「潜望鏡」の版間の差分

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'''潜望鏡'''(せんぼうきょう)は、[[鏡|反射鏡]]などを利用して[[視点]]の位置を変える[[光学機器|光学装置]]のことである。'''ペリスコープ'''(''Periscopeperiscope'' )とも呼ばれる。[[反射鏡]]ないし[[プリズム]]を2回使って[[光路]]を折り曲げる他、[[レンズ]]により[[望遠鏡]]の機能も持たせたものが一般的である。正立望遠鏡は一般に全長が長くなるのが欠点だが、潜望鏡ではむしろそれを利用でき、また機能上も正立像<ref>像が反転せず、かつ上下左右も実際の風景と一致している像(「上下反転かつ左右反転」した像は、像自体は反転していないが、上下左右の両方が逆になっている)。</ref>が必要であるので、光学系に正立望遠鏡を使ったものが多い。
[[ファイル:Handheld periscope.png|thumb|150px|left|[[軍]]用の手持ち式潜望鏡の光学設計<br/>'''1''' - 接眼レンズ <br/>'''2''' - 45°直角プリズム <br/>'''3''' - 把手<br/>'''4 - 6''' - 正立レンズ系<br/>'''5''' - 潜望鏡の管<br/>'''7''' - 視野レンズ<br/>'''8''' - レンズ<br/>'''9''' - 45°直角プリズム(頂部)<br/>'''10''' - 窓]]
[[ファイル:Simpleperiscopes.png|thumb|350px|right|'''潜望鏡の原理'''<br/>'''A''' - 二枚の平面鏡を用いる潜望鏡<br/>''' B''' - 二つの直角プリズムを用いる潜望鏡<br/>'''1 - 2''' - 平面鏡<br/>'''3 - 4''' - 直角プリズム<br/>'''5 - 6''' - 観測者の眼<br/>'''7 - 8''' - 潜望鏡の管<br/>'''H''' - 潜望鏡の光学的高さ]]
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[[ファイル:Zeiss U Boath Periscope 1943.png|thumb|right|[[カール・ツァイス|ツァイス]]製潜水艦潜望鏡の光学設計]]
[[ファイル:Attack periscope.png|thumb|right|潜水艦攻撃用単眼式潜望鏡]]
[[File:British_trench_periscope_Cape_Helles_1915.jpg|thumb|140px|left|[[塹壕]]で手持ち式潜望鏡を用いるイギリス兵([[1915年]])]]
潜航中の[[潜水艦]]が海上の様子を観察するためのものが「潜望鏡」という名の由来であるが(但し周囲確認の際には観測手は覗いたまま鏡筒の周りを一周しなければならない)、軍事分野での例としては他にも[[塹壕|塹壕戦]]で地上の様子を観察するためや、[[戦車]]などといった用例もある。潜水艦では目視による発見を避けるための難視性の他、近年は[[レーダー]]による発見を避けるための[[ステルス性]]の向上も図られる。
[[File:WW1_periscope.jpg|thumb|140px|left|潜水艦での潜望鏡とそれを覗き込む人物([[第一次世界大戦]])]]
潜航中の[[潜水艦]]が海上の様子を観察するためのものに用いられたことが「潜望鏡」という日本語呼称の由来であるが(但し周囲確認の際には観測手は覗いたまま鏡筒の周りを一周しなければならない)、軍事分野での例としては他にも[[塹壕|塹壕戦]]で地上の様子を観察するためや、[[戦車]]などといった用例もある。なお潜水艦では目視周囲確認の際よる発見を避けるは観測手は覗いまま鏡筒難視性の他、近年は[[レーダー]]による発見周り一周しなるための[[ステルス性]]の向上も図ればなれるない
 
潜水艦では目視により発見されることを避けるための難視性の他、近年は[[レーダー]]により発見されることを避けるための[[ステルス性]]の向上も図られる。
 
さらに最近は、原理・構造とも大きく異なる電子式も発達している。外部に設置したディジタルビデオカメラで撮影し、その情報を電子的に有線ないし無線で伝送して[[ディスプレイ]]に表示する、という方式である。電子技術の発達により解像度、感度が向上した。従来の光学的な潜望鏡と異なり、船殻に穴を開けて潜望鏡を設置する必要がなくなるため、非船殻貫通型として耐圧船殻の開口部を減らし、強度を増すことができる。画像処理を加えたり、[[赤外線]][[暗視装置]]とすることなども可能である。
 
原理上、自然光が頼りの光学式は、特に[[レンズ]]のコーティングにより空気-レンズ面の[[反射率]]が下げられるようになる[[第二次世界大戦]]以前は、レンズ枚数が多い上にレンズ径をむやみに大きくすることもできず、暗視性能が課題であった。電子式はそういった問題が無いのも利点である。
 
[[双眼鏡]]タイプもあり、鏡筒の角度から距離の測定にも使用される。水上艦艇などの[[レンジファインダー|光学測距儀]]の距離測定の原理と同じである。
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== 注 ==
{{commons|Periscope}}
<references/>