「おやしお型潜水艦」の版間の差分

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== 装備 ==
装備面での最大の特徴が、[[海上自衛隊のソナー#潜水艦用|ZQQ-6]]ソナーの搭載である。これは艦首の円筒アレイ(cylindrical array: CA)と側面アレイ(frank(flank array: FA)、曳航アレイ・ソナー(TAS)および逆探ソナーによって構成される統合ソナー・システムである。側面アレイでは、船体方向に長くアレイを配置することで、円筒形アレイよりも低い[[周波数]]に対応できるようになった。これはTASと同じ発想であるが、TASではアレイの揺れなどのために探知方位が曖昧であり、適宜の変針による測定が必要であった。これに対し、本型で採用された側面アレイでは、アレイは耐圧殻に直接固定されているために曖昧さがなく、またより多彩な戦術状況で運用できた。また面[[圧電素子]]の採用によって探知能力も向上したほか、後期建造艦では側面アレイへの雑音伝播遮断が高度化され、さらに有効性が高まっている<ref name="development"/>。円筒アレイについても、はるしお型後期型と同様のラバードームが導入された<ref name="weapon"/>。
 
ただしこれにより、円筒アレイと側面アレイの間で、目標情報の整合化を図る必要が生じてきた。前者は比較的高い周波数、後者は比較的低い周波数を用いるため、それぞれの目標について、同じ目標から発される別の周波数の音なのか、あるいは異なる目標なのかを判別しなければならなくなったのである。また6本という多数の魚雷を同時誘導可能な[[海上自衛隊のC4Iシステム#潜水艦指揮管制装置/情報処理装置|潜水艦情報処理装置ZYQ-3]]の搭載に伴って、多数目標の現在方位についての的確な情報送出も求められるようになった。しかし急激に変針を繰り返す目標の取り違えを防ぎつつ、潜水艦情報処理装置に対して頻繁に方位を送出し、さらに攻撃対象以外の目標の把握や敵潜水艦への警戒を行う場合、従来システムではソナー員がオーバーロードとなる恐れが大きかった<ref name="development"/>。このことから、ZQQ-6では大幅に自動化されている。また、ZYQ-3とともに艦のコントロール系と武器系のコンソールの統一化が進められており、ZQX-1B水冷式共通コンソールが用いられている<ref name="16SS-hull"/>。発令所のレイアウトも、潜望鏡を中心として各種の機器が並んでいた従来方式から、左右舷に統一されたコンソールが置かれた配置に変更された<ref name="weapon"/>。なお、潜望鏡にはIR探知装置([[暗視装置#熱赤外 (TIR) 帯域|熱線映像装置]])も備えられている<ref name="SubHis"/>。