比べ読み取り速度性能が2 - 3倍で、コンピュータ側からデータレコーダの動作を制御して擬似ランダムアクセスが可能だった。しかしながらそれでもFDと比較した読み書き速度は非常に遅く、ユーザーテープ(FD版で言うユーザーディスク)の作成・ロード・セーブに各約40分を要した。また、装備を変えるだけでもキャラクターグラフィックを読みに行くなど、プレイには相当の忍耐力を要した。しかし、グラフィックがやや簡略化されている以外はディスク版と完全に同じ内容であり、カセットテープ媒体のソフトウェアとしては最高峰の作品であった。
 
=== PC-8801mkII SR版 ===
雑誌の記事などはほとんどが88版をベースに紹介していた。店内のグラフィックなどが他機種と若干異なっている。DS ][-MASTER など裏ネームは88版しか使えなかった。8801/mkII用は、別パッケージでFM音源に発売されたが、BGM対応せずBEEP音のみで演奏され、FM音源を増設していても対応し
 
後述するザナドゥ30周年記念版「ザナドウ コンプリートコレクション」には、この「PC8801PC-8801mkII SRが収録されている。
 
=== PC-8001mkII SR版 ===
PC-8801mkII SR版をベースに作成されている。ハード的な違いはほとんど無い為、短期間で作成された(雑誌のインタビューで木屋が1週間程度で完成したと木屋が言っている){{要出典|date=2014-12}}。終了認定証も88版と同じ扱いで番号が発行された。
 
=== FM-7/77版 ===
BGMはFM音源ボードに対応していPSGはマシン内蔵の方のみを使用している。カリスマがある値以上だと隠ショップの売買で儲けることが可能で、ゲーム内で貴重なアイテムを序盤から揃えることが出来た。またハードウェア上の制約から移動キーを押すと離してもその方向に進み続けるが、他の機種では難易度の高い2段ジャンプが容易に出来るという利点もあった。
 
=== PC-9801版 ===
ゲーム内のウェイトを変えることができるコマンド(CTRL+W)があった。FM音源未対応でBEEP音によるBGMしかない、CPUクロックに応じたウェイト調節が無いなどということであり、プログラム技術的に未熟な作りだった。FM音源にも未対応で、BGMはBEEP音で演奏される。

シナリオIIではFM音源に対応しクロック周波数に応じてウェイトもかかるようになったただし戦闘時はウェイトが外れてしまうので、普段は問題無くとも事実上のCPUモードLow専用プレイになる
 
=== MSX2版 ===
FD媒体である。PC-98・X1版を元にグラフィックを含め他機種版に忠実な[[移植 (ソフトウェア)|移植]]であるが、ハードウェア性能差により横の解像度が半減されタイリングによる中間色表示がアナログパレットに置き換えられた。画面レイアウトも変更され武器・防具・アイテムの名称がほぼ全て簡略化されているなどの相違点がある。

[[コントロールキー|Ctrlキー]]を押しながら起動すると1ドライブモードになるがセーブポイント毎にユーザーディスクの挿入が必要となる。ディスクアクセスの遅さや音楽が負荷に応じて遅くなる等の技術的な問題も存在した。
 
[[MSX・FAN]] [[1994年]]12月号のスーパー付録ディスクに付録として収録された。
 
=== MSX版 ===
最後発のMSX/2/2+/turboR版は移植であり、ROMカートリッジ(2Mbit-ROM)媒体である。単一BGMROMカートリッジ内みの他機種版とは異なり複数のBGMがPSGで奏でられる(この曲は「[[ファルコム・スペシャルBOXバッテリーバックアップ|内蔵SRAM]]'91」DISC3も収録された。なお新曲作曲は[[古代祐三データレコーダ]]と[[石川三恵子]]による)へのセーブが可能

MSXの全機種で動作し、全体的に処理速度が速く動作も安定している。システム面も武器・防具・アイテムの所持数・経験値が他機種版(MSX2版を含む)と比較して容易に確認できるようになり、戦闘シーン・対ボス戦を含め操作性が飛躍的に改良されている。また、パッケージはイラスト([[#ザナドゥ ドラゴンスレイヤー伝説|後述]])が描かれた物となっている。
 
