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==概要==
[[FM-7]] ([[FM77AV]]) シリーズのオーディオ・ビジュアル (AV) 機能の充実という流れを汲んだ後継機で、[[西和彦]]の提案で世界で初めて全モデルに[[CD-ROM]]ドライブを標準搭載した<ref name="shashin">『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p109</ref>。また、ビジネス向けの[[FMRシリーズ|FMR-50シリーズ]]と上位互換性を持っていた。名称は初代FM TOWNSの開発[[コードネーム]]の"Townes"<ref group="注
'''タウンズ'''、'''ウンズ'''<ref>『Oh!FM TOWNS』1994年4月号 p.161</ref>等と略された。FMRシリーズと合わせて、FMR/TOWNSシリーズとも称されることもあった。
FM TOWNSは日本初のCD-ROMドライブ標準搭載パソコンである<ref group="注
当時としては画期的な1677万色中256色発色機能やPCM音源を標準搭載し、強力なグラフィック機能やオーディオ機能を誇っていた。また、当時の家庭用ゲーム機では一般的な[[スプライト (映像技術)|スプライト]]機能も搭載されており、ゲーム用[[プラットフォーム (コンピューティング)|プラットフォーム]]としても当時の人気機種だった[[シャープ]]の[[X68000]]に劣らぬ能力を持っていた。
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「FM-TOWNS」とFM-7のように[[ハイフン]]入りで表記されることもあるが、正しくはハイフンなしの「FM TOWNS」である。
===FM TOWNS===
一般にはFMRシリーズをベースに開発されたとされ<ref group="注
[[CD-ROM]]と3.5インチ[[フロッピーディスク|FDD]]、電源スイッチ、音量のレベルメータなどを正面に配した縦型のプラスチック成型の独特の筐体に、[[Intel 80386]]を搭載し、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]による[[グラフィカルユーザインタフェース|GUI]]と、[[ゲームパッド]]による操作を基本とした。その他にも[[FM音源]][[ステレオ]]6音、[[PCM音源]][[ステレオ]]8音を標準搭載した。GUIによる独自の[[シェル]]を標準搭載した[[#TownsOS|TownsOS]]が専用[[オペレーティングシステム|OS]]である。内容的には[[MS-DOS]]を[[DOSエクステンダ]]と呼ばれるモジュールで拡張し386[[プロテクトモード]]での動作を可能にしたもので、各種[[マルチメディア]][[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]に対応していた。[[記憶装置|メモリ]]使用上の制約はMS-DOSより大幅に改善されたが、[[セグメント方式|セグメント]]を跨ぐアクセスに関しては問題も多く後述のように論議の的となる。FMRシリーズとはメモリー・マッピングや[[Basic Input/Output System|BIOS]]等が異なったが、FM TOWNS専用版MS-DOSで起動することによりFMRシリーズ用の[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]や[[フリーウェア]]の多くが動作した。
筐体のサイドパネルはスライド式のロックを解除すると容易に外すことができ、メモリ ([[SIMM]]) の増設などが簡単に行えた。また、筐体上部にはキャリングハンドルとメモリカード([[電池]]でバックアップされた[[Static Random Access Memory|SRAM]]ディスク)用の[[ICメモリカード]]([[PCカード]])スロットを装備していた<ref group="注
専用[[ディスプレイ (コンピュータ)|RGBモニタ]]は主に[[トリニトロン]]を使用し、これらは[[ソニー]]の[[OEM]]品であった。これらのモニタは当初、[[複合同期]]や15/24/31kHzの3つの水平同期周波数に対応していたが、後期の機種ではコストダウンのため、PC本体側で15kHz信号を31kHzに変換出力可能として、[[PC/AT互換機]]用モニタの流用が図られるようになっている。
