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==概要==
[[FM-7]] ([[FM77AV]]) シリーズのオーディオ・ビジュアル (AV) 機能の充実という流れを汲んだ後継機で、[[西和彦]]の提案で世界で初めて全モデルに[[CD-ROM]]ドライブを標準搭載した<ref name="shashin">『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p109</ref>。また、ビジネス向けの[[FMRシリーズ|FMR-50シリーズ]]と上位互換性を持っていた。名称は初代FM TOWNSの開発[[コードネーム]]の"Townes"<ref group="注">[[レーザー]]を発明した[[ノーベル賞]]受賞者の[[チャールズ・タウンズ]] (C.H.Townes) 博士に由来する。</ref>から"e"を取ってそのまま商品名にしたとも、当初予定していた"Town"の商標を他の家電メーカー<ref group="注">企業名は不明。</ref>が先に登録したために止むなく"s"を付けたともされる<ref>『Oh!FM TOWNS』1996年2月号 p.110には、両方の説が取り上げられている。</ref>。
 
'''タウンズ'''、'''ウンズ'''<ref>『Oh!FM TOWNS』1994年4月号 p.161</ref>等と略された。FMRシリーズと合わせて、FMR/TOWNSシリーズとも称されることもあった。
 
FM TOWNSは日本初のCD-ROMドライブ標準搭載パソコンである<ref group="注">パソコン以外ではFM TOWNS以前に[[PCエンジン]]・[[CD-ROM2|CD-ROM<sup>2</sup>]]、[[OASYS]]での採用例がある。また、オプション装備としての導入なら、Apple CDscが1987年に発売された[[Macintosh]]の方が2年早い。</ref>。
 
当時としては画期的な1677万色中256色発色機能やPCM音源を標準搭載し、強力なグラフィック機能やオーディオ機能を誇っていた。また、当時の家庭用ゲーム機では一般的な[[スプライト (映像技術)|スプライト]]機能も搭載されており、ゲーム用[[プラットフォーム (コンピューティング)|プラットフォーム]]としても当時の人気機種だった[[シャープ]]の[[X68000]]に劣らぬ能力を持っていた。
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「FM-TOWNS」とFM-7のように[[ハイフン]]入りで表記されることもあるが、正しくはハイフンなしの「FM TOWNS」である。
===FM TOWNS===
一般にはFMRシリーズをベースに開発されたとされ<ref group="注">当時FMR-50型番の機種には[[Intel 80386|80386]]搭載機種はなかったため、実機ができるまでの開発環境はFMR-70+専用AVボード+専用DOS-Extenderであった</ref>、FMR-50型番の機種と一定の互換性を備えている。
 
[[CD-ROM]]と3.5インチ[[フロッピーディスク|FDD]]、電源スイッチ、音量のレベルメータなどを正面に配した縦型のプラスチック成型の独特の筐体に、[[Intel 80386]]を搭載し、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]による[[グラフィカルユーザインタフェース|GUI]]と、[[ゲームパッド]]による操作を基本とした。その他にも[[FM音源]][[ステレオ]]6音、[[PCM音源]][[ステレオ]]8音を標準搭載した。GUIによる独自の[[シェル]]を標準搭載した[[#TownsOS|TownsOS]]が専用[[オペレーティングシステム|OS]]である。内容的には[[MS-DOS]]を[[DOSエクステンダ]]と呼ばれるモジュールで拡張し386[[プロテクトモード]]での動作を可能にしたもので、各種[[マルチメディア]][[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]に対応していた。[[記憶装置|メモリ]]使用上の制約はMS-DOSより大幅に改善されたが、[[セグメント方式|セグメント]]を跨ぐアクセスに関しては問題も多く後述のように論議の的となる。FMRシリーズとはメモリー・マッピングや[[Basic Input/Output System|BIOS]]等が異なったが、FM TOWNS専用版MS-DOSで起動することによりFMRシリーズ用の[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]や[[フリーウェア]]の多くが動作した。
 
筐体のサイドパネルはスライド式のロックを解除すると容易に外すことができ、メモリ ([[SIMM]]) の増設などが簡単に行えた。また、筐体上部にはキャリングハンドルとメモリカード([[電池]]でバックアップされた[[Static Random Access Memory|SRAM]]ディスク)用の[[ICメモリカード]]([[PCカード]])スロットを装備していた<ref group="注">MartyとSNを除くTOWNS/TOWNS II全機種でI/O用PCカードは使用不可。</ref>。
 
専用[[ディスプレイ (コンピュータ)|RGBモニタ]]は主に[[トリニトロン]]を使用し、これらは[[ソニー]]の[[OEM]]品であった。これらのモニタは当初、[[複合同期]]や15/24/31kHzの3つの水平同期周波数に対応していたが、後期の機種ではコストダウンのため、PC本体側で15kHz信号を31kHzに変換出力可能として、[[PC/AT互換機]]用モニタの流用が図られるようになっている。
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現代から技術的に評価すれば、後に[[IA-32]]と呼ばれ長く主流の座にあったアーキテクチャの始祖である[[Intel 80386|80386]]を存分に活用することを前提としているなど、それなりに思い切ったコンセプトではあったのだが、それまでの[[Intel 8086|8086]]や[[MS-DOS]]のネガティブイメージを持ち出すなど、その類の業界メディアによって賛否の両方が煽られていたというのが、その実態という所ではあろう。
 