単一BGMのみの他機種版とは異なり複数のBGMがPSGで奏でられる。この曲は「[[ファルコム・スペシャルBOX]]'91」のDISC3にも収録された。なお作曲は[[石川三恵子]]による。
 
その他、下記4点の追加要素・変更点がある。
* スタート時に王との謁見でもらえるGoldが、他機種版の3500Gから500Gに変更され。Goldが減少し代わりに、キャラメイクに必要なCST(クレスト)を30個貰える
* ROMカートリッジ内の[[バッテリーバックアップ|内蔵SRAM]]の他に、[[データレコーダ]]へのセーブが可能
* トレーニンググラウンドで、Goldでは無くCSTを消費しキャラメイクを行う仕様へ変更。
* 画面左下に装備品のアイコンが表示されるようになった
* スタム開始後に地点レーニンググラウンドへ戻ることができるようになった
* 王との謁見でキャラクターのレベルアップが可能ただし、その場ではステータスは上がらないため、代わりにキャラメイクに必要なCST(クレスト)CSTを2個もらい、トレーニンググラウンドで強化したいステータスを上げる必要がある
* スタート地点へ戻ることができる反面、アイテムショップでの価格がインフレを起こす傾向にある(キャラクターレベルが高い状態でアイテムを買おうとすると、アイテムを1個購入するだけで所持している金額のほとんどを要する事態が発生する)
が行われ、下記9点のような
* 画面左下に装備品のアイコンが表示されるようになった
* スタート時に王との謁見でもらえるGoldが、他機種版の3500Gから500Gに変更された。
* 画面の色表示が豊かになり、レベル、塔内が多色で表現されている。プレイヤーキャラ、デカキャラ以外のモンスター、ドロップアイテムは白黒の2色表示(た、装備の有無を含むキャラクターパターンは完全に移植されている
* スタート時にもらえるGoldが減少した代わりに、キャラメイクに必要なCSTを30個もらえる仕様に変更された(MSX版では、Goldでは無くCSTでキャラメイクを行う仕様へ変更)。
* 対ボス戦での背景表示とBGMがボスキャラ毎に異なる
* スタート地点へ戻ることができる反面、アイテムショップでの価格がインフレを起こす傾向にある(キャラクターレベルが高い状態でアイテムを買おうとすると、アイテムを1個購入するだけで所持している金額のほとんどを要する事態が発生する)
* ラスボス(キングドラゴン=ガルシス戦では、ボスの吐く炎を浴びた時点で即死する
* 他機種版と比較して画面の色表示が豊かになった(レベル、塔内が多色で表現されている)
* エンディングが他機種版とは異なり、スタッフロールと少しずつ朝日が昇っていく画像が表示される
* プレイヤーキャラは白黒の2色表示(ただし、装備の有無を含むキャラクターパターンは完全に移植されている)
* ボスキャラ以外の敵キャラとドロップアイテムは単色表示(ただし、キャラクターパターン・ステータス・アイテムの効果は完全に移植されている)
* 対ボス戦での背景表示とBGMがボスキャラ毎に異なる
* ラスボス(キングドラゴン=ガルシス)戦では、ボスの吐く炎を浴びた時点で即死する
* エンディングが他機種版とは異なり、スタッフロールと少しずつ朝日が昇っていく画像が表示される
他機種版(MSX2版を含む)との違いがある。
 
== ザナドゥ・ーズ作品オII ==
=== ザナドゥ・シナリオII ===
{{コンピュータゲーム
|Title = ザナドゥ シナリオII The Resurrection of Dragon<ref name = yama87205>(ゲームの諸元全般についての基礎資料)山下 (1987) p.205</ref>
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|etc = 「ザナドゥ」の拡張シナリオ
}}
正式タイトルは『ザナドゥ シナリオII The Resurrection of Dragon』(ドラゴンの復活)。オリジル発売リオIの翌年、1986年10月1日発売されたこのシナリオが発売されなかった機種もある)。拡張シナリオという形での提供だが、ザナドゥの事実上の続編であり、アイテムやショップ、地形構成に至るまでゲーム内容の大幅な改修が行なわれている。なお『ザナドゥ』の続編ではあるがドラゴンスレイヤーシリーズの本編3作目という扱いではなく、その立ち位置は同時期の『[[ロマンシア]]』が受け継いでいる。
 
