「コホート研究」の版間の差分

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薬剤疫学・産業疫学などで、過去の曝露状況が記録として残っている場合には(診療記録、職業コホートなど)、過去にさかのぼって、コホート研究の情報を得ることができる。時間的な順序は逆転するが、この情報を使って、通常のコホート研究と同じように曝露状況と疾病の発生の関連を調べる研究方法を'''後ろ向きコホート研究'''(historical cohort study)という。
 
観察の対象となる集団は必ずしも人間ではなく、例えばある物質を与えたマウスと与えないマウスの間で[[悪性腫瘍|癌]]の発生率を調べるような研究もコホート研究と呼ばれうるが、条件を統制したものであることが通常で、ランダム割付比較対照試験(RCT)である。
 
==代表的なコホート研究==
日本疫学会は
以下に代表的なコホート研究をあげる.
# 疫学会会員が研究代表者か準ずる役割を果たしていること
# 1万人以上についてベースライン調査を終了していること
# 5年以上の追跡を終了していること
を大規模コホート研究としている。
 
以下に代表的な大規模コホート研究をあげる.
 
===原爆被爆者における健康影響調査===
原爆被爆者寿命調査、成人健康調査など<ref>第19期日本学術会議 予防医学研究連絡委員会報告 衛生学・公衆衛生学の将来展望 「がんの予防」秋葉 澄伯(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)</ref>
。原爆放射線被曝による影響を示す世界で唯一のコホート研究である。
 
=== 久山町研究 ===
=== 国立がんセンター多目的コホート調査・文部科学省コホート調査 ===
5保健所管内15区市町村の住民(6万から8万人)を対象に死亡、罹患を追跡をしている。数多くの研究結果を発表している。
 
=== '''''文部科学省コホート調査(JACCスタディ)''''' ===
大学研究者により全国各地で11万人を追跡するコホート研究である。死亡、罹患を追跡しているが、主に死亡個票をもとにしている。
 
=== 宮城県コホート ===
 
=== 大崎国民健康保険コホート ===
 
=== 3府県コホート研究 愛知 ===
 
=== 3府県コホート研究 宮城 ===
 
=== 3府県コホート研究 大阪 ===
 
=== 高山コホート研究 ===
 
=== Circulatory Risk in Communities Study: CIRCS ===
 
=== NIPPON DATA ===
 
=== 茨城県健康研究Ibaraki Prefectural Health Study: IPHS ===
 
=== 群馬「こも伊勢」追跡研究 ===
 
=== 日本多施設共同コーホート研究(ジェイミック スタディ) ===
 
=== 大規模コホート以外の研究 ===
 
=== 久山町研究 ===
正式名称は「喫煙や食習慣などの生活習慣とがん死亡などの関連を検討するための大規模計画調査」で、通常「久山町研究」と呼ばれる。福岡市に隣接した糟屋郡久山町(人口約8,400人)の住民を対象に脳卒中、心血管疾患などの疫学調査を九州大学が1961年から実施しているもの。世界的に高く評価された精度の高い研究である。開始したのは九州大学教授[[勝木司馬之助]]である。追跡率は99%以上であり,全町民の詳細で長期間な研究は,世界でも例を見ないコホート研究である。
{{See also|勝木司馬之助}}
 
*=== 放射線作業者のがん死亡追跡調査 ===
===国立がんセンター多目的コホート調査・文部科学省コホート調査===
 
*放射線作業者のがん死亡追跡調査
*=== 低周波電磁界と小児がんリスクの関連に関する調査 ===
 
*=== 高周波電磁界と脳腫瘍の関連に関する国際調査 ===
低レベルの職業・環境曝露に伴うリスク評価の一環として国の援助の基に研究<ref>第19期日本学術会議 予防医学研究連絡委員会報告 衛生学・公衆衛生学の将来展望 「がんの予防」秋葉 澄伯(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)</ref>
 
===フラミンガム研究===
=== 海外のコホート研究 ===
 
=== フラミンガム研究 ===
米国NHIが米国北部のマサシューセッツ州フラミンガム町(住民28000人)で行っているコホート研究.1961年から開始している.<ref> 嶋 康晃 世界の心臓を救った町―フラミンガム研究の55年 ライフサイエンス出版 2011</ref>