「メトロン星人」の版間の差分

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* 出身地:メトロン星<ref name="白書54" /><ref name="怪獣大全集23" /><ref name="BESTBOOK" /><ref name="大辞典" /><ref name="画報上65" /><ref name="読本214" /><ref name="全怪獣26" />
 
宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人。狡猾な戦略で知られ、地球侵入以前にもいくつかの星を侵略している。地球上では北川町のとある安アパートを拠点として黒スーツの人間男性に変身し、駅前の[[自販売機]]に後述のたばこを補充するなど、暗躍していた。潜入しアパートに乗り込んできたダン([[ウルトラセブン (キャラクター)|ウルトラセブン]])とは宇宙人本来の姿で対面し朗らかな口調で語りかけ、[[ちゃぶ台]]を挟んで[[胡坐|あぐら]]をかくという人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露する。
 
[[たばこ]]の中に、地球人を発狂させて周囲の者がすべて敵に見える効果を持つ赤い結晶体{{efn|ワイ星で採取できる宇宙[[ケシ]]に似ている<ref name="怪獣列伝" /><ref name="taizen" />。}}を仕込み、これを吸引した地球人同士が殺し合い(周囲の者がすべて敵に見えるらしい)うことで、最終的には地球人類が死に絶えるのを待って地球を乗っ取ろうとするたくらむが、セブンアパート乗り込んできたダンとの会話を経て追って阻止きた彼とメトロン円盤に乗り込んで飛び立つもウルトラホーク1号に撃墜され、巨大化する。個体夕陽に照らされる北川町を舞台に展開されるセブンしての戦闘能力は決して低くはないが、セブンが相手では分が悪いと見た、四肢を大きく振り上げる独特走り方で交差するもすぐに逃亡を図って飛び去るものの、最後はアイスラッガーによって空中で縦真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発する。
* 声の出演:[[中江真司]]
* スーツアクター:[[荒垣輝雄]]<ref name="BESTBOOK" /><ref name="taizen" />
* スーツは制作が間に合わなかったためことから未塗装の状態で納品され、[[池谷仙克]]が現場で塗装を行った{{Sfn|実相寺昭雄研究読本|2014|pp=54-55|loc=文 河崎実「EPISODE GUIDE『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」」}}。また、[[実相寺昭雄]]が監督を担当した本話は、たばこによって発狂させられる登場人物やそれに翻弄される周囲の描写、会話中の登場人物の表情が判別できなくなるほどの影を多用した演出が尺の大半を占めており、メトロン星人の本来の姿が終盤にしか登場しないことも、スーツの制作の遅延をカバーする形となっている
* 探検隊が宇宙ケシを持ち帰った星として言及されたワイ星は、未発表脚本の「認識票No.3」に登場する星である。
* 『[[ウルトラマンマックス]]』では、この際に一命を取り留めて生き延びていたという設定で再登場している(後述)。
 
; メトロン円盤
: 自身の陰謀を暴かれたと同時に、作戦遂行に邪魔なダンことセブンを宇宙に連れ去るため、潜伏先のアパート(押し入れがドックに通じている)からメトロン星人が発射す進させる。武器は破壊光波。玉が2つ接続されたような独特の外形をしており、ウルトラホーク1号のミサイルで攻撃された際には分断する。その後、メトロン星人とダンの乗った方が撃墜され、両者が巨大化したことにより爆発し、残る一方もウルトラホーク1号のミサイルで撃墜される。
 
=== 『ウルトラマンマックス』に登場するメトロン星人 ===
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* 出身地:メトロン星<ref name="PASmax">{{Harvnb|PASマックス|2006|p=52|loc=「第3章 怪獣大事典 メトロン星人」}}</ref><ref name="FCmax">{{Harvnb|マックス!マックス!マックス!|2006|p=32}}</ref>{{Sfn|円谷プロ全怪獣図鑑|2013|p=327}}(出現地:北川町<ref name="PASmax" />)
 
『ウルトラセブン』に登場したメトロン星人と同一人物。北川町で40年前に煙草へ薬物混入事件を起こして登場しする個体。セブンエメリウム光線戦闘受け倒されたと思われたが、北川町で楢崎ケン少年に[[円谷プロダクション]]の通称「怪獣倉庫」に連れられ彼の父親に「治療」(=(=修繕)を受け一命を取り留めており、そのいたため、セブンのアイスラッガーを受けた中央部分に傷跡の縫い目が施されている。
 
命の恩人にして現在は刑事となった楢崎と再会した際には固い抱擁を交わしたり、北川町の変化を悲しんだり、近頃の若者を「猿」とこき下ろしたり、お土産に地球のものを色々見繕ったり、巨大化した後も夕焼けに染まる北川町を眺めて「美しい眺めだ」と感慨に耽ったりと、潜伏中の40年間で相当地球に馴染んだ様子がうかがえ、地球人には愛着と哀れみの感情を持っている節があ見せる。
 