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現代から技術的に評価すれば、後に[[IA-32]]と呼ばれ長く主流の座にあったアーキテクチャの始祖である[[Intel 80386|80386]]を存分に活用することを前提としているなど、それなりに思い切ったコンセプトではあったのだが、それまでの[[Intel 8086|8086]]や[[MS-DOS]]のネガティブイメージを持ち出すなど、その類の業界メディアによって賛否の両方が煽られていたというのが、その実態という所ではあろう。
また、本体同時発売のゲーム「[[アフターバーナー (ゲーム)|アフターバーナー]]」において潜在的なポテンシャルの高さを誇示したものの、プログラムの完成度の低さ<ref group="注
*[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]が別売であった
*[[CD-ROM]]の読み出し速度<ref group="注
*スプライトの表示性能
*初代機の[[主記憶装置|メインメモリ]]/[[VRAM]]の[[ウェイト]]の多さ<ref group="注
*[[テキスト]]専用のVRAMを持たない<ref group="注
*[[F-BASIC|F-BASIC386]]の使い勝手が悪い<ref group="注
などが当時の主な指摘点である。
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====二代目以降====
CD-ROMを取り出す際、その回転が止まらないまま出てくるなどの不具合<ref group="注
===FM TOWNS II===
[[File:FM Towns II.jpg|thumb|モニタ一体型モデル]]
[[1991年]]11月、'''FM TOWNS II'''と名称を変更。従来型筐体の'''CX'''ではメモリウエイトの従来互換/高速モード<ref group="注
====486搭載・横置き型化====
[[1992年]]秋の'''HR''' ([[Intel 486|486SX]]-20MHz) / '''HG'''(386DX-20MHz)ではビデオデッキのような横置き筐体になり、内蔵CD-ROMドライブはフロントローディングタイプに変更され、3.5インチ対応のドライブベイは[[MO (記憶媒体)|MO]]なども使えるよう前面に配置され、[[フロッピーディスクドライブ]]はPC/AT互換機で一般的な1.44MBフォーマットにも対応した。メンテナンスの容易なプラスチック成型の筐体構造は踏襲され、[[Intel 487|487SX]]や[[オーバードライブプロセッサ|ODP]]も専用カード形態で搭載可能とされた。UX同様のモニタ一体型の'''UG'''(386SX-20MHz)がHR/HGと同時発売、後を追うように'''UR'''(486SX-20MHz)も[[1993年]][[2月]]に発売された<ref group="注
====白TOWNS====
[[File:FM TOWNS II (HR and MX models).jpg|thumb|FM TOWNS II HR (上) / MX (下)]]
[[1993年]]秋の'''MA''' (486SX-33MHz) / '''MX''' (486DX2-66MHz) / '''ME'''、[[1994年]]春のFM TOWNS発売5周年記念モデル'''MF'''/'''Fresh'''ではPC/AT互換機のモニタの流用を意識してHRの本体色を灰色から白に変更し、24kHzのRGB出力を31kHzにコンバートするように仕様変更された。特に廉価版のME/MF/Freshシリーズでは15kHzのRGB出力も31kHzにコンバートされる<ref group="注
この頃からPC/AT互換機の流行を受け、富士通でもPC/AT互換機である[[FMV]]の販売が開始されている。
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PC/AT互換機の汎用性を併せ持った反面、独自性が薄れることにもつながった。
また、ベースとなったFMVが当初ALi製Alladin IIチップセットを搭載し<!--V50LA搭載機のことです。念のため。-->Pentium 133MHz搭載でも486 100MHz搭載機にさえ劣る程度の性能しか出ない機種<ref group="注
富士通専門誌「Oh!FM TOWNS」も、[[1996年]]2月号をもって休刊。代わって「FMVファミリー」が創刊され、[[2000年]]に休刊するまで刊行されたが、文面でのFM TOWNSの扱いは、あったとしても僅かなコーナーに限られた。このためTOWNSユーザは情報源を[[ニフティサーブ]]のFTOWNSフォーラム・草の根BBSといった[[パソコン通信]]や、同じ1996年にFTOWNSを中心とした有志によって創刊された[[同人誌]]「Another TOWNS」(1996年〜2002年。全20号)に頼ることとなった。またユーザはPC/AT互換機以外に、一部は[[Macintosh]]にも流れていった。
