「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の版間の差分

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自由権規約の締約国となるためには、(1)[[署名]]の上、[[批准]]を行うか、(2)[[加入]]の手続をとる必要があり、規約は署名又は加入のために開放されている。批准・加入したときは、批准書・加入書を[[国際連合事務総長|国連事務総長]]に寄託する(48条)。
 
=== 各国の状況 ===
2012年2月現在時点では、署名のみの国は74か国であり、そのうちまだ批准していないのは[[中華人民共和国]]、[[コモロ]]、[[キューバ]]、[[ナウル]]、[[パラオ]]、[[サントメ・プリンシペ]]、[[セントルシア]]の7か国である。それを除く批准国と、加入国を合わせると、締約国は167か国である<ref>Treaty Collection.</ref>。
 
 
==== 日本 ====
[[日本]]は、1978年5月30日、社会権規約及び本規約に署名し、1979年6月21日、両規約の批准書を寄託した(同年8月4日、社会権規約は同年条約第6号として、自由権規約は同年条約第7号として[[公布]]された)。それにより、同年9月21日、両規約は日本について効力を生じた<ref>宮崎 (1988: 260)。</ref>。
 
更に、第22条2項で団結権の制限が認められている「警察の構成員」には[[消防職員]]を含むとし、社会権規約についても[[留保]]及び“解釈宣言”を行っている<ref>宮崎 (1988: 261)。</ref>。
ただし、国家通報制度に係る41条の宣言はしておらず、個人通報制度を定める第1選択議定書も批准していない。これらの点については、人権団体等から「我が国の国際人権規約批准は不完全であり、完全な批准を求める」との批判もされている。
 
2014年7月には[[袴田事件]]に言及し[[自白]]を[[強要]]されて[[死刑]]判決科せられ受けが、凍結後に再審無罪判決を受けたことをケースとして[[死刑制度]]廃止の検討を求められ、また[[福島第一原発事故]]で避難指示区域の解除に問題点があるとの指摘を受け、生命を守るため必要なあらゆる措置を講じるよう求められた<ref>[[中日新聞]]2014年7月25日朝刊3面</ref>。
また、第20条第2項に規定される[[ヘイトスピーチ]]の禁止・犯罪化規定は[[日本国憲法第21条]]([[言論の自由]]・[[表現の自由]]保障)を口実に未だに果たしていない<ref>これは自由の濫用を否定した規約第5条違反でもある</ref>([[嫌韓]]思想が広がった2010年代から問題となり始めている)。
 
第19条3項は、表現の自由の権利行使に一定の制限を課す場合は法律を定めるよう義務付けている。ただし2015年1月から2月かけて[[東京地方裁判所後藤健二 (ジャーナリスト)]]さん達が[[2017年イスラム国]]に殺害された映像の公開を受けて外務省は同年2月末にあるジャフリナリストに対するカメラマンへの国外紛争地域である[[シリア]]渡航しようとしたを最初に旅券返納による渡航禁止措置によって制止した。男性はその後シリアとトルコへは渡航出来ない旅券配布されたが、報道の自由を国に侵害されたとして裁判をおこした。しかし、[[2017年]]に[[東京地方裁判所]]は報道関係者が再び狙われて生命が危険に晒される可能性が高いとして外務大臣が予防として男性に行った措置は、憲法は自他の生命や身体より報道の自由を安全よりも優先している訳ではないという理由で「適法だった」とする判決をている<ref>『[http://www.asahi.com/articles/ASK4M4S9WK4MUTIL021.html シリア渡航計画で旅券返納命令は「適法」 東京地裁判決]』、2017年4月19日。[[朝日新聞]]</ref>。
更に、第22条2項で団結権の制限が認められている「警察の構成員」には[[消防職員]]を含むとし、社会権規約についても[[留保]]及び“解釈宣言”を行っている<ref>宮崎 (1988: 261)。</ref>他、[[国家公務員]]の[[思想・良心の自由]]は民間人に比べて制限されるべきとの見解を採っており(国家公務員法第102条)<ref>この規制は[[マッカーシズム]]と[[赤狩り]]、[[逆コース]]真っ盛りの[[1947年]]に制定された</ref>、規約人権委員会から本規制を撤廃すべきだとの勧告を2008年に受けている。
 
2014年7月には[[袴田事件]]に言及し[[自白]]を[[強要]]されて[[死刑]]を科せられたケースとして[[死刑制度]]廃止の検討を求められ、また[[福島第一原発事故]]で避難指示区域の解除に問題点があるとの指摘を受け、生命を守るため必要なあらゆる措置を講じるよう求められた<ref>[[中日新聞]]2014年7月25日朝刊3面</ref>。
 
第19条3項は、表現の自由の権利行使に一定の制限を課す場合は法律を定めるよう義務付けている。ただし[[東京地方裁判所]]は[[2017年]]、あるジャーナリストに対する国外紛争地域への渡航禁止措置を、憲法は報道の自由を安全よりも優先していないという理由で「適法」とする判決をした<ref>『[http://www.asahi.com/articles/ASK4M4S9WK4MUTIL021.html シリア渡航計画で旅券返納命令は「適法」 東京地裁判決]』、2017年4月19日。[[朝日新聞]]</ref>。
 
== 脚注 ==