[[携帯電話]]に高出力の電磁波を流し、地球人の脳の[[前頭葉]]を萎縮させて無気力化・凶暴化させることで再度地球侵略を図っていると思われたが、実際にはメトロン星人はすでに地球人は携帯電話などの便利なツールによって自滅的退化を始め、放っておいても滅びると判断しており、前述の計画はそれを「ちょっと手助けしてやっただけ」であった。カイト(ウルトラマンマックス)を缶入り茶の{{読み仮名|'''眼兎龍茶'''|めとろんちゃ}}でもてなし、さらに[[じゃんけん]]をしたりと冗談めいたやりとりをした後、巨大化して40年前と同様に暮れなずむ北川町でマックスと対峙する。しかし、特徴的なランニングフォーム前述の走り方で突進するふりだけをして街の夕暮れを一瞥すると、「[[夕焼小焼]]」のBGMの中、迎えのメトロン円盤に乗って戦わずに帰る。拍子抜けしたマックスは、ただ手を振りながら見送る。
* 人間体・声の出演:[[寺田農]]
* デザインは[[丸山浩 (デザイナー)|丸山浩]]<ref name="FCmax" />。メトロン星人に縫い目をつけるのは、「狙われた街」と同じく監督を担当した[[実相寺昭雄]]のアイデアである<ref name = "max開米">{{Harvnb|マックス!マックス!マックス!|2006|p=74|loc=「マックス怪獣造型の秘密 開米プロダクション」}}</ref>。
* スーツの色は実相寺の要望を反映し、初代を忠実に再現している<ref name = "max開米" />。人間大の時はしゃべっている時だけ電飾を点灯させるため、手動で操作できるようになっている<ref name = "max開米" />。
* 劇中では「狙われた街」の映像が挿入され、サブタイトルにも「再登場」と明記される{{efn|『[[ウルトラマン列伝]]』で「狙われない街」が放送された際には、「登場」と明記されていた<ref name="実読238" />。}}など、『ウルトラマンマックス』の世界と『ウルトラセブン』の世界のリンクが見られた。ただし、『マックス』の世界は21世紀になって初めて怪獣が出現したという設定であり、『セブン』と同一世界ではない<ref name="実読238">{{Harvnb|実相寺昭雄研究読本|2014|pp=238-239|loc=文 中沢健「EPISODE GUIDE 『ウルトラマンマックス』第24話「狙われない街」」}}</ref>。脚本を担当した[[小林雄次]]は、自身のブログで世界観の矛盾について「これは今回限りの例外」とコメントしている<ref>[http://web.archive.org/web/20051222005600/http://blog.livedoor.jp/scenarioland/ 小林雄次の星座泥棒](2005年12月09日『ウルトラマンマックス』「狙われない街」を参照、インターネットアーカイブ2005年12月22日分キャッシュ)</ref>。
* 前述ように本話は、「狙われた街」を演出した実相寺が演出監督を担当したため、カイトとメトロン星人のちゃぶ台を挟んだ会話、夕焼けの中で対峙するメトロン星人とマックスなど、随所に「狙われた街」と合わせた演出が用いられている。また、ちゃぶ台を挟むシーンには、実相寺が監修したメトロン星人のフィギュアやアイスラッガーが置かれている。当初、実相寺は第22話「胡蝶の夢」と第37話「星座泥棒」を担当する予定であったが、実相寺の方から「狙われた街」の続編を提案して[[プロット (物語)|プロット]]を作成し、こちらを担当することとなった{{Sfn|マックス!マックス!マックス!|2006|p=65|loc=「監督!監督!監督! Review [[実相寺昭雄]] Special Commentator [[小林雄次]]」}}{{Sfn|実相寺昭雄研究読本|2014|pp=296-297|loc=「「脚本家からの手紙」[[小林雄次]]」}}。
* マックスとメトロン星人が対峙したシーンの北川町は、マックスの立っている側がビルやマンションの建ち並ぶ現代の(無機質な)都会、メトロン星人の立っている側が工場や一軒家、古いアパートの残る40年前の北川町とほぼ同じ町並みとなっており、双方が象徴しているものを対比している<ref name = "max菊地">{{Harvnb|マックス!マックス!マックス!|2006|p=63|loc=「監督!監督!監督! [[菊地雄一]]」}}</ref>。
* 脚本ではマックスとメトロン星人が巨大化した後に激闘するとなっていたが、特技監督の[[菊地雄一]]は対話した後に戦うという展開に違和感を感じ、字コンテを用意してスタッフとも打ち合わせたものの実相寺に変更を申し出て、撮影当日には戦わないとの演出に変更された<ref name = "max菊地" />。