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1、2か月かけて卵から[[孵化]]した[[幼生]]は川底で蠢き、[[濾過摂食|濾過摂食者]]の[[水生昆虫]]が取り込む。幼生は身体の先端に付いた[[鋸|ノコギリ]]で[[腸管]]の中を進み、腹の中で「[[シスト]]」の状態になる。「シスト」は自分で[[殻]]を作って[[休眠]]した状態であり、-30℃の[[冷凍]]下でも死なない<ref name="kawabata2" />。
 
[[水生昆虫]]のうち、[[カゲロウ]]や[[ユスリカ]]や[[トビケラ]]などの昆虫が[[羽化]]して陸に飛び、[[カマキリ]]や[[カマドウマ]]などの陸上生物に[[捕食]]されると寄生し、2 - 3か月の間に腹の中で成長する<ref name="kawabata2" />。まれに何らかの要因でシストもしくは幼生のまま水辺近くの草の[[露]]に排出され、それを草ごと摂取したバッタやコオロギなどの草食性昆虫に偶発的に寄生することもある。また、寄生された昆虫は[[生殖機能]]を失う。成虫になったハリガネムシは[[宿主]]の[[脳]]にある種の[[タンパク質]]を注入し、宿主を操作して水に飛び込ませ、宿主の[[尻]]から脱出する<ref name="kawabata3">{{Cite news |title=「研究室に行ってみた。神戸大学 群集生態学 佐藤拓哉」第3回 寄生虫ハリガネムシはどうやって宿主の心を操るのか|newspaper=Webナショジオ |date=2014-11-06|author=川端裕人|url=http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141031/422534/|accessdate=2015-03-26|agency=ナショナルジオグラフィック 日本語版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|language=日本語}}</ref>。[[池]]や[[沼]]、流れの緩やかな[[川]]などの水中で自由生活し、[[交尾]]・[[産卵]]を行う。
 
寄生生物より外に出る前に宿主が[[魚類|魚]]や[[カエル]]などの捕食者に食べられた場合、捕食者のお腹の中で死んでしまう<ref name="kawabata6">{{Cite news |title=「研究室に行ってみた。神戸大学 群集生態学 佐藤拓哉」第6回 ハリガネムシがつむぐ「森と川のフルコース」|newspaper=Webナショジオ |date=2014-11-11|author=川端裕人|url= http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141106/423234/|accessdate=2015-03-26|agency=ナショナルジオグラフィック 日本語版|publisher=日経ナショナルジオグラフィック社|language=日本語}}</ref>が、捕食者の外に出ることができるケースもある<ref name="kawabata4" />。