また、本体同時発売のゲーム「[[アフターバーナー (ゲーム)|アフターバーナー]]」において潜在的なポテンシャルの高さを誇示したものの、プログラムの完成度の低さ<ref group="注">後にX68000版が[[マイコンソフト]]から発売され、店頭デモなどでよく比較された。画面処理能力の関係から画面の再現性ではFM TOWNS版が上回っていたが、ゲームとしての本質的な再現度では画面の再現性を幾分犠牲にしてでもプレイアビリティを重視したコーディングが行われたX68000版の方が格段に完成度が高かった。</ref>が特に初期には目立った。
 
*[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]が別売であった
*[[CD-ROM]]の読み出し速度<ref group="注">本体色がグレーのモデルは1倍速ドライブを搭載していた。</ref>
*スプライトの表示性能
*初代機の[[主記憶装置|メインメモリ]]/[[VRAM]]の[[ウェイト]]の多さ<ref group="注">正確にはそれぞれ3ウェイト、6ウェイト。しかし実際の性能にはあまり影響を与えていないとされる。メモリウェイトはI/Oの隠し操作で少なくできるようになっていた。</ref>
*[[テキスト]]専用のVRAMを持たない<ref group="注">MS-DOSはFMR-50のテキスト画面のハードウェアをエミュレーションすることによりグラフィック画面にテキストを表示する。なお、この仕様のため、[[ブート|ブートローダー]]がテキストVRAMを必要とするFMRシリーズ用[[Microsoft Windows NT|Windows NT]]は対応しない。</ref>
*[[F-BASIC|F-BASIC386]]の使い勝手が悪い<ref group="注">最初のバージョンではCD再生に対応していない始末であった。</ref>
 
などが当時の主な指摘点である。
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====二代目以降====
CD-ROMを取り出す際、その回転が止まらないまま出てくるなどの不具合<ref group="注">このような些細な不具合を修正できなかったくらい、初代FM TOWNSはごく短い開発期間で市販に至ったとされる{{要出典|date=2015-1}}</ref>は[[1989年]][[11月]]の二代目モデルで改良され、初代モデルでもメーカーによるBIOS [[Read Only Memory|ROM]]の交換サービスによりCD-ROMの読み出し速度が改良された。その一方では[[1990年]][[10月]]の三代目10F/20F/40H/80Hシリーズで落ち着くまで本体の[[拡張スロット]]の構成を毎回変更するなどの不安要素もあった。三代目ではVRAMのメモリウェイトもI/O操作で少なくすることができるようになった。TownsOSやF-BASIC386なども本体が発売されるたびに少しずつ改良された<ref group="注">なお、前項で取り上げたタイトル「アフターバーナー」は後に、別物となった続編や、他ソフトと組み合わせた廉価版のパッケージが発売されたものの、オリジナルの改良は最後までなされなかった。</ref>。
 
===FM TOWNS II===
[[File:FM Towns II.jpg|thumb|モニタ一体型モデル]]
[[1991年]]11月、'''FM TOWNS II'''と名称を変更。従来型筐体の'''CX'''ではメモリウエイトの従来互換/高速モード<ref group="注">高速モードではメインメモリアクセス時の0ウエイト動作、VRAMアクセス時の3ウェイト動作を行う。</ref>のソフトによる切り替え機能が追加された。また、[[トリニトロン]][[ディスプレイ (コンピュータ)|モニタ]]一体型のモデル、'''UX'''(386SX-16MHz)を発売した。UXではソフトからの電源制御は削除され、CD-ROMドライブはフロントローディングタイプに変更された。メモリはノーウェイトであるが、バス幅が16ビットの386SXを搭載するため、速度的には三代目までの機種やCXの[[互換モード]]とほぼ同じだった<ref group="注">これはMartyへの布石にもなった。</ref>。
====486搭載・横置き型化====
[[1992年]]秋の'''HR''' ([[Intel 486|486SX]]-20MHz) / '''HG'''(386DX-20MHz)ではビデオデッキのような横置き筐体になり、内蔵CD-ROMドライブはフロントローディングタイプに変更され、3.5インチ対応のドライブベイは[[MO (記憶媒体)|MO]]なども使えるよう前面に配置され、[[フロッピーディスクドライブ]]はPC/AT互換機で一般的な1.44MBフォーマットにも対応した。メンテナンスの容易なプラスチック成型の筐体構造は踏襲され、[[Intel 487|487SX]]や[[オーバードライブプロセッサ|ODP]]も専用カード形態で搭載可能とされた。UX同様のモニタ一体型の'''UG'''(386SX-20MHz)がHR/HGと同時発売、後を追うように'''UR'''(486SX-20MHz)も[[1993年]][[2月]]に発売された<ref group="注">URはODPには対応していない。</ref>。486搭載機は動作速度が非常に速くなっており、高速モードでは古いソフトの場合マウスの読み取りミスがあるなどの不具合が出た。なお、富士通はその対策なども兼ね、読み取りの際に割り込みが入る機能を搭載したマウスへ移行した。
 
