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ホルデ首相率いる内閣は2009年1月に退陣し[[同盟 (アイスランド)|社会民主同盟]]の[[ヨハンナ・シグルザルドッティル]]首相が就任した。ヨハンナ首相はEU加盟及びユーロ導入へかなり前向きな姿勢を示した。4-5月には総選挙が予定され、ヨハンナ首相は、EU加盟を掲げ選挙に臨み、勝利すれば早期に[[国民投票]]を行い賛成を得ればすみやかに加盟申請をするとした。2009年4月に総選挙は行われ、結果、右派[[独立党 (アイスランド)|独立党]]の下野と共に社会民主同盟と[[グリーンレフト (アイスランド)|緑の党]]の左派連立政権が維持されることとなり、ヨハンナ首相の続投が決定した。しかし、連立を組む緑の党はEU加盟に反対の立場であり、野党でも独立党議会議員の定数63人中これらの政党が33議席を獲得し、ギリギリで加盟推進派が多数派となった。投開票が行われた4月25日の夜、ヨハンナ首相は「我々の時代が来た」と勝利宣言し、その上で、EU加盟交渉を出来る限り早く始める意向を改めて示した。2009年7月23日、アイスランドはEUに加盟申請をした。政府は約3年での加盟を目指すとした。アイスランドは[[欧州経済領域]](EEA)にも参加するなど元々EUとの関係は強固であり、30分野以上にも及ぶ[[アキ・コミュノテール]]も7割はその調整が完了していた。
==== 加盟交渉開始 ====
アイスランドの[[オッスル・スカルプヘイジンソン]]外相は「加盟交渉をマラソン(42.195Km)に例えるなら40Km地点にいる」と話す一方、「残りの2Kmが最も難しい」と話した。アイスランドの基幹産業である漁業界の存在が加盟への障壁になった。EUに加盟すると、漁獲量がEUによって制限される。アイスランドの豊かな漁場を他のEU加盟各国に明け渡すことにもなり、漁業界は激しく抵抗した。商業[[捕鯨]]の問題に関しては、英、独、仏など多くのEU加盟国がアイスランドに対して激しく抗議していた。さらに、こうした多くの課題を乗り越えたあと、国民投票という最大の関門が予定されていた。20世紀にデンマークから独立し、独立への思い、[[ナショナリズム]]は強く、EU加盟に抵抗感を持つ人も決して少なくない。与野党とも、世論を引きつけるため活発な活動行った。[[2010年]]7月には加盟交渉を開始。[[2011年]]8月には、EU加盟の信を問う[[国民投票]]を[[2013年]]初めに行うと、スカルプヘイジンソン外相が同国テレビのインタビューに答えた。また外相は「われわれは交渉が力強い発表と次期議会選挙前の国民投票で締めくくられることを望む」と述べた。
 
==== 加盟申請取り下げ ====
2013年4月に総選挙が実施され、EU加盟問題に関する国民投票の実施などを公約に掲げた進歩党と独立党が勝利し、両党による連立政権が誕生した。EU加盟に反対の立場を取る同政権は同年9月、加盟交渉を凍結した。2014年2月には、政府が選挙公約に従いEUへの加盟申請取り下げを決めたことに対し、首都レイキャビクで抗議デモが行われたが、政府は方針を変えなかった。結局2015年3月12日、スベインソン外相は加盟申請を取り下げると発表した。