「カーペンターズ」の版間の差分

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== 評価と影響 ==
; 音楽評論家からの酷評
: カーペンターズの絶大な人気は音楽評論家たちの批判をはねのける勢いをもっていた。バラードやミドルテンポのポップスを中心とした2人の音楽性は、批評家たちから退屈で甘ったるいと斬り捨てられていたのである。しかしレコード業界は2人にいくつもの賞を授与した。カーペンターズはそのキャリアにおいて3度のグラミー賞を受賞している(1970年に最優秀新人賞および「遙かなる影」で最優秀ボーカル・グループ賞<ref name="cr95">{{Harvnb|Coleman|1994|p=95}}</ref>、1971年に『スーパースター』で最優秀ボーカル・グループ賞<ref name="cr108"/>)。また、1973年には、投票によって第1回[[アメリカン・ミュージック・アワード]]の最優秀ポップ・ロック・デュオにも選ばれた<ref name="ama1974">{{cite web |url= http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=American_Music_Awards_of_1974&oldid=144310426 |title= American Music Awards of 1974|accessdate=2007-12-29 |work= Wikipedia}}</ref>。
 
: 多くの批評家たちから「ミルクを飲んで、アップル・パイを食べて、シャワーを浴びる」といった印象だと批判されたことに対して、リチャードはインタビューにおいてたびたび自分はミルクなど好きではないしワインも飲むマリファナ合法化のために投票さえしたとまで言いながら、そうした評価を払拭しようと努めている<ref name="superstars70s">{{cite book | title= Superstars of the 70's|year= 1976|publisher= Octopus Books Limited|location= London, England|isbn= 0706404475}}</ref>。
: レイ・コールマンの著書 ''"The Carpenters: The Untold Story"'' (『カレン・カーペンター:栄光と悲劇の物語』)においてもリチャードは、カーペンターズのイメージをひたすら「清廉潔白」にしておこうと務めるA&Mの経営陣や、彼らの音楽よりも彼らのイメージばかりを批評する評論家に対して、自分がいかに嫌悪感を抱いていたかを強調している<ref name="cr109">{{Harvnb|Coleman|1994|p=109}}</ref>。<!-- 英語版では原文が長めに引用されているが、訳出は控える -->
 
; カーペンターズの再評価
レイ・コールマンの著書 ''"The Carpenters: The Untold Story"'' (『カレン・カーペンター:栄光と悲劇の物語』)においてもリチャードは、カーペンターズのイメージをひたすら「清廉潔白」にしておこうと務めるA&Mの経営陣や、彼らの音楽よりも彼らのイメージばかりを批評する評論家に対して、自分がいかに嫌悪感を抱いていたかを強調している<ref name="cr109">{{Harvnb|Coleman|1994|p=109}}</ref>。<!-- 英語版では原文が長めに引用されているが、訳出は控える -->
: カーペンターズの本格的な再評価は、1990年代から2000年代にかけて各国で制作された、''"[[:en:Close to You: Remembering the Carpenters|Close to You: Remembering the Carpenters]]"'' (アメリカ)や ''"The Sayonara"'' (日本)<!-- 原題? 海外表記? -->、''"[[:en:Only Yesterday: The Carpenters Story|Only Yesterday: The Carpenters Story]]"'' (イギリス)などさまざまなドキュメンタリーによってもたらされた。作品の技術的な質の高さや歌に奥底に秘められた悲しみ、カレンの歌声やその人生に刻まれた苦悩が多くのファンを惹きつけた。彼女の特徴的なヴォーカルが、その後のポップ・ミュージックに[[アン・マレー]]や[[リタ・クーリッジ]]、[[メリサ・マンチェスター]]といったアルト歌手を登場させる契機になったといわれている。
 
