「4コマ漫画」の版間の差分

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その後日本経済が高度成長すると、新聞連載の4コマ漫画は、家族の日常を描いたものから、経済活動と関わりを持つ[[サラリーマン]]を主役としたものへと変遷していく(「[[フジ三太郎]]」「「[[サンワリ君]]」「[[アサッテ君]]」他)<ref>清水、2009年、p129</ref>。だが、高度成長がもたらした嗜好の拡散に対し、新聞には公序良俗や過激な表現への制約があり、表現がマンネリズムに陥ったり、キャラクターには「毒も個性もない」という状況が現出した<ref name="shimizu3">清水、2009年、pp.136 - 138,145 - 146</ref>。こうした中で、より対象を絞りやすく、表現の制約が少ない雑誌において、新たなスタイルの4コマ漫画が登場する。その代表的な漫画家が[[いしいひさいち]]や[[植田まさし]]であった<ref name="shimizu3" />。いしいの「[[がんばれ!!タブチくん!!]]」のヒットは、第三次「4コマ漫画ブーム」を起こし、雑誌や[[スポーツ新聞]]・夕刊紙への4コマ作品掲載が増加した<ref name="shimizu3" />。1980年代には4コマ漫画専門の雑誌も相次いで創刊された。
 
1990年代には、ストーリー漫画とのボーダレス化が進み、普段はストーリー漫画を執筆している漫画家が4コマ漫画の連載を持つことも多くなった。「4コマ=起承転結」という前提が崩壊したことにより、従来のオチの面白さを追求した作品よりも、不条理ネタ、雑学、作家の身辺雑記などが題材とされる作品が増えていく。さらに2000年代にかけていわゆる「萌え4コマ」誌が次々に創刊されて、[[アニメ]]・[[ゲーム]]・[[同人誌]]などの[[サブカルチャー]]との結びつきが強まり、絵柄、キャラクター、[[萌え]]など他の要素に重点を置く作品などが主流となっていった。今日では萌え4コマ専門誌のみならず、一般4コマ誌に連載を持つ新人・若手作家においてもその多くが同人誌活動またはアニメ・ゲームファン層向け雑誌からの転身により供給されている状況にあるため、実話系や動物ものを除く4コマ漫画専門誌に掲載される大半の作品が[[女子高生]]や新人[[OL]]などといった10〜20代の若い女性キャラクターが主人公である作品で占められるようになり、かつて主流であったサラリーマンを題材とした作品は傍流に押しやられた状態となっている。{{要出典|date=2013年4月}}
 
== 日本での古典的位置づけ ==