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当初Fresh相当だった拡張ボードの機能は、モデルを追うごとにMシリーズ相当に近づいていくなどしたが、[[1997年]]夏のFMV-TOWNS モデルH20を最後に、FMV-DESKPOWERに統合される形でTOWNSシリーズは終了した。
なお、専用拡張カードはPCIカード形態であるが、その動作にはPCIバス以外にも幾つか信号線が必要で、カードだけを外して普通のPC/AT互換機に搭載しても動作しない。ただし、チップセット構成がV-TOWNSと同様であるか、特定の機能を持ったチップセットを搭載したマザーボードであれば、マザーボード上に一部改造を施すことで動作可能<ref group="注
===その他===
[[日本アイ・ビー・エム|日本IBM]]のOptions(純正オプション)としてPS/V VisionなどのPC/AT互換機で動作する[[Industry Standard Architecture|ISA]]用のFM TOWNSアプリケーションカード<ref group="注
===販売・広告戦略===
[[1980年代]]後半の[[16ビット]][[パソコン]]市場では、富士通が[[FM-11]]・[[FM-16β]]と2シリーズで重大な戦略ミス<ref group="注
このため、富士通は市場シェアの確保を目指し、16ビット以上のCPUを搭載する高性能個人向けパソコンの展開を模索していた。
[[8ビットパソコン]]ではFM77AVシリーズのマルチメディア機能と低価格が一定の支持を得ており、性能面ではNECの[[PC-8800シリーズ]]と充分対抗しうる存在であった<ref group="注
FM TOWNSはこの流れを汲み、折りしもシャープから発売され、ホビーパソコン市場でNECによる対抗機種([[PC-8800シリーズ#Z80互換モードを持つハイブリッドV30マシン、PC-88VA|PC-88VA]])に事実上圧勝していたX68000から刺激を受け、CD-ROMを始めとした強化されたマルチメディア機能と32ビットCPUの処理能力という新機軸を武器に、個人向け市場においてPC-9800シリーズでは開拓できない分野の需要を掘り起こし、結果的に個人向け用途においてPC-9800シリーズのシェアと拮抗する存在となるべく企画された<ref group="注
プロジェクトが発足すると共に、富士通社内で専用部署が設置され、特別に社内公募にてその構成メンバーが集められた。これは当時の富士通がFM TOWNSに並々ならぬ期待と熱意をかけていたことの証左である。
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ところが、その後、[[1990年代]]に入ると、マイクロソフトによるMPC認定などのマルチメディア環境の一般化が始まり、NECはPC-9800シリーズをそれに適合させるための開発を本格化させることになる。
その第1陣となったのは、[[1991年]]に発売された「PC-98GS」である。この機種では、PC-9800シリーズの基本機能に加えて球面スクロールなど高度な[[グラフィックス]]機能やDSPによる4チャネル出力に対応するサウンド機能が標準で搭載され、ビデオデジタイザにオプションで対応、[[ハードディスクドライブ]]や(上位機種に)[[CD-ROM]]ドライブを内蔵、更にMPCへの対応を視野に入れてPC-9800シリーズでは初となる、[[Video Graphics Array|VGA]]相当のグラフィック解像度(640ドット×480ライン)がサポートされるなど、FM TOWNSに近いかあるいはそれを凌駕する機能がサポートされた。ただし、これは[[オーサリング]]用として開発・発売された一種の実験機で、CD-ROMドライブ非搭載のmodel 1でさえ本体の定価が730,000円<ref group="注
もっとも、[[1993年]]よりNECは自社の主力商品であったPC-9800シリーズの上位・後継機種として、このPC-98GSでの試行錯誤の結果をフィードバックし、より普遍的な形に機能を再編した上で開発された[[PC-9821シリーズ]]を大々的に展開するようになる。
標準搭載される[[グラフィックス]]やサウンド機能については、DSPを搭載するなど贅沢な設計であったPC-98GSが高価になりすぎた反省もあって大幅に簡略化され、FM TOWNS単体と比べれば幾分見劣りした。だが、従来のPC-9801シリーズに対してハードウェア・ソフトウェア双方について上位互換性を備え、膨大な既存資産をほぼそのまま持ち越せたこと、それにNECがWindowsを快適に動作させるための高速グラフィックアクセラレータへの対応を積極的に推進したことなどから、このPC-9821シリーズはユーザ層の強い支持を集めた。また、NECが長い時間をかけて良好な関係を築き上げてきたサードパーティー各社の支持を背景として、多彩な[[周辺機器]]や拡張機能が提供され、加えて日本国内[[市場占有率|シェア]]1位だった[[寡占]]状態から生まれる利点から、[[Pentium]]、[[Pentium Pro]]、そして[[Pentium II]]と[[インテル]]による発表から間髪入れずに次々に搭載された最新CPU<ref group="注
