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'''オレステース'''({{lang-grc-short|'''Ὀρέστης''', ''Orestēs''}})は、[[ホメーロス]]の[[叙事詩]]『[[イーリアス]]』に登場する[[ギリシア]]軍の総大将[[アガメムノーン]]の息子で[[ミュケーナイ]]の王子である。[[長母音]]を省略して'''オレステス'''とも表記される。殺伐とした復讐譚『[[オレステイア]]』の主人公で、『イーリアス』をめぐる[[因果応報]]を精算する人物として描かれている。
 
子供の頃に母[[クリュタイムネーストラー]]とその情夫[[アイギストス]]によって父アガメムノーンを殺され、自身も命を狙われるが、姉[[エーレクトラー]]の手引きで脱出する。成長したオレステースは従兄弟の{{仮リンク|ピュラーデス|en|Pylades}}を伴い父の仇であるアイギストスを殺し、次いで息子に命乞いをする実母クリュタイムネストラーを手にかけた。しかしこの後、母殺しの罪によって[[エリーニュース|復讐の女神]]たちの呪いを受け狂人となってしまう。だがしかし太陽神[[アポローン]]の助けを借りたエーレクトラーによって正気を取り戻し、自分の犯した殺人の正否を問うため、[[アレオパゴス会議|アレオパゴスの丘]]で神々の裁判を受ける。神々の意見は二つに割れたが、アポローンと[[アテーナー]]がオレステースを弁護したため無罪となる。
 
神々の許しを得たオレステースは、さらなる復讐の旅に出かける。まず自分の義理の伯母であり[[トロイア戦争]]のきっかけとなった美女[[ヘレネー]]を殺した。殺害理由は、『父アガメムノーンを10年に及ぶ戦争に連れ出し、家族崩壊の原因を作った不義の女を成敗する』というものだった。さらに、幼少時の自分の恋人であったヘレネーの娘[[ヘルミオネー]]が[[アキレウス]]の息子[[ネオプトレモス]]に嫁いでいることを知ると、彼に決闘を申し込み殺した。ネオプトレモスは、トロイア戦争で[[イリオス|トロイア]]の王[[プリアモス]]を殺し、勇将[[ヘクトール]]の遺児[[アステュアナクス]]を寡婦[[アンドロマケー]]の手から奪い城壁の外に投げ捨て惨殺、アンドロマケーを戦利品(奴隷)にした人物である。そのため、ヘレネーと同様にトロイア戦争での行いの報いを、オレステースの刃によって受ける形になっている。