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[[丸太]]を数本、平行に並べてつないだものが最も典型的な、いかだのイメージである。木材そのものの[[浮力]]に頼った構造であるため、積載運搬能力や耐波性は低いが、いかだは元来、簡易な形式の[[船|舟]]として用いられるのみならず、そもそもいかだの部材としての木材を河川において運搬するための手段としても用いられたものである。例として、[[墨俣城]]([[一夜城]])の築城説話がある。史実かは別として、即席で要所を築くために木材をいかだとして川に流す物語が知られている。
 
ある程度の流量のある[[川]]沿いであれば[[林道]]などが未整備な箇所においても木材の運搬ができたため、[[日本]]でも地域によっては[[昭和30年代]]まで用いられた。しかし、流域で貯木していた木材が洪水時等に下流へ被害を及ぼしたり、[[水力発電]]や[[治水]]などを目的とする[[ダム]]の建設や林道等の整備が進んだりすることにより木材運搬の手段としては使われなくなった。やがて、[[船舶工学]]の発展にともない、舟としてのいかだも先進国では実用に供されることはほとんどなくなった。
 
大河川や海洋では、[[ソビエト連邦]]の手で大規模な海洋筏の研究が行われていた。[[1951年]]には、[[沿海州]]の[[アムール河]]河口付近から[[北海道]]などに向けて海洋筏により[[北洋材]]の運搬が行われた。ソビエト連邦側の港には、編筏機が設置されていた<ref>上野金太郎編『北洋材十年史』1970年 全国北洋材協同組合連合会 p.34 記録編</ref>。運搬中の流出や損耗もあり、やがて船舶による運搬に転換された。
しかし、流域で貯木していた木材が洪水時等に下流へ被害を及ぼしたり、[[水力発電]]や[[治水]]などを目的とする[[ダム]]の建設や林道等の整備が進んだりすることにより木材運搬の手段としては使われなくなった。やがて、[[船舶工学]]の発展にともない、舟としてのいかだも先進国では実用に供されることはほとんどなくなった。
 
===一時的な定住目的===