====白TOWNS====
[[File:FM TOWNS II (HR and MX models).jpg|thumb|FM TOWNS II HR (上) / MX (下)]]
[[1993年]]秋の'''MA''' (486SX-33MHz) / '''MX''' (486DX2-66MHz) / '''ME'''、[[1994年]]春のFM TOWNS発売5周年記念モデル'''MF'''/'''Fresh'''ではPC/AT互換機のモニタの流用を意識してHRの本体色を灰色から白に変更し、24kHzのRGB出力を31kHzにコンバートするように仕様変更された。特に廉価版のME/MF/Freshシリーズでは15kHzのRGB出力も31kHzにコンバートされる<ref group="注">MX/MAでは隠しモードとして搭載。</ref>ほか、コストダウンのために筐体が金属製となった。この通称白TOWNSと呼ばれる世代では[[オーディオ]]周りの[[アナログ回路]]設計が見直され、音質が向上した。内蔵CD-ROMドライブは倍速タイプに変更された。また内蔵RS-232Cポートにはモデムなどの周辺機器側の高速化を受け、38,400bps以上での取りこぼしを防ぐFIFOバッファメモリが追加された<ref group="注">OSレベルでは非対応。</ref>。[[チューナー]]カードのリモコン受信口は塞がれた<ref group="注">後に発売されたFresh・TVではハードディスクベイの右上にリモコン受信口がある</ref>。MX/MAでは[[WSS]]相当の新PCMや1024×768の[[ハイレゾ]]表示モードがつき、[[マイクロソフト]]から「MPC 2.0」の認定を受けている。
 
この頃からPC/AT互換機の流行を受け、富士通でもPC/AT互換機である[[FMV]]の販売が開始されている。
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PC/AT互換機の汎用性を併せ持った反面、独自性が薄れることにもつながった。
 
また、ベースとなったFMVが当初ALi製Alladin IIチップセットを搭載し<!--V50LA搭載機のことです。念のため。-->Pentium 133MHz搭載でも486 100MHz搭載機にさえ劣る程度の性能しか出ない機種<ref group="注">特にバス周りの転送性能が極めて低く、バスマスタ転送に対応するPCI/[[Industry Standard Architecture|ISA]]カードの中には、[[日本電気ホームエレクトロニクス|NECホームエレクトロニクス]]のPCFX-GA for DOS/Vのように当該チップセット搭載機種での動作を保証しないケースも少なからず存在した。</ref>であったことから、WindowsマシンとしてもTOWNS互換機としても額面通りの性能が出ないことで大きな不評を買った。
 
富士通専門誌「Oh!FM TOWNS」も、[[1996年]]2月号をもって休刊。代わって「FMVファミリー」が創刊され、[[2000年]]に休刊するまで刊行されたが、文面でのFM TOWNSの扱いは、あったとしても僅かなコーナーに限られた。このためTOWNSユーザは情報源を[[ニフティサーブ]]のFTOWNSフォーラム・草の根BBSといった[[パソコン通信]]や、同じ1996年にFTOWNSを中心とした有志によって創刊された[[同人誌]]「Another TOWNS」(1996年〜2002年。全20号)に頼ることとなった。またユーザはPC/AT互換機以外に、一部は[[Macintosh]]にも流れていった。
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当初Fresh相当だった拡張ボードの機能は、モデルを追うごとにMシリーズ相当に近づいていくなどしたが、[[1997年]]夏のFMV-TOWNS モデルH20を最後に、FMV-DESKPOWERに統合される形でTOWNSシリーズは終了した。
 
なお、専用拡張カードはPCIカード形態であるが、その動作にはPCIバス以外にも幾つか信号線が必要で、カードだけを外して普通のPC/AT互換機に搭載しても動作しない。ただし、チップセット構成がV-TOWNSと同様であるか、特定の機能を持ったチップセットを搭載したマザーボードであれば、マザーボード上に一部改造を施すことで動作可能<ref group="注">実際にその手法で作られた[[Athlon]]搭載のV-TOWNSが存在する。</ref>である。
 
===その他===
[[日本アイ・ビー・エム|日本IBM]]のOptions(純正オプション)としてPS/V VisionなどのPC/AT互換機で動作する[[Industry Standard Architecture|ISA]]用のFM TOWNSアプリケーションカード<ref group="注">本体から独立した386SX CPU+メモリ+グラフィックチップ+サウンドチップなどを搭載する。</ref>が[[1993年]][[12月]]末に発売されている。このカードに加え、CD-ROMドライブを準備するとISAスロット搭載のPC/AT互換機でTOWNSソフトを動作させることができた。
===販売・広告戦略===
[[1980年代]]後半の[[16ビット]][[パソコン]]市場では、富士通が[[FM-11]]・[[FM-16β]]と2シリーズで重大な戦略ミス<ref group="注">特にFM-16βの開発時に標準OSとして、結果的にアメリカ市場で[[MS-DOS]]に大敗を喫した[[CP/M-86]]を選択するという判断を行ったことは、同シリーズの寿命を著しく縮めた。PC-9800シリーズの成功には、[[ROM-BASIC]]マシンからOSマシンへの移行時に、このような大きなミスを犯さなかったことによる所が大きい。</ref>を繰り返したこともあり、[[日本電気|NEC]]のPC-9800シリーズがROM-BASICマシンからOSマシンへの移行をスムーズに実現すると共に各分野での対応アプリケーションソフトの拡充に成功したことで、ほぼ全ての用途において寡占を実現していた。
 
