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世界的に圧倒的なシェアを誇る[[SAP (企業)|SAP]]の[[ERPパッケージ|ERP]]パッケージは、日本市場においても大企業を中心に導入されており、国内トップシェアを誇っている。
 
=== 業務アプリケーション ===
一般に、[[SAP (企業)|SAP]]社のERP製品を導入することは非常に大規模なプロジェクトとなり、時間・資金共に主に大企業向けの製品となっていた。そのためでは中小企業がオープンソースERPと呼ばれる無償のERPを導入する事例も増えてきたことを受け、SAPジャパンは業務拡大のため中小企業向けのソリューション提供も行っており、年商50億円を切る規模の企業もサポートを開始した。これに伴い、2015年時点の国内中堅・中小企業が導入したERP製品の累積の市場シェアにおいても1位を誇っている。<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/110601779/101300341/ [データは語る]国内ERP市場、2015年までの累積導入ではSAPがトップシェア―ノークリサーチ]
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====== ERP ======
2004年2月には[[SAP Core Banking]](コア・バンキング)をリリースし、国内銀行向けの勘定系システムにも参入した。<ref>[http://global.sap.com/japan/news-reader/index.epx?pressid=2660 SAPジャパン国内銀行向け勘定系システムに本格参入]
世界的に圧倒的なシェアを誇る[[SAP (企業)|SAP]]の[[ERPパッケージ|ERP]]パッケージは、日本市場においても大企業を中心に導入されており、国内トップシェアを誇っている。ERPは顧客企業の規模に応じた4段階のパッケージおよびクラウドソリューションが提供されている。
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2011201362月には[[インメモリデータベース|同社のインメモリーデータベース]]「[[SAP HANA]]」を一般向けにリリース。2013年2月にはSAP HANA(ハナ)に対応したERPを含む業務アプリケーション群「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を発表した。また、2015年2月には、SAP HANAを専用[[データベース]]として採用した第4世代ERPとして「[[SAP S/4HANA|SAP Business Suite 4 HANA(通称:SAP S/4 HANA)]]」をリリースした。<ref>[http://www.sapjp.com/blog/archives/10316 いよいよベールを脱いだ新ERP : SAP Business Suite 4 SAP HANA]
2006年には[[SOA]](サービス指向型アーキテクチャ)に対応した製品ラインとして「SAP ERP 6.0」をリリース、各業界におけるノウハウや保有するソフトウェア資産を有効活用する「エンタープライズSOA」というアーキテクチャを発表、企業の柔軟性や俊敏性、広範囲な可視性を複雑なシステム環境下で実現する「[[ビジネスプロセス]]プラットフォーム」(BPP) といった新しいコンセプトを打ち出すと共に、従来のビジネスアプリケーションに加えてBPPを実現するプラットフォームとして[[SAP NetWeaver]](ネットウィーバー)をリリースするなど、エンタープライズ・ソフトウェア業界の覇者として活発な動きを見せている。<ref>[http://www.atmarkit.co.jp/news/200305/31/sap.html 開発者が語る次世代統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」の全貌]
</ref><ref name=":0">[http://go.sap.com/japan/about.html#aboutsapjapan SAPジャパン - 会社概要、沿革、所在地]</ref>
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一般に、[[SAP (企業)|SAP]]社のERP製品を導入することは非常に大規模なプロジェクトとなり、時間・資金共に主に大企業向けの製品となっていた。そのためでは中小企業がオープンソースERPと呼ばれる無償のERPを導入する事例も増えてきたことを受け、SAPジャパンは業務拡大のため中小企業向けのソリューション提供も行っており、年商50億円を切る規模の企業もサポートを開始した。これに伴い、2015年時点の国内中堅・中小企業が導入したERP製品の累積の市場シェアにおいても1位を誇っている。<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/110601779/101300341/ [データは語る]国内ERP市場、2015年までの累積導入ではSAPがトップシェア―ノークリサーチ]
2008年に[[ビジネスインテリジェンス|ビジネスインテリジェンス(BI)]]業界最大手の仏ビジネスオブジェクツ社を独[[SAP (企業)|SAP]]が約8,000億円(当時の時価)で買収<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/08/news006.html SAP、Business Objectsを友好的買収へ]</ref>、2009年1月に完全併合。BI、[[Extract/Transform/Load|ETL]]などの情報統合・情報活用分野でも大手の一角に躍り出た。これに伴いSAPジャパンは同社製品を核に、その他の買収製品や自社開発製品をスイート化、SAP Business ObjectsとしてBI,EIMのほか、[[ビジネス業績管理|EPM]](経営管理、連結、予算管理)やGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス管理)、サステイナビリティー管理などへと[[ポートフォリオ]]を広げている。2016年10月に公表された中堅・中小企業における導入済みBIの市場調査ではSAPジャパンが首位となった。<ref>[http://japan.zdnet.com/article/35090546/ 中堅中小企業で導入のBIツール、SAPがトップ--Excelと同じ操作感が重要]
</ref> 2017年4月には中堅中小企業向けの営業部門の体制を刷新し、販売拡大を強化している。<ref>[https://japan.zdnet.com/article/35099362/ SAPジャパンの中堅中小企業向け新戦略は奏効するか]</ref>
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====== SaaS ======
また、近年では[[オンプレミス]]製品依存からの脱却と[[クラウドコンピューティング|クラウドサービス]]の展開を図っており、2014年4月には国内2ヶ所に[[データセンター]]を開設した。<ref name=":0" /> 独SAPが買収したSaaS型クラウドサービスである人事管理の「[[SAP SuccessFactors]]」(サクセスファクター)、調達ソリューションの「[[SAP Ariba]]」(アリバ)、経費精算の「[[コンカー・テクノロジーズ|Concur]]」(コンカー)、労務管理の「[[SAP Fieldglass]]」(フィールドグラス)などの日本市場での展開も行っている。<ref>[http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1210/30/news133.html SAPに買収されたのはチャンス~クラウドHCMのSuccessFactors]</ref><ref>[http://www.sapjp.com/blog/archives/6470 クラウドソリューションAribaで実現できること]
</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/000/936/936356/ SaaSベンダー第2位のコンカーを買収!クラウドに傾注するSAP]
</ref><ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/481542/092400026/ SAPのCEO、83億ドルで買収したConcurの価値を語る]
</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/001/139/1139267/ 「調達のデジタル化」は何をもたらすか、SAP Ariba社長に聞く]</ref> 更に、2017年3月からはスポーツ・エンターテインメント業界向けクラウドソリューション「[[SAP Sports One]]」(スポーツ・ワン)、コネクテッドカー向け分析クラウドソリューション「[[SAP Vehicle Insights]]」(ヴィエクル・インサイツ)も国内データセンターから提供開始した。<ref name=":4">[http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1705/31/news006.html 稼働率99.9%のPaaS, SAP Cloud Platform:アプリ開発に何が必要かを もっとも理解しているのがSAP]</ref>
 