===X68000シリーズとの関係===
FM TOWNS登場当初、先行していた[[シャープ]]製[[パソコン]][[X68000]]陣営は少なからず脅威を感じていたが、実機が登場した段階では、まだ周辺環境が未整備であったことから、それは杞憂に終わった。
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また、当時ようやく一般の事務所や制御用途に「使える」ようになったことから、パソコンの用途がホビーから実務へと大きくシフトし始めた時代において、旧来の慣習的なホビー市場は縮小の方向に向かっていた。
シャープ側では、当初計画されていた32ビットパソコンにおいても開発から発売までに、その資金面・仕様においてかなり迷走したと伝えられている<ref group="注
結果、登場したのは「より高速のX68000」である[[X68000#X68030|X68030]]に留まり、それはX68000シリーズのその後の運命を決定づけた。
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一方、FM TOWNSは一般ユーザを主なターゲットに捉えたことから、自ずとより安価でかつ高性能な家庭用[[ゲーム機]]や、PC/AT互換機にその座を譲ることになる。この流れはWindowsの普及の始まりによって確定的となり、[[FM TOWNS マーティー|マーティー]]を投入しても抗らうことはできなかった。
富士通とシャープ、メーカーレベルで見れば対等に見えたこの2機種の関係も、実質上の事業規模で見るならば、まさに巨人と小人の関係であった<ref group="注
当時、パソコンにおいて雑誌メディアが主体だった頃、よくこの二機種の比較が取り上げられることが多かったが、その多くは単にパソコンの単体[[スペック]]のみを争う内容であり、[[2000年代]]時点でのパソコンが(Macintoshを除けば)1つの[[コンピュータ・アーキテクチャ|アーキテクチャ]]で統一された時代から見れば特異なものであった。
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また、16色モード時は標準のパックドピクセル方式ではなく、[[FMRシリーズ|FMR-50]]互換のRGBプレーンごとにVRAMにアクセスするモードがサポートされていた。もっともFMR-50にあるテキストVRAMは実装されておらず、[[MS-DOS]]などではBIOSでテキストVRAMをエミュレーションし、グラフィック面にテキストを描画表示した。
====スプライト====
俗に「フレームバッファ方式」と呼ばれる、[[セガゲームス|セガ]]の[[アーケードゲーム]]の大型筐体でも使われていたのと同様の方法で実装されていた。このため、MSXやX68000、[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]などの「ラインバッファ方式」と違い、その構造上、横方向への表示枚数制限がない。デビュー当時は、この方法について色々な議論があり、「擬似スプライト」と呼ばれることもあったものの、PC-8800シリーズやPC-9800シリーズ向けソフトで用いられる、プログラムによる擬似スプライトとは技術的に異なり、ポリゴンによる3D描画が主流となる以前はアーケードゲーム基板でもよく用いられた方法であった<ref group="注
*解像度 : 256ドット×256ライン固定<ref group="注
*サイズ : 16ドット×16ライン/パターン
*色 : 32768色 もしくは 32768色中16色 (カラーパレット数256個)
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**当時「実用に耐える上限は19.2KHz」と言うのが一部で非公式に流布した
**余り話題に上らなかったが、白TOWNSからは[[サンプリング周波数]]の上限が僅かだが向上している
*PCM音源 ステレオ48kHz 1チャンネル 、16ビット[[WSS]]に相当。白TOWNS以降に発売されたモデルのみ(Martyシリーズを除く)。[[Direct Memory Access|DMA]]で再生するため専用のメモリはない。未搭載機種では、RF5C68を利用し、ソフトウェアエミュレーションで対応した<ref group="注
===マウス・ゲームパッド・キーボード===