カーペンターズの本格的な再評価は、1990年代から2000年代にかけて各国で制作された、''"[[:en:Close to You: Remembering the Carpenters|Close to You: Remembering the Carpenters]]"'' (アメリカ)や ''"The Sayonara"'' (日本)<!-- 原題? 海外表記? -->、''"[[:en:Only Yesterday: The Carpenters Story|Only Yesterday: The Carpenters Story]]"'' (イギリス)などさまざまなドキュメンタリーによってもたらされた。作品の技術的な質の高さや歌に奥底に秘められた悲しみ、カレンの歌声やその人生に刻まれた苦悩が多くのファンを惹きつけた。彼女の特徴的なヴォーカルが、その後のポップ・ミュージックに[[アン・マレー]]や[[リタ・クーリッジ]]、[[メリサ・マンチェスター]]といったアルト歌手を登場させる契機になったといわれている。1990年代のR&Bグループ、[[ボーイズIIメン]]さえもが自分たちに影響を与えたアーティストとしてカーペンターズの名を挙げている。1990年に[[オルタナティヴ・ロック]]・バンドの[[ソニック・ユース]]は ''"Tunic (Song for Karen)"'' という曲を録音した(アルバム『[[GOO (アルバム)|GOO]]』収録)。これはカレンが新しい「友だち」の[[デニス・ウィルソン]]や[[エルヴィス・プレスリー]]、[[ジャニス・ジョプリン]]らの元を訪ねてもう一度ドラムを演奏するために家族へ別れを告げるという内容の歌である<ref name="sonicyouth">[http://www.sonicyouth.com/ sonicyouth.com]</ref>。批評家からはそのサウンドが「ソフトすぎる」と批判されていたにもかかわらず、カーペンターズを[[ロックの殿堂]]へ入れるべきだとする運動や嘆願書が数多く存在する<ref name="petition2">[http://www.gocarpenters.com/ gocarpenters.com]</ref>。
: 1994年のトリビュート・アルバム『[[イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター〜カーペンターズに捧ぐ]]』では、[[ソニック・ユース]]や[[ベティー・サーヴァート]]、[[少年ナイフ]]、[[グラント・リー・バッファロー]]、[[マシュー・スウィート]]、[[クランベリーズ]]といったアーティストによって、カーペンターズのヒット曲のオルタナティブ・ロック的解釈が試みられた<ref name="musiccity">[http://www.music-city.org/Various-Artists/If-I-Were-a-Carpenter-21765/ music-city.org]</ref>。
 
: カーペンターズの曲の多くは、もはやポップ・スタンダードとなっている。特に「[[遙かなる影]]」などは[[カラオケ]]で歌われることも多い。この曲は『[[バックマン家の人々]]』で挿入歌として使用され<ref name="parenthood">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0098067/soundtrack|title= Parenthood (1989)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>、『[[ザ・シンプソンズ]]』の2つのエピソードや『[[ザ・シンプソンズ MOVIE]]』でも使われている<ref>{{cite video | people=Brooks, James L.; Groening, Matt; Jean, Al; Scully, Mike; Silverman, David; Castellaneta, Dan; Smith, Yeardley|year=2007|title=Audio commentary for [[ザ・シンプソンズ MOVIE|The Simpsons Movie]]| medium=DVD||publisher=20th Century Fox}}</ref>。代表曲の一つ「[[愛のプレリュード]]」は結婚式や披露宴の定番であり、映画『スタスキー&ハッチ』 (''"[[:en:Starsky & Hutch (film)|Starsky & Hutch]]"'')<ref name="sandh">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0335438/soundtrack|title= Starsky & Hutch (2004)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>や『[[1408号室]]』<ref name="imdb1408">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0450385/soundtrack|title= 1408 (2007)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>でも印象的に用いられている。「[[スーパースター (デラニー&ボニーの曲)|スーパースター]]」は[[ルーサー・ヴァンドロス]]や[[ルーベン・スタッダード]]から[[ベット・ミドラー]]、[[ソニック・ユース]]に至るまで、数多くのアーティストによってカヴァーされた。[[クレイ・エイケン]]はテレビ番組『[[アメリカン・アイドル]]』でこの曲を歌い、若い世代にもこの曲を知らしめた<ref name="realitytvworld">[http://www.realitytvworld.com/news/clay-aiken-solitaire-opens-at-%234-in-billboard-hot-100-chart-2413.php realitytvworld.com]</ref>。
1994年のトリビュート・アルバム『[[イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター〜カーペンターズに捧ぐ]]』では、[[ソニック・ユース]]や[[ベティー・サーヴァート]]、[[少年ナイフ]]、[[グラント・リー・バッファロー]]、[[マシュー・スウィート]]、[[クランベリーズ]]といったアーティストによって、カーペンターズのヒット曲のオルタナティブ・ロック的解釈が試みられた<ref name="musiccity">[http://www.music-city.org/Various-Artists/If-I-Were-a-Carpenter-21765/ music-city.org]</ref>。
: 「愛のプレリュード」と「遙かなる影」は、その良質さと歴史的重要性からグラミーの殿堂入りを果している<ref name="grammyhalloffame">[http://www.grammy.org/recording-academy/awards/hall-of-fame grammy.com]</ref>。
 
