「静脈血栓塞栓症」の版間の差分

: 肺動脈血栓塞栓症の原因となる血栓は深部静脈血栓が最も多く[[ヒラメ筋]]静脈血栓がしばしばみられる<ref>{{Cite journal|和書|author=呂彩子 |title= 急性広範性肺動脈血栓塞栓症52剖検例の法医病理学的研究 |journal=慶應医学 |date=2004|volume=81 |pages=63-72 |naid=120001129665}}</ref><ref>{{Cite journal|和書|author=長嵜悦子、 佐久田斉、仲栄真盛保 ほか |title=肺動脈塞栓を合併したヒラメ筋静脈血栓の3例 |journal=日本臨床外科学会雑誌.|date=2003 |volume=64 |issue=11 |pages=2913-2917 |doi=10.3919/jjsa.64.2913}}</ref>。

; 深部静脈血栓症（しんぶじょうみゃくけっせんしょう） (DVT)

 

== 症状 ==

しばし無症状性である<ref name=CG92 />。

* 深部に血栓ができた場合は下肢の腫れ(47%)、下肢痛(26%)、下肢の色調変化(7%)で血栓より遠位の浮腫などといった症状がでるが無症状のこともある。特に下肢静脈血栓は左に起きやすい。これは左の総腸骨静脈と右の総腸骨動脈が交差しているため、後者によって前者が圧迫されやすいためである<ref>{{cite journal |author=Fazel R, Froehlich JB, Williams DM, Saint S, Nallamothu BK |title=Clinical problem-solving. A sinister development--a 35-year-old woman presented to the emergency department with a 2-day history of progressive swelling and pain in her left leg, without antecedent trauma |journal=N. Engl. J. Med. |volume=357 |issue=1 |pages=53–9 |year=2007 |pmid=17611208 |doi=10.1056/NEJMcps061337 |url=}}</ref>。

* 血栓が飛んで肺塞栓を引き起こすと[[呼吸困難]](73%)、胸痛(42%)、冷や汗(24%)、失神(22%)、動悸(21%)、せき（咳）(11%)、血痰(5%)等の症状が起きる。また、静脈怒脹、血圧低下、意識消失なども生じ、急激かつ広範囲に肺塞栓を生じた場合は[[心肺停止]]となり、突然死する。

 

* [[アスピリン]]やその他抗血小板薬は、VTEの予防として十分ではない<ref name=CG92 />。

* ハイリスク患者、たとえば下肢静脈に血栓が存在する場合には、肺に血栓が飛ぶのを防ぐために[[下大静脈フィルター]]の留置が検討される<ref name=CG92 />。

 

日本では、2004年（平成16年）に肺血栓塞栓予防管理料が[[診療報酬]]に収載された。日本では初めての「予防」の保険適応である。

: [[ループスエリテマトーデス]]、[[抗リン脂質抗体症候群]]、[[血管炎症候群]]などの[[膠原病]]・[[自己免疫疾患]]など

 

{{Reflist|2}}