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===拡張性、オプションなど===
====拡張スロット====
背面の拡張スロットは、初代では[[Small Computer System Interface|SCSI]]カード・[[モデム]]カード・ビデオカード、2代目はモデムカード・[[MIDI]]カード・ビデオカードのそれぞれ専用の3スロット構成だった。SCSIは2代目から内蔵された(フルピッチ、SCSI-1相当)。初代機及び二代目機の本体カバーの中には拡張スロット増設ボックス(I/O拡張ユニット)用のコネクタが設けられていた。このI/O拡張ユニットは本体の左側面に直接取り付けるというユニークな形状となっている。初代機及び二代目機用のI/O拡張ユニットは新旧二タイプあり、旧タイプのI/O拡張ユニット(FMT-601/602)はFMR-60用の拡張カード(ただし公式にサポートされていた富士通純正の拡張カードはMIDIカードとRS-232Cカードのみ)を3枚、新タイプのI/O拡張ユニット(FMT-611)はFMR-50LTシリーズと同じ信号<ref group="注
3代目からはFMT-611と同等の汎用拡張スロット2基(HR/MA/MXなどでは3基)と、ビデオカード/チュナーカード専用スロット1基という構成になった。モデム・MIDIカードは汎用スロットに接続するタイプが用意された。また、3代目以降の機種用に、本体内蔵の汎用拡張スロット経由で接続するI/O拡張ユニット(FMT-621。汎用拡張スロット×6)も用意された。
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初代から用意されたビデオカードはTOWNS最大の特徴と言われ、ビデオ入力端子(または[[S端子]])から[[動画]]の取り込みが行えた。MIDIカードは後に[[GSフォーマット|GS音源]]を搭載したものもあった。[[Local Area Network|LAN]]カードも存在した。Windowsで使用可能なグラフィックアクセラレータもある。
====コネクタ====
初代機からモニタ(D-Sub 15pin<ref group="注
====ストレージ====
*CD-ROM
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*内蔵ドライブベイ(SCSI)2代目より
==TownsOS==
TOWNSには標準の[[オペレーティングシステム]]として'''TownsOS'''が用意された(実際は[[MS-DOS]]に「毛を生やした」ようなものだが、詳細は後述する)。「32ビットシングルタスク」と称していたがその看板には一応偽りが無く、当時の他機種では386など32ビットマイクロプロセッサを積んでいても活用されていることが少なかった32ビットモードを、いわゆる[[DOSエクステンダ]]で活用するものではあった(PC-98などではユーザが各自に環境を設定するものであったためトラブルなども多かった点で、標準として用意し安定して活用できるものとした点に大きな意義があった)。TownsOSには大きく分けて初代からのV1.1、TOWNS IIから付属したV2.1の2系統のバージョンがあった。V1.1にはL10 - L30、V2.1にはL10 - L50・L51のマイナーバージョン(Lは[[レベル]])があり、毎年のように[[アップデート]]されていた<ref group="注
TownsOSの基本構造は、[[Read Only Memory|ROM]]化して本体に内蔵された[[MS-DOS]] 3.1本体およびCD-ROMドライバのMSCDEX.EXE、それに32ビットプロテクトモードでアプリケーションを起動させる「386|DOS-Extender」(RUN386.EXE)を組み合わせたものだった。また、[[Basic Input/Output System|BIOS]]や各種[[デバイスドライバ]]に相当する「[[TBIOS]]」により、グラフィック系機能、サウンド機能、CD-ROMアクセス/CD音再生機能、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]/[[ジョイスティック]]などFM TOWNSのハードウェアまわりの機能が利用できた<ref group="注
なおROMで内蔵のMS-DOSにはCOMMAND.COMに相当するシェルプログラムが内蔵されているがテキスト表示はサポートされておらず、コマンドプロンプトなどを使用するにはFM TOWNS専用版のMS-DOSを購入するか、TownsOSやF-BASIC386などに付属するコンソール表示ソフト、もしくはフリーソフトを使用する必要があった。この点はTownsOS V2.1において標準でテキスト表示がサポートされたことで解消された。