このため、富士通は市場シェアの確保を目指し、16ビット以上のCPUを搭載する高性能個人向けパソコンの展開を模索していた。
 
[[8ビットパソコン]]ではFM77AVシリーズのマルチメディア機能と低価格が一定の支持を得ており、性能面ではNECの[[PC-8800シリーズ]]と充分対抗しうる存在であった<ref group="注">もっとも、PC-8800シリーズや[[X1 (コンピュータ)|X1シリーズ]]、それに[[MSX]]・MSX2規格といった、1980年代後半の日本で[[ホビーパソコン]]市場の主流を形成していた[[Z80]]搭載各シリーズと異なり、高機能ではあるがコーディングの難しい6809をCPUとして搭載していたFM7/77シリーズは、開発言語の主流が[[アセンブリ言語]]であった当時の状況ではデータ格納形式の相違なども含めて移植作業に当たってのプログラマの負担が大きく、8080系CPUを中心に開発しているソフトハウスでは忌避される傾向にあった。後期は相次ぐPC-8800シリーズの高速化や低価格化、ファミコンをはじめとする家庭用ゲーム機の大ヒット、それにX68000の出現などの事情からそのシェアは急速な低下傾向を示し、末期には商業的な市場規模の小ささに見切りをつけた有力ソフトハウス各社による、発売予告のなされたゲームソフト(主に移植作品)の発売中止が相次いだ。</ref>。
 
FM TOWNSはこの流れを汲み、折りしもシャープから発売され、ホビーパソコン市場でNECによる対抗機種([[PC-8800シリーズ#Z80互換モードを持つハイブリッドV30マシン、PC-88VA|PC-88VA]])に事実上圧勝していたX68000から刺激を受け、CD-ROMを始めとした強化されたマルチメディア機能と32ビットCPUの処理能力という新機軸を武器に、個人向け市場においてPC-9800シリーズでは開拓できない分野の需要を掘り起こし、結果的に個人向け用途においてPC-9800シリーズのシェアと拮抗する存在となるべく企画された<ref group="注">発売前の雑誌インタビューでは、「コンセプト的には日本のMacを目指しているといってよいでしょう」というスタッフの発言が掲載されていた。</ref><ref>大谷和利 「モトローラCPUを巡るパソコン史 68000光と影」『THE COMPUTER 1988年8月号』、日本ソフトバンク、1988年、pp.72-78</ref>と伝えられる。
 
プロジェクトが発足すると共に、富士通社内で専用部署が設置され、特別に社内公募にてその構成メンバーが集められた。これは当時の富士通がFM TOWNSに並々ならぬ期待と熱意をかけていたことの証左である。
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ところが、その後、[[1990年代]]に入ると、マイクロソフトによるMPC認定などのマルチメディア環境の一般化が始まり、NECはPC-9800シリーズをそれに適合させるための開発を本格化させることになる。
 
その第1陣となったのは、[[1991年]]に発売された「PC-98GS」である。この機種では、PC-9800シリーズの基本機能に加えて球面スクロールなど高度な[[グラフィックス]]機能やDSPによる4チャネル出力に対応するサウンド機能が標準で搭載され、ビデオデジタイザにオプションで対応、[[ハードディスクドライブ]]や(上位機種に)[[CD-ROM]]ドライブを内蔵、更にMPCへの対応を視野に入れてPC-9800シリーズでは初となる、[[Video Graphics Array|VGA]]相当のグラフィック解像度(640ドット×480ライン)がサポートされるなど、FM TOWNSに近いかあるいはそれを凌駕する機能がサポートされた。ただし、これは[[オーサリング]]用として開発・発売された一種の実験機で、CD-ROMドライブ非搭載のmodel 1でさえ本体の定価が730,000円<ref group="注">Windows 3.0プリインストール済み。なお、1倍速CD-ROMドライブ標準搭載のmodel 2は本体の定価が828,000円であった。</ref>と極端に高価で一般向けのものではなく、FM TOWNSと市場で直接[[バッティング]]する商品ではなかった。
 
もっとも、[[1993年]]よりNECは自社の主力商品であったPC-9800シリーズの上位・後継機種として、このPC-98GSでの試行錯誤の結果をフィードバックし、より普遍的な形に機能を再編した上で開発された[[PC-9821シリーズ]]を大々的に展開するようになる。
 
