「硝酸銀(I)」の版間の差分

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[[強電解質]]であり水によく溶けるが、非極性[[溶媒]]には溶けにくい。[[メタノール]]や[[アセトン]]にも少量溶解するが、[[ベンゼン]]には難溶である。水溶液はほぼ中性を示す<ref name=daijiten>『化学大辞典』 共立出版、1993年</ref>。手につくと還元されて銀の微粒子が沈着し黒色に染まりしばらく取れない。また[[酸化|酸化作用]]による腐食性を有する。
 
無色の結晶性固体で、不純物、特に有機物を含む場合、[[太陽光]]の下で[[有機物]]に触れると[[還元]]され、黒色を呈する。高純度の場合は比較的光に対して安定である。[[銀鏡反応]]の試薬として[[めっき]]に用いられることがある。また、[[塩化物]]と反応し白色の[[塩化銀(I)]] (AgCl) を生じるため、[[塩化物イオン]]の検出に利用されることもある。その他、[[殺菌剤]]・[[写真]]感光剤・分析[[試薬]]・電気通信機器用・[[魔法瓶]]用・[[医薬品]]の原料などの用途がある。光で化学反応を起こすため瓶に保存する。
 
硝酸銀(I)は液体[[アンモニア]](液安)またはアンモニア水と反応して徐々に[[雷銀]](Ag<sub>3</sub>N と AgNH<sub>2</sub> の混合物)と呼ばれる黒色の結晶を生成することがある。これは非常に敏感な化合物であり、水溶液中でも少しの摩擦・熱でも爆発する。また[[ナトリウムイオン]]の存在下でこの化合物の生成が促進されるので、これらの化合物を誤って作った場合、硝酸銀(I)と[[アンモニア]]を混合した廃液、[[銀鏡反応]]を行ったあとの廃液は食塩水([[塩化ナトリウム]]水溶液)または[[塩酸]]で分解してから処分する必要がある。