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Adamari (会話 | 投稿記録)
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Speal (会話 | 投稿記録)
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※「もの」というのは、「者」や「物」に当たらない抽象的なものを指す場合に用いられる。
 
一方、以上の法律の趣旨について[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]は、[[日本国憲法]]22条が保障している[[職業選択の自由]]との関係で、禁止の対象となる行為を次のとおり限定的に解釈している。すなわち、HS式無熱高周波療法を業として行った者を被告人とする刑事事件において、医業類似行為を業とした者が処罰されるのは、これらの業務行為が人の健康に害を及ぼすおそれがあるからであり、法律が医業類似行為を業とすることを禁止するのも、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないと判断した<ref>{{cite court |litigants=あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反|reporter=刑集14巻1号33頁|court=最高裁判所大法廷|date=昭和35年01月27日|url=http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51354&hanreiKbn=02 }}</ref>。つまり、有罪判決を出すためには、問題となる医業類似行為が人の健康に害を及ぼすおそれがあることを認定しなければならない。
 
{{Quote|ところで、'''医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからである。それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならない'''のであつて、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律一二条、一四条は憲法二二条に反するものではない。<br/>
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|最高裁判所判例 昭和35年1月27日 昭和29(あ)2990 }}
 
この最高裁判決を受けて審理のために差し戻された仙台高等裁判所は、HS式無熱高周波療法は人の健康に害を及ぼすおそれのあるものと認定して有罪判決を出したため、被告人側から再度上告されたが、上告は棄却され有罪判決が確定した<ref name=":0">{{cite court |litigants=あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反 |reporter=刑集18巻4号144頁 |court=最高裁判所第一小法廷 |date=  昭和39年05月07日 |url=http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57011&hanreiKbn=02 |quote=棄却}}</ref>。
 
この判例に対しては、人の健康に害を及ぼすおそれがあるか否かは一概に判断できない場合が多く、法は抽象的に有害である可能性があるものを一律に禁止しているのであり、健康に害を及ぼすおそれがあることを認定する必要はなく、そのように理解しても憲法22条に違反しないという批判も強い。また、この判決が出た当時は[[憲法訴訟]]論が本格的に論じられておらず、[[違憲審査基準]]につき不十分な議論しかされていなかった当時のものであるとして、先例としての価値がどれだけあるか疑問であるとの指摘もされている(無登録で医薬品を販売していたとして旧薬事法違反で起訴された事案につき、最大判昭和40年7月14日刑集19巻5号554頁を参照)。
 
薬事法の刑事裁判では人体に対し有益無害なものであるとしても、これらが通常人の理解において「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」と認められる場合は医薬品であり、無許可で販売した場合に禁止処罰をするのは憲法22条に違反しないと判示している。<ref>{{cite court |litigants=薬事法違反 |vol= |reporter=刑集第36巻8号787頁 |opinion= |pinpoint= |court=最高裁判所第三小法廷 |date=  昭和57年9月28日 |url=http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50242 |quote=}}</ref>医療機器についても同様であり、吸引器を無許可で製造した事件で最高裁は医療用具の認定に関し、「人の健康に害を及ぼす虞が具体的に認められるものであることを要しない。」と判示している。<ref>[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50205 最高裁判所第一小法廷昭和54年3月22日決定 昭和53(あ)1113]</ref>