「コンパクトディスク」の版間の差分

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== 概要 ==
コンパクトディスクの外見は直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状で[[プラスチック]]で作られている。プラスチックの材質は一般的なものは[[ポリカーボネート]]で、ほかに[[APO]]([[アモルファス|非晶質]][[ポリオレフィン]])や[[ガラス]]を使用したものもある。読み取りには780nmの[[半導体レーザー|赤外線レーザー]]が用いられ、照射したレーザー光の反射を読み取る。レーザー光を反射させるためコンパクトディスクは、鏡のような役割を持ちレーザー光を反射する厚さ約80nmの[[アルミニウム]]蒸着膜と厚さ約10μmの保護層、レーベルなどの印字膜の複数の層を重ねた構造になっている。
 
読み取りには780nmの[[半導体レーザー|赤外線レーザー]]が用いられ、照射したレーザー光の反射を読み取る。レーザー光を反射させるためコンパクトディスクは、鏡のような役割を持ち、レーザー光を反射する厚さ約80nmの[[アルミニウム]]蒸着膜と厚さ約10μmの保護層、レーベルなどの印字膜の複数の層を重ねた構造になっている。

ディスクには細かいくぼみが彫られており、このパターンによってデジタル情報を表現している。このくぼみ(読み取り面から見れば出っ張りになる)をピットといい、ピットのない部分をランドという。ランドの部分に当ったレーザー光は反射してそのまま戻ってくるが、ピットがある部分に当ったレーザー光はランドからの反射波と1/2波長の[[位相]]差をもつため[[干渉 (物理学)|干渉]]して打ち消しあい暗くなる。

この明暗により[[デジタル信号]]を読み取り、これをアナログ信号に戻して音声として出力する。ピットの幅は0.5μmで長さは0.83μmから0.3μm単位で3.56μmまで9種類、ピットから次のピットまでの距離も同じ9種類である。またピットの列をトラックというがこのトラックは1.6μm間隔で、内側から外側に向かって渦巻状に並んでいる。

CDの[[スペクトル|虹色]]のような光沢は、この規則正しく並んだトラックで[[回折]]した光が[[干渉 (物理学)|干渉]]することによる[[構造色]]である。
 
データをピット列として記録するには[[EFM]] ({{en|eight-to-fourteen modulation}}) という変調方式が用いられる。また[[誤り訂正]]は{{仮リンク|CIRC|en|Cross-interleaved Reed–Solomon coding}} ({{en|cross-interleaved reed-solomon code}}) による。短いバーストエラーからの誤り訂正を行う符号として「[[リード・ソロモン符号]]」を提案したのは、フィリップスのCD開発チーム責任者である。
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<!--[[ファイル:CompactDiscDraw1.png|thumb|300px|説明図]]-->
 
音楽用途の場合、規格上デジタルの[[PCM]]形式で最大79分58秒、99[[トラック (記録媒体)|トラック]]の[[音楽]]が記録でき、また1トラック中には99インデックス(位置決め標識)を設けることができる([[2000年]]頃までのプレーヤーは、インデックスサーチできるものが多数存在した)
 
([[2000年]]頃までのプレーヤーは、インデックスサーチできるものが多数存在した。)
現在でもインデックスが記録されているディスクは多数存在する(特にクラシック)がインデックスサーチが出来る[[CDプレーヤー]]が殆ど無くなってしまったので、インデックスが記録されたディスクを持っているユーザーは、不便を感じているようである。
 
インデックスサーチが出来るプレーヤーが殆ど無くなってしまったので、インデックスが記録されたディスクを持っているユーザーは、不便を感じているようである。
記録層にアルミニウムのかわりに[[金]]を使用したものもあり、「[[GOLD CD|ゴールドディスク]]」と呼ばれる。
 
近年は[[ダウネット]]による[[音楽配信]]や[[ストリーミング]]配信が増えてきている事もあり、次世代メディアへの置き換えは進んでいない。[[Super Audio CD|SACD]]や[[DVDオーディオ]]が登場した現在<!-- See [[WP:DATED]] -->でも音楽供給媒体としては依然としてCDが主流である。
 
== 主な構造 ==