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TownsMENUやアプリケーションなどの操作環境の多くはGUIだった。初期の段階では、アプリケーションごとのGUI仕様は統一されておらず開発者任せであったが、後に標準的なGUIの仕様ができ、純正のGUI[[ライブラリ]]も発売された。
===Townsシステムソフトウェア===
TownsOSと、管理ユーティリティ、アプリケーションなどからなる基本的なセットは、'''Townsシステムソフトウェア'''という形態で販売または本体に添付されていた。ほぼすべてのユーティリティやアプリケーションは統一されたGUIで構成されており、マウスを使ったわかりやすい操作を行うことが可能。日本語入力には[[OAK]]([[OASYS|オアシス]]かな漢字変換システム)という[[かな漢字変換]]が付属した<ref group="注
付属しているアプリケーションは、Townsシステムソフトウェアのバージョンによって異なった。
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==機種==
*[[1989年]][[2月28日]] - FM TOWNS 1/2/1S/2S 発表<ref group="注
*1989年[[11月7日]] - FM TOWNS 1F/2F/1H/2H 1990年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/17319 受賞番号:90K0773(受賞対象:FM TOWNS FM TOWNS-2H、FMT-DP531、B276A010、FMT-KB205)]</ref>
*[[1990年]][[10月30日]] - FM TOWNS 10F/20F/40H/80H 1991年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18642 受賞番号:91K0881(受賞対象:FM TOWNS モデル10F FMTOWNS10F)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18641 受賞番号:91K0880(受賞対象:FM TOWNS モデル20F FMTOWNS20F)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18640 受賞番号:91K0879(受賞対象:FM TOWNS モデル40H FMTOWNS40H)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18639 受賞番号:91K0878(受賞対象:FM TOWNS モデル80H FMTOWNS80H)]</ref>
*[[1991年]][[11月5日]] - FM TOWNSII CX/UX(CRT一体型386SX TOWNS)1992年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19659 受賞番号:92K0679(受賞対象:FM TOWNSII モデルCX10 FMTW2CX10、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19660 受賞番号:92K0680(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX20 FMTW2CX20、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19661 受賞番号:92K0681(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX40 FMTW2CX40、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19662 受賞番号:92K0682(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX100 FMTW2CX100、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19658 受賞番号:92K0678(受賞対象:FM TOWNSIIモデルUX20 FMTW2UX20、FMT-KB202A)]</ref>
*[[1992年]]2月 - FM TOWNSII UX40
*1992年[[11月4日]] - FM TOWNSII HR/HG/UG(486 横型
*[[1993年]][[2月15日]] - FM TOWNSII UR(486 一体型
*1993年[[2月16日]] - [[FM TOWNS マーティー]]
*1993年[[11月9日]] - FM TOWNSII MX/MA/ME(ハイレゾ対応/白TOWNS)
343行目:
