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残響室(ざんきょうしつ)は、音場 (sound field) の拡散、ないし、ランダムな発生を生み出すように、すなわち、短時間のうちに画一的な音響エネルギーが与えられ、ランダムな方向への音の発生が生じるように、設計された部屋。残響室は比較的大きな部屋になりがちであるが、これによって音場は広がり音波の経路は長くなり、また、露出した壁面の表面は大変硬くできている。硬い壁面によって生じる、音響インピーダンスの空気に対しての変化が大きいため、壁面に達する音響エネルギーのほとんど全てが室内に跳ね返される。室内の壁面を天井も含めて調整し平行な面を作らないようにすることで、定常波が生じないよう工夫されており、さらに、より反響を生じやす壁面を生み出すために、音響を拡散させる仕掛け (diffusers) が施されたり、さらに特定の音場が強調されることもある。
残響室は、音響に用いられるだけでなく、電気力学でも用いられ、例えば、マイクのキャリブレーション、音源の音響出力の計測、素材の吸収係数の計測などに使われる。こうした様々な技術的試験において、残響室の音場は拡散的なものであることが想定されており、通常は広帯域の音源であるホワイトノイズやピンクノイズが用いられ、可聴域の全体にわたって音響エネルギーが存在する音場が得られる。
脚注
関連項目
- 無響室 - 音響実験施設のひとつ
- エコー・チェンバー (en:Echo chamber) - もっぱら音楽も録音をおこなうための残響室
- en:Electromagnetic Reverberation Chamber - おもに電磁両立性試験を行う電磁気学的環境