前作で勇者に倒されたはずのキングドラゴン・ガルシスであったが、地下迷宮ではふたたびモンスターたちが勢力を盛り返してきており、ガルシスが復活したとの噂が立ち始めた。王は勇者達にその調査と、魔物達の殲滅を命じた…といったストーリーである<ref>山下 (1987) pp.208-209</ref>。
 
=== ゲームシステム(ザナドゥ・シナリオIIII) ===
本シナリオはゲーム開始直後にダメージを受ける地形がある<ref>山下 (1987) p.212</ref>、ケイブをくぐっても従来通り+1 / -1のレベルに移動するとは限らない<ref>山下 (1987) pp.218-219 によれば、+-3レベル移動するケイブもある。</ref>、さらにマップや謎解きも複雑であるなど難易度は向上している<ref>山下 (1987) p.272によれば''「前作より数倍難しい」''との触れ込みであったとのこと。レベル11などは''「この世のものとも思えないくらい究極の難解さ」''であるという。</ref>。
キャラクターの作成はオリジナルの「ザナドゥ」のディスクを用いて、トレーニンググラウンドで行なわれる。<ref>山下 (1987) pp.208-211</ref>。これにより、事前にザナドゥを持っていないとシナリオIIはプレイできないという事になる。また、店によって品揃えや価格が異なり、転売でgoldを稼ぐ「行商」が可能になっている<ref>山下 (1987) pp.208-211,pp.237-238</ref>
 
本シナリオはゲーム開始直後にダメージを受ける地形がある<ref>山下 (1987) p.212</ref>、ケイブをくぐっても従来通り+1 / -1のレベルに移動するとは限らない<ref>山下 (1987) pp.218-219 によれば、+-3レベル移動するケイブもある。</ref>、さらにマップや謎解きも複雑であるなど難易度は向上している<ref>山下 (1987) p.272によれば''「前作より数倍難しい」''との触れ込みであったとのこと。レベル11などは''「この世のものとも思えないくらい究極の難解さ」''であるという。</ref>。
キャラクターの作成はオリジナルの「ザナドゥ」のディスクを用いて、トレーニンググラウンドで行なわれる。<ref>山下 (1987) pp.208-211</ref>。これにより、事前にザナドゥを持っていないとシナリオIIはプレイできないという事になる。また、店によって品揃えや価格が異なり、転売でgoldを稼ぐ「行商」が可能になっている<ref>山下 (1987) pp.208-211,pp.237-238</ref>。
 
また、敵モンスターの多くが入れ替えられ、アイテムについても一部入れ替えが行なわれている<ref>山下 (1987) pp.256-257</ref>。そのほか、塔内のマップ構造が、レベルごとに従来前作 16 * 4 16×4部屋から 8 * 8 8×8部屋に変更されている<ref>山下 (1987) pp.238-239</ref>、HPを低下させる代わりにカルマを下げる効果のある「ブラックポーション(Black potion)カルマを下げないものが混ざっている<ref>山下 (1987) p.246</ref>など、仕様についても細かい変更がみられる。当時のゲーム雑誌では「カルマを下げるブラックポーションの見分け方」が定番として取り上げられていた。なお、カルマの下がるブラックポーションは白い[[表面ハイライト]]が5ドットで描かれているのに対し、カルマの下がらないものは4ドットで描かれている。
 
店によって品揃えや価格が異なり、転売でGoldを稼ぐ「行商」が可能になっている<ref>山下 (1987) pp.208-211,pp.237-238</ref>。これによってアイテム数の制限が緩和され、リソース管理に関しては難易度が若干低下している。但し、上に乗るとアイテムや装備品の数量に応じてダメージを受ける「逆さつらら」の登場により、管理要素は更に多元化している。
<!-- これは初代ザナドゥのキャラメイク時に、特定のキャラクター名で開始した場合にすべてのアイテムを255個持った状態でスタートできたり、ある特定のカリスマ値に設定した場合、隠し要素である「謎のアイテムショップ」を利用することで、大量のアイテムを持った状態でゲームをスタートすることが可能になっていたことの反省から生まれたものとされている(特定のカリスマ値でゲームを有利に展開出来るのはFM-7版のみ)。特にシナリオIIはスタート地点の両脇に逆さつららが配置されており、これは事実上の「アイテムショップ封じ」と目されている<ref>実際にはMantle, Silver-Rose, Winged Bootsのいずれかを使用することで回避可能である。</ref>。 -->
 