; アーティスト達からの評価
カーペンターズの曲の多くは、もはやポップ・スタンダードとなっている。特に「[[遙かなる影]]」などは[[カラオケ]]で歌われることも多い。この曲は『[[バックマン家の人々]]』で挿入歌として使用され<ref name="parenthood">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0098067/soundtrack|title= Parenthood (1989)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>、『[[ザ・シンプソンズ]]』の2つのエピソードや『[[ザ・シンプソンズ MOVIE]]』でも使われている<ref>{{cite video | people=Brooks, James L.; Groening, Matt; Jean, Al; Scully, Mike; Silverman, David; Castellaneta, Dan; Smith, Yeardley|year=2007|title=Audio commentary for [[ザ・シンプソンズ MOVIE|The Simpsons Movie]]| medium=DVD||publisher=20th Century Fox}}</ref>。代表曲の一つ「[[愛のプレリュード]]」は結婚式や披露宴の定番であり、映画『スタスキー&ハッチ』 (''"[[:en:Starsky & Hutch (film)|Starsky & Hutch]]"'')<ref name="sandh">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0335438/soundtrack|title= Starsky & Hutch (2004)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>や『[[1408号室]]』<ref name="imdb1408">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0450385/soundtrack|title= 1408 (2007)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>でも印象的に用いられている。「[[スーパースター (デラニー&ボニーの曲)|スーパースター]]」は[[ルーサー・ヴァンドロス]]や[[ルーベン・スタッダード]]から[[ベット・ミドラー]]、[[ソニック・ユース]]に至るまで、数多くのアーティストによってカヴァーされた。[[クレイ・エイケン]]はテレビ番組『[[アメリカン・アイドル]]』でこの曲を歌い、若い世代にもこの曲を知らしめた<ref name="realitytvworld">[http://www.realitytvworld.com/news/clay-aiken-solitaire-opens-at-%234-in-billboard-hot-100-chart-2413.php realitytvworld.com]</ref>。
: 自分に大きな影響を与えた人物としてカレン・カーペンターの名を挙げている現代のアーティストには、[[クリスティーナ・アギレラ]]、[[グウェン・ステファニー]]、[[シャナイア・トゥエイン]]、[[アナスタシア (歌手)|アナスタシア]]、[[メアリー・J. ブライジ]]、[[アリシア・キーズ]]、[[リアン・ライムス]]、ケリー・ジョーンズ([[ステレオフォニックス]])、ジョニー・ボーレル([[レイザーライト]])、ジョー・オメアラ([[S Club 7]])、[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]などがいる<ref>VH1's Greatest Women of Rock and Roll</ref><ref>[http://www.famousinterview.ca/interviews/shania_twain.htm Shania Twain Interview]</ref>。
 
; その他
「愛のプレリュード」と「遙かなる影」は、その良質さと歴史的重要性からグラミーの殿堂入りを果している<ref name="grammyhalloffame">[http://www.grammy.org/recording-academy/awards/hall-of-fame grammy.com]</ref>。
: リチャードと妻メアリ・ルドルフ・カーペンターは2007年に[[ベンチュラ郡]]のフィランソロピスト(社会奉仕家)・オブ・ザ・イヤー賞を授与された<ref name="webbio"/>。
 
自分に大きな影響を与えた人物としてカレン・カーペンターの名を挙げている現代のアーティストには、[[クリスティーナ・アギレラ]]、[[グウェン・ステファニー]]、[[シャナイア・トゥエイン]]、[[アナスタシア (歌手)|アナスタシア]]、[[メアリー・J. ブライジ]]、[[アリシア・キーズ]]、[[リアン・ライムス]]、ケリー・ジョーンズ([[ステレオフォニックス]])、ジョニー・ボーレル([[レイザーライト]])、ジョー・オメアラ([[S Club 7]])、[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]などがいる<ref>VH1's Greatest Women of Rock and Roll</ref><ref>[http://www.famousinterview.ca/interviews/shania_twain.htm Shania Twain Interview]</ref>。
 
リチャードと妻メアリ・ルドルフ・カーペンターは2007年に[[ベンチュラ郡]]のフィランソロピスト(社会奉仕家)・オブ・ザ・イヤー賞を授与された<ref name="webbio"/>。
 
== ディスコグラフィ ==