「キープ (インカ)」の版間の差分

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キープは単なる記号以上の複雑な体系を持ち、言語情報を含んでいることが近年の研究によって明らかにされている。王や役人は人民の統治に必要な情報などをキープに記録し、その作製および解読を行うキープカマヨック(キープ保持者)と呼ばれた役人がいた。キープカマヨックはインカ帝国統治下の各地におり、人口、農産物、家畜、武器など資源についての統計や、裁判の判例なども記録した。キープそのものは計算の道具ではないため、[[w:Yupana|Yupana]]と呼ばれる[[アバカス]]の一種で計算した結果を記録する場合もある。インカ帝国にはキープを教える専門の学校が存在し、交叉型の分類、集計の混じった情報を扱うこともでき、数学的思考を可能とした。
 
作製されたキープは、{{仮リンク|シャスキ([[:en:Chasqui|en]])|Chasqui}}と呼ばれる[[飛脚]]たちによって運ばれた。往時の史料によれば、シャスキは一日280km ほどもリレーした。時速17km である。シャスキは18-25歳の男子から選ばれた。選ばれると、年三ヶ月の鉱山労働を一ヶ月に減免された。中継駅の維持は地元村の義務であった。シャスキ網は王のいる[[クスコ]]が中心であった。シャスキは王の食べる生鮮食品も運搬した。インカを征服したスペイン人もシャスキを使役したが、うまくゆかなかったという。
 
== 結縄 ==