「調和振動子」の版間の差分

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=== 量子場との関係 ===
[[場の量子論]]や[[量子多体系]]では、場を量子的な調和振動子に分解することがある。ただし全ての場が調和振動子に帰着されるわけではない。調和振動子の集まりと考えることができる場は、[[双曲線]]型の[[微分方程式]]を満たすものに限られる。また粒子像が描けるのは、調和振動子になるような量子場に限られる。たとえば[[マクスウェル方程式|マクスウェルの場]]の全体が調和振動子の集まりになるわけではなく、遠くのほうに電磁波として伝わっていく成分だけが、調和振動子になる。このとき現れる粒子像が光子である。ただし粒子の数と調和振動子の数には直接的な関係はない。粒子の数が増減すると調和振動子の状態が変化する<ref>鈴木博「場の量子論の考え方」数理科学, No.41,
p.6-11 (2008).</ref>。
 
量子的な調和振動子に分解するというのは、量子がもつ粒子性を[[振幅]]で解釈し、波動性を振動数で理解しようとする考え方である。この考え方だと、[[ボース粒子]]はいくらでも振幅が大きくなれるが、[[フェルミ粒子]]は振幅に制限があるためにあまり大きくなれない。この量子的な調和振動子の振幅を表すのが生成消滅演算子である。<ref>{{Cite book|和書|author=[[高橋康]]|title=物理数学ノート<2>力学I|publisher=[[講談社]]|date=1993-12|isbn=978-4061532083}}</ref>