標準搭載される[[グラフィックス]]やサウンド機能については、DSPを搭載するなど贅沢な設計であったPC-98GSが高価になりすぎた反省もあって大幅に簡略化され、FM TOWNS単体と比べれば幾分見劣りした。だが、従来のPC-9801シリーズに対してハードウェア・ソフトウェア双方について上位互換性を備え、膨大な既存資産をほぼそのまま持ち越せたこと、それにNECがWindowsを快適に動作させるための高速グラフィックアクセラレータへの対応を積極的に推進したことなどから、このPC-9821シリーズはユーザ層の強い支持を集めた。また、NECが長い時間をかけて良好な関係を築き上げてきたサードパーティー各社の支持を背景として、多彩な[[周辺機器]]や拡張機能が提供され、加えて日本国内[[市場占有率|シェア]]1位だった[[寡占]]状態から生まれる利点から、[[Pentium]]、[[Pentium Pro]]、そして[[Pentium II]]と[[インテル]]による発表から間髪入れずに次々に搭載された最新CPU<ref group="注">Pentium(PC-9821Af)やPentium Pro(PC-9821St15)などではインテルによる新CPUの発表と同時に製品が発表されている。</ref>による基本性能の向上もあって、FM TOWNSが得意としたマルチメディア領域は次第に、そして急速に脅かされていくことになった。
===X68000シリーズとの関係===
FM TOWNS登場当初、先行していた[[シャープ]]製[[パソコン]][[X68000]]陣営は少なからず脅威を感じていたが、実機が登場した段階では、まだ周辺環境が未整備であったことから、それは杞憂に終わった。
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また、当時ようやく一般の事務所や制御用途に「使える」ようになったことから、パソコンの用途がホビーから実務へと大きくシフトし始めた時代において、旧来の慣習的なホビー市場は縮小の方向に向かっていた。
 
シャープ側では、当初計画されていた32ビットパソコンにおいても開発から発売までに、その資金面・仕様においてかなり迷走したと伝えられている<ref group="注">X68000が搭載する[[MC68000|68000]](より厳密にはその[[セカンドソース]]品の日立製作所HD68HC000)は汎用[[レジスタ (コンピュータ)|レジスタ]]が32ビット長であるが、アドレスバスは24ビット幅、データバスは16ビット幅となっており、開発元である[[モトローラ]]の定義では16ビットCPUとなる。同社のライバルであったインテルの場合はCPU内部の汎用レジスタ長をもってCPUのビット数として取り扱ったが、モトローラではデータバス幅をもってCPUのビット数を表現した。このため、同じ16ビットパソコンと表記する場合でもインテル製CPU搭載マシンとモトローラ製CPU搭載マシンではその意味合いが異なる場合がある。X68000の場合もインテル流に表記すれば全て32ビットパソコンということになり、データバス幅16ビットの386SXを搭載したFM TOWNSの廉価機はモトローラ流の表記に従えば16ビットパソコンとなる。ここでいう32ビットパソコンとは、データバス幅も32ビット化されたマシン、つまりMC68020やMC68030(およびその派生モデル)を搭載したマシンを指す。</ref>。
 
結果、登場したのは「より高速のX68000」である[[X68000#X68030|X68030]]に留まり、それはX68000シリーズのその後の運命を決定づけた。
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一方、FM TOWNSは一般ユーザを主なターゲットに捉えたことから、自ずとより安価でかつ高性能な家庭用[[ゲーム機]]や、PC/AT互換機にその座を譲ることになる。この流れはWindowsの普及の始まりによって確定的となり、[[FM TOWNS マーティー|マーティー]]を投入しても抗らうことはできなかった。
 
富士通とシャープ、メーカーレベルで見れば対等に見えたこの2機種の関係も、実質上の事業規模で見るならば、まさに巨人と小人の関係であった<ref group="注">当時、シャープ内部では、その企業規模の割にはパソコン事業部が独立して2部門もあり、しかもその2つが連携することはほとんど無く、社内の力関係で劣勢に立たされていたのはむしろX68000の開発部隊の方であった。</ref><ref group="注">もっとも、この関係は後に矢継ぎ早のモデルチェンジに耐えられなくなり体力切れとなったFM TOWNSと、それまでの資産や圧倒的なネームバリューを武器にIntelx86系としては最後まで独自アーキテクチャを以って抗い続けたPC-9800シリーズの関係にも似る。シャープのX68000シリーズの開発陣が小人、富士通が巨人ならば、NECはさらにその上を行く巨大[[怪獣]]であり、[[PC/AT互換機]]陣営はさらにそれすらも飲み込む(盟主たるIBMですら制御不能な[[群雄割拠]]状態の)[[魔界]]であった。</ref>。
 