ザナドゥ・シナリオIIの音楽は[[阿部隆人]]、[[古代祐三]]らが担当<ref name = yama87205/>。[[古代祐三]]のデビュー作でもある。BGMの評価は高いものの、オリジナルFM音源は今に至るまでごく一部の曲を除きCD化されていない。
 
ザナドゥ30周年記念版「ザナド コンプリートコレクション」には、「PC8801PC-8801mkII SRが収録されている。
 
=== その他のシリーズ作品 ===
; [[ファザナドゥ]]([[1987年]]11月16日、[[ファミリーコンピュータ]])
: ファミコン向けに[[ハドソン]]より発売された。ファルコムよりライセンスを受けていたが、ゲーム内容は全くの別物。
; [[風の伝説ザナドゥ|風の伝説ザナドゥシリーズ]]([[1994年]] - [[1995年]]、[[PCエンジン]])
: 本作の音楽やシステムの一部を踏襲している。<br />「ザナドウ」とはシステム・世界観など全く異なる別のゲームであり「Dragon Slayer VIII」としてザナドゥシリーズからは独立した扱いを受けているが、30周年記念版「ザナド コンプリートコレクション」には、シリーズ全作(IIII)IIとも収録されている。
; リバイバル ザナドゥ([[1995年]]、[[PC-9800シリーズ|PC-9801シリーズ]])
: PC9821PC-9821向けの初代『ザナドゥ』のリメイク作。デジタル固定8色からアナログ4096色中16色になり、音源もPC9801の初代PC-9801のBEEP音(1音のみ)から、PC9821PC-9821の新FM音源用へとリミックスされた。音的にはPC8801mkIISRPC-8801mkIISRに近いアレンジ。音源の選択でPC9801PC-9801用の旧FM音源にすれば、PC9801PC-9801でも遊べる仕様である(86音源やスピークボード等の上位音源を装着している場合は新FM音源でプレイ可能)。<br />「ザナド コンプリートコレクション」にも収録されている。
; リバイバル ザナドゥ2 リミックス([[1995年]])
: パッケージ中の『リバイバル ザナドゥ2』はリミックスの名の通り、『ザナドゥ・シナリオII』の正統リメイクではなく、マップを新規に書き起こしている他、モンスターも半数以上が入れ替えられるなど、『ザナドゥ』のゲームシステムを使った事実上の新作であり、シナリオIIのアナザー・ヴァージョンとしての新作といえるリメイク作品なっている。同梱された『リバイバル ザナドゥ イージーバージョン』は、『リバイバル ザナドゥ(シナリオ1)I)』のゲームバランスを調整し、難易度を下げたバージョン。「ザナド コンプリートコレクション」には「イージーバージョン」と併せて収録されている。
; ファルコムクラシックス([[1997年]]11月6日、[[セガサターン]])
: 『[[ドラゴンスレイヤー (ゲーム)|ドラゴンスレイヤー]]』、『[[イースI|イース]]』と共に収録。サターン版の内容は『リバイバル ザナドゥ』の移植に近い。
192 ⟶ 202行目:
: ファルコムからの発売。PC8801mkIISR版をプロジェクトEGGの[[エミュレータ (コンピュータ)|エミュレーション]]システムを使用してWindowsで動作するように再現した作品。XPでも動作可能である。
; [[プロジェクトEGG]]([[2002年]]~、Windows)
: 『ザナドゥ』、『ザナドゥ・シナリオII<ref>EGG版には前作のディスクAが同梱されているため、前作を持っていなくてもプレイすることが可能。</ref>』、『リバイバル ザナドゥ』、『リバイバル ザナドゥ2』がオンライン・ダウンロード販売の形で発売されたが、[[2005年]]6月に「WindowsXP保障バージョンの一斉メンテナンスの為」として販売が停止された。その後[[2006年]][[12月29日]]にFM-7版『ザナドゥ』、[[2007年]]5月には『リバイバル ザナドゥ イージーバージョン』の配信が開始され、2007年8月には『リバイバル ザナドゥ2』の配信も再開された。[[2013年]]1月にはPC8801mkIISRPC-8801mkII SR版『ザナドゥ』、『ザナドゥ・シナリオII』の配信が再開された。
