「免疫学」の版間の差分

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人は古くから、一度かかった病に二度目はかからなかったり、二度目は軽い症状で済む場合があることを経験則的に知っていた<ref name="color12" />。紀元前5世紀に記された[[トゥキディデス]]の『[[戦史 (トゥキディデス)|戦史]]』ではアテナイの疫病について「二度なし」という言葉を用いて免疫について記した<ref name="color12">鈴木隆二『カラー図解 免疫学の基本がわかる事典』西東社、2015年、12頁</ref>。
 
[[14世紀]]にはヨーロッパで[[ペスト]](黒死病)の流行が頻発し、キリスト教騎士や修道士が慈善活動にあたっていた<ref name="color12" />。慈善活動にあたっていたキリスト教騎士らの中にはペストにかかりながらも奇跡的に回復した者もいたが、彼らはその後ペスト患者と接していても二度と病にかかることがなかった<ref name="color12" />。このような現象は、神のご加護によるものと信じられ、ローマ教皇から課役や課税を免除(im-munitas)され、のちのimmunity(免疫)の語源となった<ref name="color12" />。
 
一方、[[天然痘]]でも免疫性が経験則的に知られており、西アジア、インド、中国などでは天然痘患者の膿を健康な人の皮膚に塗って免疫を得るという呪術的な方法が行われていた<ref name="color14">鈴木隆二『カラー図解 免疫学の基本がわかる事典』西東社、2015年、14頁</ref>。この現象に注目した[[エドワード・ジェンナー]]は[[1798年]]に牛痘接種による天然痘ワクチンを公式に発表し、ジェンナーは「近代免疫学の父」と呼ばれるようになった<ref name="color14" />。