「時間外労働」の版間の差分

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#: 有効期間の定めのない協定は形式的に[[瑕疵]]がある協定と解され、労働基準監督署は受理しない取り扱いとなっている。なお労働協約による場合は[[労働組合法]]の適用を受けるので、必ずしも有効期間の定めをする必要はない(施行規則第16条2項、昭和29年6月29日基発355号)。
#: しかし、有効期間前のどれだけ前にでも届け出られるので(10年先の1年間を有効期間とする協定を届け出ることも可能)、明日から1年間を有効期間とする協定と1年後の明日から1年間を有効期間とする協定を同時に届け出ることも可能である。このため、事実上は何年間でも継続する協定をすることは可能である。また、数年先の協定をあらかじめ届け出ることで、将来の厳しくなると予想される規制を回避できる可能性もある。
'''三六協定は労使協定である'''ので、使用者と、その事業場の労働者の過半数で組織する[[労働組合]](ない場合は事業場の労働者の過半数の代表者)とが時間外労働、[[休日労働]]について'''書面で締結'''しなければならない。また、労使協定は一般に締結した段階で効力が発生するものであるが、三六協定については'''行政官庁に届出なければ効力は発生しない'''。法定の協定項目について協定されている限り、労使が合意すれば任意の事項を付け加えることも可能である(昭和28年7月14日基収2843号)。
協定の更新拒否が業務の正常な運営を阻害する行為に該当する場合は、争議行為に該当する。(昭和32年9月9日法制局一第22号)
 
「過半数代表者」については、管理監督者以外の者から、三六協定を締結することの適否を判断する機会が当該事業場の労働者に与えられていて、かつ労働者の過半数がその者を支持していると認められる民主的な手続き(投票・挙手・話し合い・持ち回り決議等)により選出されることとしなければならない(昭和63年1月1日基発1号)。また「過半数」の算定には、労働者であれば管理監督者、出向労働者(時間については受入、賃金については支払労働者)、送り出し派遣労働者、パートやアルバイト、さらには時間外労働が制限される年少者等(昭和46年1月18日基収6206号)、協定の有効期間満了前に契約期間が終了する労働者(昭和36年1月6日基収6619号)をも含むが、[[解雇]]係争中の労働者(労働基準法に違反しないと認められる場合。昭和24年1月26日基収267号)、受入れ派遣労働者は含まない。事業場に管理監督者しかいない場合は、割増賃金率の記載のみで足りる(管理監督者であっても深夜労働に対する割増賃金の支払いは必要なため)。使用者は、労働者が過半数代表者であることもしくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取り扱いをしないようにしなければならない(施行規則第6条の2)。