====== CRM/EPM/GRC ======
CRM分野においても2014年の日本市場においては、世界市場で先行するセールスフォース・ドットコムを押さえ、SAPジャパンが首位となっている。<ref name=":1">[http://news.mynavi.jp/news/2014/12/25/020/ IDC、SAPや富士通など国内主要EAソフトベンダーの競争力を分析]
</ref> また、大企業向けに限らず、2014年年商100億円以上300億円未満の中堅・中小企業向け市場においては日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics CRM」に並び「[[SAP CRM]]」がトップシェアを獲得している。<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/110601779/110600386/ [データは語る]国内CRM市場、年商100億円以上300億円未満の企業向けではMSとSAPが19.2%でトップ―ノークリサーチ]
</ref>
</ref> ERM/製造管理アプリケーション分野においてもSAPジャパンが2位の富士通を押さえて首位となっている。<ref name=":1" />
 
その他にも[[ビジネス業績管理|EPM]](経営管理、連結、予算管理)やGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス管理)、サステイナビリティ管理など、[[ポートフォリオ]]を広げている。ERM/製造管理アプリケーション分野においてもSAPジャパンが2位の富士通を押さえて首位となっている。<ref name=":1" />
2011年6月には[[インメモリデータベース|インメモリーデータベース]]「[[SAP HANA]]」を一般向けにリリース。2013年2月にはSAP HANAに対応したERPを含む業務アプリケーション群「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を発表した。また、2015年2月には、SAP HANAを専用[[データベース]]として採用した次世代ERPとして「[[SAP S/4HANA|SAP Business Suite 4 HANA(通称:SAP S/4 HANA)]]」をリリースした。<ref>[http://www.sapjp.com/blog/archives/10316 いよいよベールを脱いだ新ERP : SAP Business Suite 4 SAP HANA]
 
</ref><ref name=":0">[http://go.sap.com/japan/about.html#aboutsapjapan SAPジャパン - 会社概要、沿革、所在地]</ref> 加えて2016年8月にはSAP製のデータウェアハウス「SAP Business Warehouse」の後継製品である「[[SAP BW/4HANA]]」のリリースを発表した。<ref>[http://japan.zdnet.com/article/35088347/ SAP、次世代データウェアハウス「SAP BW/4HANA」を発表]
====== 金融ソリューション ======
2004年2月には[[SAP Core Banking]](コア・バンキング)をリリースし、国内銀行向けの勘定系システムにも参入した。<ref>[http://global.sap.com/japan/news-reader/index.epx?pressid=2660 SAPジャパン国内銀行向け勘定系システムに本格参入]
</ref> その他金融機関向けに「[[SAP Omnichannel Banking]]」(オムニチャネル・バンキング)、保険業界向けの「[[SAP for Insurance]]」(エイエイピー・フォー・インシュランス)なども提供している。
 
