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[[File:Myriad-Year Clock, made by Hisashige Tanaka, 1851, with western and Japanese dials, weekly, monthly, and zodiac setting, plus sun and moon - National Museum of Nature and Science, Tokyo - DSC07407.JPG|thumb|right|200px|江戸時代末期(1851年)に[[田中久重]]によって製作された[[万年自鳴鐘]]]]
[[ファイル:Czech-2013-Prague-Astronomical clock face.jpg|thumb|270px200px|プラハの彫像つきの天文時計]]
[[File:Astrario Dondi 05869 01 dia - Museo scienza e tecnologia Milano.jpg|thumb|200px|現在はミラノの[[レオナルドダヴィンチ科学技術博物館]]に保存される[[ジョバンニ・デ・ドンディ]]によって製作された[[アストラリウム]]]]
'''天文時計'''(てんもんどけい)とは、[[天文学]]的な情報、例えば[[太陽]]、[[月]]、[[十二宮]]の[[星座]]、時には主要な[[惑星]]の相対的な位置などを示すための特殊な装置と[[文字盤]]を備えた[[時計]]である。
 
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== 歴史 ==
[[ファイル:Richard of Wallingford.jpg|thumb|270px200px|コンパスを使うウォリンフォードのリチャードが描かれた、14世紀の細密画]]
[[11世紀]]に[[北宋|宋朝]]の技術者[[蘇頌]]は水流と[[脱進機]]を動力とする天文時計を作った。
 
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以下に有名なものの例を挙げる。
 
[[ファイル:Strasbourg astronomical clock.jpg|thumb|200px|ストラスブール大聖堂の天文時計]]
=== ストラスブール ===
[[ストラスブール大聖堂]]には[[14世紀]]から残る3つの天文時計が納められている。1つは[[1352年]]から[[1354年]]の間に作られたもので、[[16世紀]]初頭に止まっている。2つめは、その後[[1547年]]から[[1574年]]にかけて Herlin, Conrad Dasypodius、ハプレヒト兄弟(''The Habrecht Brothers'' )らによって作られた。これは[[1788年]]あるいは[[1789年]]に動かなくなった(一度にでなく、各部品がだんだんと止まっていった)。50年後、新しい時計がジャン=バプティスト・シュウィルジュ(''Jean-Baptiste Schwilgué'' )と30人の職工によって作成された。これは2つめの時計が入れられていた容器に収められている。多くの天文学的・[[暦法]]的情報が表現されており、[[人形]]も取り付けられている。また[[復活祭]]の日を算出するために必要な[[コンプトゥス]]の機能を持つ、最初の完璧な機械であると考えられている。詳細は[[ストラスブール大聖堂#天文時計]]を参照のこと。
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{{main|プラハの天文時計}}
 
[[ファイル:Orloj in Olomouc detail.jpg|thumb|200px|left|オロモウツのオルロイ]]
 
=== オロモウツ ===
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[[ロンドン]]の[[サイエンス・ミュージアム]]には[[北宋]]の[[蘇頌]]が[[1092年]]に作った「宇宙機関」の縮小模型が所蔵されている。「宇宙機関」は高さおよそ10[[メートル]]の巨大な天文時計で、水流と[[水銀]]によって間接的な動力を得ていた。
 
[[ファイル:Lunddomirkeur2.jpg|thumb|200px|ルンド大聖堂の天文時計]]
 
=== ルンド ===
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=== ラスマス・ソーネスの時計 ===
[[ファイル:RasmusSornesClock.jpg|thumb|200px|left|ラスマス・ソーネスの時計]]
[[ノルウェー]]人[[ラスマス・ソーネス]](''Rasmus Sørnes'' )によって設計・製作された4つの天文時計のうち最後の1つは、これまで知られているこの種の時計の中でおそらく最も複雑なものであるとされており、精巧な機械が 0.70 × 0.60 × 2.10 メートルというさほど大きくない容器の中に詰め込まれている。十二宮上の太陽と月の位置、[[ユリウス暦]]の暦表、[[グレゴリオ暦]]の暦表、恒星時、[[グリニッジ標準時]]、[[夏時間]]と[[うるう年]]つきの時計、太陽・月の周期の補正、食、[[日の出|日出]]・[[日没]]、月齢、潮汐、[[太陽黒点]]の周期、さらに248年で1周し、25800年ごとに(地球の歳差により)[[極食]](''Polar Ecliptics'' )を起こす[[冥王星]]を含む[[プラネタリウム]]が含まれている。全ての[[歯車]]は[[真鍮]]製で、[[金]][[めっき]]が施されている。文字盤は[[銀]]めっきである。
 
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=== その他 ===
[[ファイル:Brescia astro clock.jpg|thumb|270px200px|イタリア、ブレシアの天文時計]]
ヨーロッパ諸国には天文時計が数多く存在する。[[ウェルズ大聖堂]]、[[エクセター]]、[[オタリー・セントメリー]]、[[ウィンボーン・ミンスター]]、[[ハンプトン・コート宮殿]]、[[シオン (スイス)|シオン]]、[[ヴィンタートゥール]]、[[クレモナ]]、[[スプリト]]、[[マントヴァ]]、[[ブレシア]]、[[シュテンダール]]、[[ロスキレ]]、[[ミュンスター]]など多くの都市で天文時計を見ることができる。
 
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近年では独立した時計職人の[[クリスティアン・ファン・デル・クラウー]]がアストロラーベを模した腕時計である「アストロラビウム」(''Astrolabium'' )や、「プラネタリウム2000」(''Planetarium 2000'' )、「エクリプス2001」(''Eclipse 2001'' )、「リアル・ムーン」(''Real Moon'' )を作っている。[[ユリスナルダン]]も「アストロラビウム・ガリレオガリレイ」(''Astrolabium Galileo Galilei'' )、「プラネタリウム・コペルニクス」(''Planetarium Copernicus'' )、「テリリウム・ヨハネスケプラー」(''Tellurium Johannes Kepler'' )といった天文腕時計を販売している。
 
日本における特徴的な天文腕時計としては、[[嘉永]]4年([[1851年]])に[[東芝]]の創業者である[[田中久重]]によって製作された[[万年自鳴鐘]]や[[シチズン時計|シチズン]]が開発した「ムーンサイン」(1984年~)及び「コスモサイン」(1986年~)というシリーズが知られている。 ムーンサインには2枚の回転盤のずれによって月齢と月の位置を示すアイデアが採用されている他、1.70等以上の恒星22個と天の川を表示する[[星座早見盤]]等が内蔵されている。コスモサインは腕時計としては世界初の自動式精密星座速見盤が採用されている。
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ファイル:planetarium 2000.jpg|クラウー・プラネタリウム2000