「腹痛」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
|||
12行目:
== 腹痛のアプローチ ==
急性腹痛では次のようなステップで行うと[[誤診]]が少なくなる。まずは外傷性かどうかを調べる。病歴をもとに考え、[[腹部エコー]]で臓器損傷を確認する。次に産科的疾患、婦人科的疾患、外科的疾患、内科的疾患と考えていく。どうしても診断がつかなければLQQTSFAを全て埋めるような問診をして、精神的疾患まで考えていく。診断をつける際は緊急手術が必要かどうかを常に考える。たいていの場合、腹痛の緊急性は、心肺血管系の緊急疾患で
慢性腹痛では、機能性の疾患([[過敏性腸症候群]]、[[便秘]]、[[機能性胃腸症]]など)が多いが、見逃してはならないのは[[悪性腫瘍]]である。
98行目:
|Shift of WBC count||白血球の左方移動||1
|}
7点以上で虫垂炎が疑わしいとされている。画像診断では造影CTが望ましいとされている。外科のcope's early diagnosis of the acute abdomenによると急性虫垂炎は食思不振からはじまり、徐々に心窩部あるいは臍周囲の痛みが出現し、悪心、嘔吐が出現する。食思不振が高頻度
== 腹部症状との関係 ==
139行目:
==== 悪心・嘔吐のマネジメント ====
診断の手掛かりとなる情報としては[[24時間]]以内に摂取した食物や旅行歴の
[[バイタルサイン]]では意識障害、呼吸不全が認められる場合や、高血圧な割に徐脈という[[クッシング徴候]]が認められる場合は中枢性疾患を疑う。発熱が認められれば感染症、徐脈や不整脈が認められれば心血管疾患、呼吸不全が認められるときはDKAといった代謝性疾患も疑う。発熱、嘔吐を伴い消化管感染を特に疑う下痢の症状がない場合は[[髄膜炎]]も疑われる。髄膜炎を疑う不随意運動や[[皮質症状]]、高熱、[[髄膜刺激症状]]が認められる場合は頭部CT撮影後、腰椎穿刺を行う。特に細菌性髄膜炎は緊急疾患である。
147行目:
==== 悪心・嘔吐の治療 ====
基本的には心筋梗塞ではPCIといった原因療法を行う。対症療法としては[[制吐薬]]、グリセオールといった脳圧降下薬、胃内容物の除去としてNGチューブの挿入などが行われる。制吐薬としては消化器疾患が疑われた場合は[[ドパミン拮抗薬]]や[[抗コリン薬]]が用いられる。ドパミン拮抗薬としては[[メトクロプラミド]](プリンペラン
また制吐薬に分類されるドパミン拮抗薬は[[スルピリド]](ドグマチール
{|class="wikitable" style="margin-left:2em; font-size:95%"
!nowrap|疾患分類!!nowrap|用いる制吐薬
166行目:
=== しゃっくり ===
[[しゃっくり]]は横隔膜や横隔神経への刺激によって起るとされている。対処法としては息を止めて水を飲むのが第一の対応法である。機械的刺激が存在する場合はその原因除去を行い、薬物療法としては抗ドパミン薬の投与を行う場合が多い。また[[抗精神病薬]]である[[クロルプロマジン]](ウィンタミン
=== 下痢 ===
173行目:
その後、感染性、非感染性の区別を行う。体外毒素型の感染の場合は発熱が認められないことに注意が必要である。血が混じっているかといった便の性状、過去2日~3日の食事歴、旅行歴、同様の症状を伴った人が周りにいるか、抗菌薬の使用の有無、アレルギーなどが重要な問診事項となる。[[食物アレルギー]]([[カキ (貝)|カキ]]などの食物による嘔吐、下痢など)などの存在にも留意する。嘔吐なしの軽症患者では検査なし、重症患者、脱水患者では採血、点滴の施行、特殊患者では便培養を施行することが多い。
重要なことは'''感染性下痢症であっても
入院中の下痢、発熱の場合は[[クロストリジウム・ディフィシル腸炎]]を疑いCDトキシンの測定が必要となる。診断したら[[メトロニダゾール]]
[[止瀉薬]]は機能性下痢症にのみ原則用いる。潰瘍性大腸炎に塩酸ロペラミドなど腸運動抑制薬を投与すると中毒性巨大結腸を起こすことなどが有名である。非感染性器質性下痢には炎症性疾患、血管疾患、吸収不良疾患、[[乳糖不耐症]]、手術後、内分泌疾患、放射線、腫瘍、アレルギー疾患、中毒、薬物、便秘、レジオネラ肺炎の随伴症状と多数知られている。
186行目:
|吐血||上部消化管出血
|-
|メレナ||別名タール便、
|-
|下血||下部消化管出血、
|}
上部消化管出血の原因疾患を以下に
{|class="wikitable" style="margin-left:2em; font-size:95%"
!nowrap|病態!!nowrap|疾患
223行目:
==== 吐血、メレナ ====
吐血と区別が必要な症候に[[喀血]]がある。喀血が気道出血であるのに対して、吐血は消化管出血である。吐血の場合、[[胃潰瘍]]などによる胃あるいは十二指腸からの出血で、血液が胃液による酸化を受けて黒色となる。[[コーヒー]]の滓に似ており「コーヒー残渣様」と表現される。コーヒー残渣様吐物(coffee-ground emesis)は吐血で特徴のある所見である。
{|class="wikitable" style="margin-left:2em; font-size:95%"
!nowrap| !!nowrap|喀血!!nowrap|吐血
|