「オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグ」の版間の差分

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ドイツでは昔から、牧羊と牧牛が出来る優秀な作業犬が存在していた。これが本種で、かつては能力重視のブリーディングが行われていたため、姿かたちには地域によって若干バリエーションがあった。外見の固定はどうあれ、優秀な能力を持っていたというのは折り紙つきであり、1800年代ごろには[[オランダ]]に取り寄せられて[[コースヘアード・ダッチ・シェパード]]の誕生に関わった。作出は大成功を収め、この後[[ダッチ・シェパード]]の[[ショートヘアード・ダッチ・シェパード|短毛種]]と[[ロングヘアード・ダッチ・シェパード|長毛種]]を作出するのにも借り出された。尚、作出の際はコースヘア種がワイアーヘア、短毛種がショートヘア、長毛種にはロングヘアの本種がそれぞれ使われた。牧羊犬・牧牛犬としてだけでなく、農家の番犬や、雑務を手伝うためレトリーバーとして働くこともあった。
 
1880年代後半になると、マックス・フォン・シュテファニッツという人物がドイツで優秀な[[軍用犬]]を作出することを計画し、各地の作業犬種の調査を行なった。この調査によって軍用犬としてより適していたオールド・ジャーマン・シェパード・ドッグが選択され、その計画を実行するための[[種犬]]・[[台雌]]として使用された。それによって[[繁殖]]と改良を加えて1899年に完成された犬種が'''ジャーマン・シェパード・ドッグ'''である。新生シェパードの誕生後、本種は犬種名に'''「原種の」'''といった旨を表す'''「オールド」'''という[[単語]]が冠せられ、現在の犬種名で呼ばれるようになった。この2犬種の区分ははじめ、ジャーマン・シェパードは軍用犬、オールド・ジャーマン・シェパードが能力重視で繁殖されてきた、ジャーマン・シェパードの'''枠'''(種としての犬種基準)'''に当てはまらない'''牧羊・牛犬種であることであると指定された。しかし、この「枠に当てはまらない」という大まかな区分が'''「規格外の犬」'''というようにも読み取れてしまい、本種の愛好家から厳しく非難された。そこで、現在両種の区分はジャーマン・シェパードが軍用犬(ここは変わっていない)、オールド・ジャーマン・シェパードが'''オリジナルの牧畜犬種'''という区分のみなし方をするように変更された。
 
1900年代頃は両種が共に同じ数ずつ存在していたが、2度の世界大戦や世界の動乱が起こったことを機に、両種の運命は大きく分かれてしまった。ジャーマン・シェパードは世界一優秀な軍用犬として世界的に人気を博し、原産国や[[ヨーロッパ]]だけでなく、日本をはじめとする[[アジア州]]にまで[[輸出]]された。又、繁殖が推薦され、多くの犬種が[[絶滅]]してゆく中でも全く難なく生き残ることが出来た。しかし、オールド・ジャーマン・シェパードは[[子孫]]とは対照的に、[[戦争]]の戦禍により[[牧畜]]が縮小(事実的にはほぼ中断)され、更に1頭の犬を飼うだけでも大変な負担となり、繁殖もかなり制限されて絶滅寸前になってしまった。
 
戦後には戦中[[ナチ党]](ナチス党)と強い結ひつきを持っていたジャーマン・シェパードが世界的に嫌われるようになってしまい、ドイツに支配されていた国々ではジャーマン・シェパードの[[虐殺]]が相次いだ。オールド・ジャーマン・シェパードも同一視され、危うく虐殺の被害にあってしまいそうになったこともあった。しかし、愛好家は'''本種はもとより作業犬種であり、軍用犬として使役されたことが一度も無い'''と主張し、辺地などに隠したりなどして迅速な対応を行ったため、暴動が収まるまで本種は1頭の犠牲も出さずにすんだ。その後数十年の時が流れると世界的なジャーマン・シェパード排除運動は沈静化し、幾つかの国を除いて再び軍用犬や[[警察犬]]などとして飼育が行なわれるようになった。すると、本種も罪の無い偏見を受けることがなくなり、再び公の場で牧畜犬として働くことが出来るようになった。
 
とはいえ、現在でもオールド・ジャーマン・シェパードは希少化が進み、絶滅の危機にあることに変わりは無い。原産地ドイツでも、最も絶滅の危険性が高い犬種の一つとして指定されていて、保護・繁殖が推進されている。大半がドイツでのみ飼育されていて、他の国では見かけることは出来ない。FCIには公認登録されていない。