=== ミドルウェア/プラットフォーム ===
 
====== アプリケーションサーバー/SOA ======
2006年には[[SOA]](サービス指向型アーキテクチャ)に対応した製品ラインとして「SAP ERP 6.0」をリリース、各業界におけるノウハウや保有するソフトウェア資産を有効活用する「エンタープライズSOA」というアーキテクチャを発表、企業の柔軟性や俊敏性、広範囲な可視性を複雑なシステム環境下で実現する「[[ビジネスプロセス]]プラットフォーム」(BPP) といった新しいコンセプトを打ち出すと共に、従来のビジネスアプリケーションに加えてBPPを実現するプラットフォームとして[[SAP NetWeaver]](ネットウィーバー)をリリースするなど、エンタープライズ・ソフトウェア業界の覇者として活発な動きを見せている。<ref>[http://www.atmarkit.co.jp/news/200305/31/sap.html 開発者が語る次世代統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」の全貌]
</ref>
 
==== データベース/アナリティクス ====
また、近年では[[オンプレミス]]製品依存からの脱却と[[クラウドコンピューティング|クラウドサービス]]の展開を図っており、2014年4月には国内2ヶ所に[[データセンター]]を開設した。<ref name=":0" /> 独SAPが買収したクラウドサービスである人事管理の「[[SAP SuccessFactors]]」(サクセスファクター)、調達ソリューションの「[[SAP Ariba]]」(アリバ)、経費精算の「[[コンカー・テクノロジーズ|Concur]]」(コンカー)、労務管理の「[[SAP Fieldglass]]」(フィールドグラス)などの日本市場での展開も行っている。<ref>[http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1210/30/news133.html SAPに買収されたのはチャンス~クラウドHCMのSuccessFactors]</ref><ref>[http://www.sapjp.com/blog/archives/6470 クラウドソリューションAribaで実現できること]
2008年に[[ビジネスインテリジェンス|ビジネスインテリジェンス(BI)]]業界最大手の仏ビジネスオブジェクツ社を独[[SAP (企業)|SAP]]が約8,000億円(当時の時価)で買収<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/08/news006.html SAP、Business Objectsを友好的買収へ]</ref>、2009年1月に完全併合。BI、[[Extract/Transform/Load|ETL]]などの情報統合・情報活用分野でも大手の一角に躍り出た。これに伴いSAPジャパンは同社製品を核に、その他の買収製品や自社開発製品をスイート化、「[[SAP Business ObjectsBusinessObjects]]」としてBI,EIMEnterprise Information Management(EIM)のほか、[[ビジネス業績管理|EPM]](経営管理、連結、予算管理)やGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス管理)、サステイナビリティー管理などへと[[ポートフォリオ]]を広げている。2016年10月に公表された中堅・中小企業における導入済みBIの市場調査ではSAPジャパンが首位となった。<ref>[http://japan.zdnet.com/article/35090546/ 中堅中小企業で導入のBIツール、SAPがトップ--Excelと同じ操作感が重要]
</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/000/936/936356/ SaaSベンダー第2位のコンカーを買収!クラウドに傾注するSAP]
</ref>
</ref><ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/481542/092400026/ SAPのCEO、83億ドルで買収したConcurの価値を語る]
 
</ref><ref>[http://ascii.jp/elem/000/001/139/1139267/ 「調達のデジタル化」は何をもたらすか、SAP Ariba社長に聞く]</ref>
</ref><ref name=":0">2011年6月には[http://go.sap.com/japan/about.html#aboutsapjapan SAPジャパ[イ - 会社概要、沿革、所在地メモリデータベース|インメモリーデータベース]</ref>]「[[SAP 加えてHANA]]」を一般向けにリリース。2016年8月にはSAP製のデータウェアハウス「SAP Business Warehouse」の後継製品である「[[SAP BW/4HANA]]」のリリースを発表した。<ref>[http://japan.zdnet.com/article/35088347/ SAP、次世代データウェアハウス「SAP BW/4HANA」を発表]
</ref> 加えて、クラウド領域においても、計画、予測、BIなどのアナリティクス機能を1つにまとめたSaaS型ビジネスインテリジェンス「[[SAP BusinessObjects Cloud]]」(ビジネスオブジェクツ・クラウド)を提供している。<ref name=":4" />
 
====== PaaS ======
SAPジャパンは国内のデータセンターから稼働率99.9%のアプリケーション開発プラットフォームであるPaaSの「[[SAP Cloud Platform]]」(クラウド・プラットフォーム)を提供している。<ref name=":4" />
 
====== IoT ======
2017年1月からは[[モノのインターネット|IoT]]関連サービスポートフォリオ「[[SAP Leonardo]]」(レオナルド)の提供を開始し、企業のIoT導入を支援するソフトウェア群とコンサルティングサービスを提供している。<ref name=":2">[http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1702/08/news029.html IoT導入を支援するコンサルティングサービスを発表]</ref><ref name=":3">[https://japan.zdnet.com/article/35095386/ IoTのアイデアをすぐに具現化--SAPがIoT製品群の短期導入プログラム]</ref> 2017年7月には[[小松製作所|コマツ]]、[[NTTドコモ]]、[[オプティム]]の3社と組み、建設業務に関係するあらゆるモノをつなぐ、IoT基盤プラットフォーム「[[LANDLOG]]」(ランドログ)の提供開始を発表するなど、IoT分野への取り組みも強化している
 
== 歴史 ==