; [[ザナドゥ・ネクスト]]([[2005年]][[10月27日]]、Windows)
: シナリオ1リリース20周年を記念してリリースされた新作。3Dポリゴンによるクォータービュー表示などが導入され、システムは一新された。物語上はシナリオ1に続く続編のシナリオに相当する<ref>Falcom Cronicle p.357に「シナリオ2の出来事は正史として語られていないようだ」と記載されている。</ref>。
;携帯端末向け([[2006年]]、[[KDDI]]・[[BREW]]アプリ版)
: [[ボーステック]]運営のEZwebサイト「ザナドゥ・ハイドライド」(旧サイト名「[[ハイドライド]]」)において315円で配信された。BREWアプリ対応携帯全てではなく、下記の端末のみの対応となった。<ref>対象端末は[[W41K]],[[W32S]],[[W32SA]],[[W32H]],[[W31T]],[[W31SA]],[[W31S]],[[W31K]],[[W31CA]],[[W22SA]],[[W22H]],[[W21SA]],[[W21K]],[[PENCK]]と発表された。</ref>その後、[[2008年]]に「ザナドゥ・ハイドライド」は閉鎖となり配信は停止された。
200 ⟶ 210行目:
: [[2012年]][[6月15日]]に[[プロジェクトEGG]]の運営元である[[D4エンタープライズ]]が発売。ドラゴンスレイヤーシリーズ12作を収録した単体パッケージ商品。ザナドゥ・シリーズからは『ザナドゥ』、『ザナドゥ・シナリオII』、『風の伝説ザナドゥ』、『風の伝説ザナドゥII』が収録された。翌2013年2月に完売、販売終了した。その後2014年8月末に再発売された。
; ザナドゥ コンプリートコレクション([[2015年]]、Windows)
: ザナド30周年記念として[[SBクリエイティブ]]より発売。下に記した歴代作品をWindows([[Microsoft Windows 10|~Win10]])上でプレイ可能としたパッケージソフト(予約限定生産品)。久しぶりにクリアし直したいプレイヤーへの手助けになるよう、マップなどのデータを収録した書籍([[GA文庫]]編集部編)も同梱される。
:*ザナドゥ(PC88版)、ザナドゥ シナリオII(PC88版)、リバイバル ザナドゥ(PC98版)、リバイバル ザナドゥ2(PC98版)、リバイバル ザナドゥイージーバージョン(PC98版)、風の伝説 ザナドゥI・II(PCエンジン版)
;[[東亰ザナドゥ]]
:2015年9月30日に発売された[[PlayStation Vita]]用[[アクションロールプレイングゲーム]]。「ザナド」を冠する作品としてもファルコムのゲーム作品においても史上初となる現代日本を舞台としている。<!-- 「女子大生プライベート」の扱いは? -->
 
== ザナドゥ ドラゴンスレイヤー伝説 ==
当時ファルコム社員であった[[都築和彦]]によって描かれた[[漫画]]作品であり、全1巻の単行本が[[1987年]]に角川ドラゴンコミックスより刊行された。
 
本作は近未来SF世界の兵士が突如ファンタジー世界に飛ばされてきて、国を巡る邪悪な魔法使いとの戦いに巻き込まれる内容でありゲーム本編との関連性は希薄だが、「ドラゴンスレイヤー」という名の剣や、「ディグ・サンダー」などゲームに登場する魔法が登場する。本作の最後には「ドラゴンスレイヤー伝説は始まったばかり…」と表記され、打ち切りのような形で終結しており2巻以降は刊行されていない。本作はリバイバルザナドゥ発売時に再版され(ISBN 4049260026)、MSX(ROMカートリッジ)版ザナドゥのパッケージイラストには本作の表紙イラストが使用されている。
 
また、本作は[[1988年]]に[[OVA]]化されている[http://crusherfactory.net/~pmoon/mt/000816.html][http://www5d.biglobe.ne.jp/~t-suzuki/vol.12/gma_08.htm]。
 
== 関連商品 ==
'''書籍'''