当時、パソコンにおいて雑誌メディアが主体だった頃、よくこの二機種の比較が取り上げられることが多かったが、その多くは単にパソコンの単体[[スペック]]のみを争う内容であり、[[2000年代]]時点でのパソコンが(Macintoshを除けば)1つの[[コンピュータ・アーキテクチャ|アーキテクチャ]]で統一された時代から見れば特異なものであった。
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また、16色モード時は標準のパックドピクセル方式ではなく、[[FMRシリーズ|FMR-50]]互換のRGBプレーンごとにVRAMにアクセスするモードがサポートされていた。もっともFMR-50にあるテキストVRAMは実装されておらず、[[MS-DOS]]などではBIOSでテキストVRAMをエミュレーションし、グラフィック面にテキストを描画表示した。
====スプライト====
俗に「フレームバッファ方式」と呼ばれる、[[セガゲームス|セガ]]の[[アーケードゲーム]]の大型筐体でも使われていたのと同様の方法で実装されていた。このため、MSXやX68000、[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]などの「ラインバッファ方式」と違い、その構造上、横方向への表示枚数制限がない。デビュー当時は、この方法について色々な議論があり、「擬似スプライト」と呼ばれることもあったものの、PC-8800シリーズやPC-9800シリーズ向けソフトで用いられる、プログラムによる擬似スプライトとは技術的に異なり、ポリゴンによる3D描画が主流となる以前はアーケードゲーム基板でもよく用いられた方法であった<ref group="注">もっとも、この方式は充分なCPUパワーとバス性能がなければその優位性を発揮することは難しく、また限られたVRAM上にフレームバッファを確保する仕様であって背景画面が使いにくいこともあり、1980年代末の段階で主流であったラインバッファ方式のスプライトを実装するアーケードゲーム基板からのゲーム移植、特にシューティングゲームの移植を困難なものとした。</ref>。なお、この方式はその後[[家庭用ゲーム機]]でも[[ポリゴン]]処理の応用によって、類似した形で実装され、主流になっている。
*解像度 : 256ドット×256ライン固定<ref group="注">256ラインのうち上部2ラインは画面クリアのために予約されている</ref> ([[アスペクト比]]を横長にすることも可能)
*サイズ : 16ドット×16ライン/パターン
*色 : 32768色 もしくは 32768色中16色 (カラーパレット数256個)
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**当時「実用に耐える上限は19.2KHz」と言うのが一部で非公式に流布した 
**余り話題に上らなかったが、白TOWNSからは[[サンプリング周波数]]の上限が僅かだが向上している
*PCM音源 ステレオ48kHz 1チャンネル 、16ビット[[WSS]]に相当。白TOWNS以降に発売されたモデルのみ(Martyシリーズを除く)。[[Direct Memory Access|DMA]]で再生するため専用のメモリはない。未搭載機種では、RF5C68を利用し、ソフトウェアエミュレーションで対応した<ref group="注">ただし、未搭載機種では8チャンネル全てを利用し、その上[[CPU]]にかなりの負担をかけた。また、ソフトウェアによっては、TOWNSがフリーズしてしまった。</ref>。
 
===マウス・ゲームパッド・キーボード===
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===拡張性、オプションなど===
====拡張スロット====
背面の拡張スロットは、初代では[[Small Computer System Interface|SCSI]]カード・[[モデム]]カード・ビデオカード、2代目はモデムカード・[[MIDI]]カード・ビデオカードのそれぞれ専用の3スロット構成だった。SCSIは2代目から内蔵された(フルピッチ、SCSI-1相当)。初代機及び二代目機の本体カバーの中には拡張スロット増設ボックス(I/O拡張ユニット)用のコネクタが設けられていた。このI/O拡張ユニットは本体の左側面に直接取り付けるというユニークな形状となっている。初代機及び二代目機用のI/O拡張ユニットは新旧二タイプあり、旧タイプのI/O拡張ユニット(FMT-601/602)はFMR-60用の拡張カード(ただし公式にサポートされていた富士通純正の拡張カードはMIDIカードとRS-232Cカードのみ)を3枚、新タイプのI/O拡張ユニット(FMT-611)はFMR-50LTシリーズと同じ信号<ref group="注">カードの幅は同じだが奥行きサイズが大きい。変換基板によりFMR-50LT用のカードを接続可能。</ref>の拡張カードを2枚取り付けることができる。
 
3代目からはFMT-611と同等の汎用拡張スロット2基(HR/MA/MXなどでは3基)と、ビデオカード/チュナーカード専用スロット1基という構成になった。モデム・MIDIカードは汎用スロットに接続するタイプが用意された。また、3代目以降の機種用に、本体内蔵の汎用拡張スロット経由で接続するI/O拡張ユニット(FMT-621。汎用拡張スロット×6)も用意された。
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初代から用意されたビデオカードはTOWNS最大の特徴と言われ、ビデオ入力端子(または[[S端子]])から[[動画]]の取り込みが行えた。MIDIカードは後に[[GSフォーマット|GS音源]]を搭載したものもあった。[[Local Area Network|LAN]]カードも存在した。Windowsで使用可能なグラフィックアクセラレータもある。
====コネクタ====
初代機からモニタ(D-Sub 15pin<ref group="注">1994年秋発売のモデルEA/Freshシリーズ以降はシュリンクD-Sub 15pin</ref>)、[[RS-232|RS-232C]] (D-Sub 25pin)、[[プリンター|プリンタ]]、増設フロッピィディスクのコネクタがあった。また、2代目モデルからはSCSIコネクタが標準搭載された<ref group="注">ただし、Martyシリーズにはなく、FMV-TOWNSシリーズではオプション。</ref>。Freshシリーズ、白Hシリーズでは増設フロッピィディスクコネクタが廃止されている。
====ストレージ====
*CD-ROM
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*内蔵ドライブベイ(SCSI)2代目より
==TownsOS==
TOWNSには標準の[[オペレーティングシステム]]として'''TownsOS'''が用意された(実際は[[MS-DOS]]に「毛を生やした」ようなものだが、詳細は後述する)。「32ビットシングルタスク」と称していたがその看板には一応偽りが無く、当時の他機種では386など32ビットマイクロプロセッサを積んでいても活用されていることが少なかった32ビットモードを、いわゆる[[DOSエクステンダ]]で活用するものではあった(PC-98などではユーザが各自に環境を設定するものであったためトラブルなども多かった点で、標準として用意し安定して活用できるものとした点に大きな意義があった)。TownsOSには大きく分けて初代からのV1.1、TOWNS IIから付属したV2.1の2系統のバージョンがあった。V1.1にはL10 - L30、V2.1にはL10 - L50・L51のマイナーバージョン(Lは[[レベル]])があり、毎年のように[[アップデート]]されていた<ref group="注">旧バージョンからの更新は期間限定の特別価格で可能であった。</ref>。
 