*1994年[[11月]] - カーマーティーII
*1994年[[12月]] - FM TOWNSII HA/HB(Pentium搭載)
*[[1995年]][[2月8日]] - FM TOWNSII HC/Fresh・ES/ET 1995年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/22355 受賞番号:95K0587(受賞対象:FMTOWNSIIモデルHC FMTWHC5J2/S2))]</ref>
*1995年夏 - FM TOWNSII HC/Fresh・FS/FT(HCは価格改定)
*1995年冬 - FMV-TOWNS モデルH、Fresh・GS/GT
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*EIN(TM)プロジェクト(アインプロジェクト) - 晩年に起こった、Towns Shell用の自作EXG形式アプリケーションを独自に標準化するプロジェクト。富士通内部の有志から始まったと言われている。EIN(TM)とは[[再帰的頭字語]]による命名であり、Ein Is Not Towns Menuの略である。
*[[TEO -もうひとつの地球-]] - 仮想生物フィンフィンと対話するソフト。Windows用も発売された。
*フリーソフトウェアコレクション(フリコレ<ref>[http://mjkozou.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/103_fmtowns_fre_207a.html ボクラのカケラ .103 "FM-TOWNS フリコレ(Free Software Collection)"。]、アルマジロ・ヴギ (armadillo boogie) written by [[石切山英詔|M.J.KOZOU]]、2008年8月19日。</ref>、FSWC) - TOWNSで動作する[[フリーソフトウェア]]をまとめて実費配布した[[オムニバス]]CD-ROM。No.11まで作られ、その他フリコレMARTYとフリコレSSSがある。No.1~3は「[[フリーウェア]]コレクション」(FWC)だったがNo.4以降名称変更された<ref group="注
*High C Compiler - MetaWare社のCコンパイラに、FM TOWNS固有のAPIライブラリを組み合わせた純正開発環境。F-BASIC386などと異なり、ビジュアル開発環境ではないため、コマンドライン環境が必要(なくても標準出力のメッセージが読めないだけで、コンパイルやリンク自体はできる)。コンパイラやリンカは、MS-DOS(x86)汎用の16ビット版とRUN386必須の32ビット版の実行プログラムが同梱されている。16ビット版は、コンパイルやリンク時に、16ビットDOSのメモリ空間(富士通版は768KB)の制約を受けるため、巨大なソースのコンパイルで劇的に処理速度が低下するが、32ビット版は、プロテクトモードで動作し、搭載メモリが全て使えるために、より処理が高速である。アセンブラ、ライブラリアンは含まれていない。従って、自前のライブラリなどは作れない。当初はリンカまで含まれていなかったので、実行ファイルを作るのにも386|ASM TOOL KITを必要とし、この定価設定(8万円+4万円=合計12万円、税抜)がFM TOWNSのフリーソフトの発展を阻害したと言う者は多い。GUIキットは当初含まれていなかったが、その後標準GUIライブラリを含むオプション販売だった各種ライブラリをバンドルしマニュアルを電子化して値段を据え置いた「High C Compiler マルチメディアキット」、加えてソースレベルデバッガをバンドルした「High C Compiler マルチメディア開発キット」が発売された。後継ソフトとしてC++に対応した「High C Compiler マルチメディア開発キット V3.2」が発売されたが、定価15万円(税抜)と高価なものであった。
*386|ASM TOOL KIT - 純正のアセンブラ環境。High Cと同様に、コマンドライン環境向けのツール群。当初、High C Compilerとの併用を前提としていながら、定価8万円(税抜)と非常に高価であった。
410行目:
==注釈==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist|group="注
==出典==
{{reflist|2}}
==関連項目==
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{{デフォルトソート:えふえむたうんす}}
[[Category:富士通のパーソナルコンピュータ]]
[[Category:グッドデザイン賞|*]]
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