TownsOSの基本構造は、[[Read Only Memory|ROM]]化して本体に内蔵された[[MS-DOS]] 3.1本体およびCD-ROMドライバのMSCDEX.EXE、それに32ビットプロテクトモードでアプリケーションを起動させる「386|DOS-Extender」(RUN386.EXE)を組み合わせたものだった。また、[[Basic Input/Output System|BIOS]]や各種[[デバイスドライバ]]に相当する「[[TBIOS]]」により、グラフィック系機能、サウンド機能、CD-ROMアクセス/CD音再生機能、[[マウス (コンピュータ)|マウス]]/[[ジョイスティック]]などFM TOWNSのハードウェアまわりの機能が利用できた<ref group="注">32ビット実行ファイルの[[拡張子]]は.EXP。よく誤解されるが、.EXPはFM TOWNS独自のファイル形式ではない。386|DOS-Extender自体米PharLap Software社が開発したもので、元々はPC/AT互換機用である。</ref>。また、ゲームソフトの組み込み用として、TBIOS互換の「VINGBIOS」<ref group="注">[[ビング (ゲーム会社)|ビング]]が開発。TBIOSを自社のゲーム向けに最適化・高速化したもの</ref>、「AYABIOS」<ref group="注">[[データウエスト]]の仕様に基づいて富士通がTBIOSを最適化したもの</ref>などがあった。
 
なおROMで内蔵のMS-DOSにはCOMMAND.COMに相当するシェルプログラムが内蔵されているがテキスト表示はサポートされておらず、コマンドプロンプトなどを使用するにはFM TOWNS専用版のMS-DOSを購入するか、TownsOSやF-BASIC386などに付属するコンソール表示ソフト、もしくはフリーソフトを使用する必要があった。この点はTownsOS V2.1において標準でテキスト表示がサポートされたことで解消された。
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TownsMENUやアプリケーションなどの操作環境の多くはGUIだった。初期の段階では、アプリケーションごとのGUI仕様は統一されておらず開発者任せであったが、後に標準的なGUIの仕様ができ、純正のGUI[[ライブラリ]]も発売された。
===Townsシステムソフトウェア===
TownsOSと、管理ユーティリティ、アプリケーションなどからなる基本的なセットは、'''Townsシステムソフトウェア'''という形態で販売または本体に添付されていた。ほぼすべてのユーティリティやアプリケーションは統一されたGUIで構成されており、マウスを使ったわかりやすい操作を行うことが可能。日本語入力には[[OAK]]([[OASYS|オアシス]]かな漢字変換システム)という[[かな漢字変換]]が付属した<ref group="注">ただし、TownsOS V2.1L40以降の「MS-DOS V6.2を利用しての起動」を利用しない場合は、OAKの単語登録数に限界があった。これは、単語データをファイルとしてディスクに保存せず、内蔵CMOSに保存しているためである。</ref>。
 
付属しているアプリケーションは、Townsシステムソフトウェアのバージョンによって異なった。
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==機種==
*[[1989年]][[2月28日]] - FM TOWNS 1/2/1S/2S 発表<ref group="注">1S,2Sは、発売記念キャンペーンモデルで、本来は別売であるキーボード、MS-DOS3.1、TownsPAINTが添付されていた。</ref>。1989年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/16171 受賞番号:89K0771(受賞対象:FM TOWNS FM TOWNS-2 FMT-DP532、FMT-KB201、FMT-MO101)]</ref>
*1989年[[11月7日]] - FM TOWNS 1F/2F/1H/2H 1990年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/17319 受賞番号:90K0773(受賞対象:FM TOWNS FM TOWNS-2H、FMT-DP531、B276A010、FMT-KB205)]</ref>
*1989年[[11月7日]] - FM TOWNS 1F/2F/1H/2H
*[[1990年]][[10月30日]] - FM TOWNS 10F/20F/40H/80H 1991年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18642 受賞番号:91K0881(受賞対象:FM TOWNS モデル10F FMTOWNS10F)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18641 受賞番号:91K0880(受賞対象:FM TOWNS モデル20F FMTOWNS20F)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18640 受賞番号:91K0879(受賞対象:FM TOWNS モデル40H FMTOWNS40H)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/18639 受賞番号:91K0878(受賞対象:FM TOWNS モデル80H FMTOWNS80H)]</ref>
*[[1990年]][[10月30日]] - FM TOWNS 10F/20F/40H/80H
*[[1991年]][[11月5日]] - FM TOWNSII CX/UX(CRT一体型386SX TOWNS)1992年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19659 受賞番号:92K0679(受賞対象:FM TOWNSII モデルCX10 FMTW2CX10、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19660 受賞番号:92K0680(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX20 FMTW2CX20、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19661 受賞番号:92K0681(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX40 FMTW2CX40、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19662 受賞番号:92K0682(受賞対象:FM TOWNSIIモデルCX100 FMTW2CX100、FMT-KB207、FMT-DP536)]</ref><ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/19658 受賞番号:92K0678(受賞対象:FM TOWNSIIモデルUX20 FMTW2UX20、FMT-KB202A)]</ref>
*[[1991年]][[11月5日]] - FM TOWNSII CX/UX(CRT一体型386SX TOWNS)
*[[1992年]]2月 - FM TOWNSII UX40
*1992年[[11月4日]] - FM TOWNSII HR/HG/UG(486 横型TOWNS)TOWNS)1993年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/20597 受賞番号:93K0635(受賞対象:FMTOWNSIIモデルHR20 FMTW2HR20)]</ref>
*[[1993年]][[2月15日]] - FM TOWNSII UR(486 一体型TOWNS)TOWNS)1993年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/20596 受賞番号:93K0634(受賞対象:FMTOWNSIIモデルUR20 FMTW2UR20))]</ref>
*1993年[[2月16日]] - [[FM TOWNS マーティー]]
*1993年[[11月9日]] - FM TOWNSII MX/MA/ME(ハイレゾ対応/白TOWNS)
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*1994年[[11月]] - カーマーティーII
*1994年[[12月]] - FM TOWNSII HA/HB(Pentium搭載)
*[[1995年]][[2月8日]] - FM TOWNSII HC/Fresh・ES/ET 1995年度グッドデザイン賞受賞<ref>[http://www.g-mark.org/award/describe/22355 受賞番号:95K0587(受賞対象:FMTOWNSIIモデルHC FMTWHC5J2/S2))]</ref>
*1995年夏 - FM TOWNSII HC/Fresh・FS/FT(HCは価格改定)
*1995年冬 - FMV-TOWNS モデルH、Fresh・GS/GT
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*EIN(TM)プロジェクト(アインプロジェクト) - 晩年に起こった、Towns Shell用の自作EXG形式アプリケーションを独自に標準化するプロジェクト。富士通内部の有志から始まったと言われている。EIN(TM)とは[[再帰的頭字語]]による命名であり、Ein Is Not Towns Menuの略である。
*[[TEO -もうひとつの地球-]] - 仮想生物フィンフィンと対話するソフト。Windows用も発売された。
*フリーソフトウェアコレクション(フリコレ<ref>[http://mjkozou.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/103_fmtowns_fre_207a.html ボクラのカケラ .103 "FM-TOWNS フリコレ(Free Software Collection)"。]、アルマジロ・ヴギ (armadillo boogie) written by [[石切山英詔|M.J.KOZOU]]、2008年8月19日。</ref>、FSWC) - TOWNSで動作する[[フリーソフトウェア]]をまとめて実費配布した[[オムニバス]]CD-ROM。No.11まで作られ、その他フリコレMARTYとフリコレSSSがある。No.1~3は「[[フリーウェア]]コレクション」(FWC)だったがNo.4以降名称変更された<ref group="注">名称変更の理由は「フリーウェア」が商標登録されたためと言われている。</ref>。No.1は市販されず、当時富士通にユーザー登録したFM TOWNS購入者と[[週刊アスキー|EYE-COM]]の読者プレゼントで配布された。フリコレSSSは秀和システム発行の書籍「FMTOWNSフリーソフトウェア入門キット」に添付されたCD-ROM。
*High C Compiler - MetaWare社のCコンパイラに、FM TOWNS固有のAPIライブラリを組み合わせた純正開発環境。F-BASIC386などと異なり、ビジュアル開発環境ではないため、コマンドライン環境が必要(なくても標準出力のメッセージが読めないだけで、コンパイルやリンク自体はできる)。コンパイラやリンカは、MS-DOS(x86)汎用の16ビット版とRUN386必須の32ビット版の実行プログラムが同梱されている。16ビット版は、コンパイルやリンク時に、16ビットDOSのメモリ空間(富士通版は768KB)の制約を受けるため、巨大なソースのコンパイルで劇的に処理速度が低下するが、32ビット版は、プロテクトモードで動作し、搭載メモリが全て使えるために、より処理が高速である。アセンブラ、ライブラリアンは含まれていない。従って、自前のライブラリなどは作れない。当初はリンカまで含まれていなかったので、実行ファイルを作るのにも386|ASM TOOL KITを必要とし、この定価設定(8万円+4万円=合計12万円、税抜)がFM TOWNSのフリーソフトの発展を阻害したと言う者は多い。GUIキットは当初含まれていなかったが、その後標準GUIライブラリを含むオプション販売だった各種ライブラリをバンドルしマニュアルを電子化して値段を据え置いた「High C Compiler マルチメディアキット」、加えてソースレベルデバッガをバンドルした「High C Compiler マルチメディア開発キット」が発売された。後継ソフトとしてC++に対応した「High C Compiler マルチメディア開発キット V3.2」が発売されたが、定価15万円(税抜)と高価なものであった。
*386|ASM TOOL KIT - 純正のアセンブラ環境。High Cと同様に、コマンドライン環境向けのツール群。当初、High C Compilerとの併用を前提としていながら、定価8万円(税抜)と非常に高価であった。
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==注釈==
{{脚注ヘルプ}}
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==出典==
{{reflist|2}}
 
==関連項目==
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{{デフォルトソート:えふえむたうんす}}
[[Category:富士通のパーソナルコンピュータ]]
[[Category:グッドデザイン賞|*]]