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== 起源 ==
[[File:TreeofLifeTradTexcoco.JPG|thumb|right|[[エデンの園]]をモチーフにした伝統的形式の生命の樹。]]
中央メキシコでは、生命の樹に見られるような陶器やセラミックの技術が古くから受け継がれてきた。陶器や粘土技術の起源は紀元前1800年から1300年にまで遡る。こうしたものに色付けを行う手法は後の[[オルメカ]]の影響を受けたものと言われる。西暦800年ごろには[[テオティワカン]]の影響でセラミック製品に宗教的シンボルが取り入れられるようになった。{{仮リンク|マトラツィンカ人|en|Matlatzinca people}}の工芸品は現在メヒコ州あたりの地域に受け継がれているが、メヒコ州は[[メキシコ盆地]]と現在の[[モレロス州]]や[[ゲレーロ州]]といった地域に囲まれた地域であり、西暦800年ごろから現在までマトラツィンカ人の工芸品はこれらの周辺地域から多様な影響を受けて発展してきた<ref name="wavila"/>。
 
{{仮リンク|スペインによるアステカ帝国の征服|en|Spanish conquest of the Aztec Empire}}の後、{{仮リンク|カトリック修道士|en|Friar}}はそれまであった原住民の神々を崇拝する工芸品を破壊し、代わりに[[カトリック教会|カトリック]]の聖人崇敬に用いるものを広めた。原住民にカトリックの教えを説くために生命の樹が絵画などにも描かれた<ref name="wavila"/>。
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しかし現在職人は減少傾向で、消滅の危機にある。例えばメテペックのコモンフォルト通りでは多くの職人が製陶業を営んでいるが、この中で生命の樹を生産しているのはわずかに2店舗である<ref name="muerte"/>。職人減少の最も大きな要因は、主にアジアからの安価な模造品の流入である。メキシコの職人たちにとってこれは致命的な問題であり、メキシコ政府は伝統工芸品の商標登録と原産地呼称に乗り出した。2009年には生命の樹はメテペックとその隣の{{仮リンク|カリマヤ|en|Calimaya}}の職人たちの商標として登録され、生命の樹生産に従事するおよそ300世帯がこの恩恵を受けることになった。また、これに加えて生命の樹のトレードマークを作ることも検討されている<ref name="cultura">{{cite news |title= Cultura-Artesanías |agency= Agencia el Universal |newspaper=El Universal |location=Mexico City |date=2010-01-22 |language=スペイン語 |trans_title= }}</ref><ref name="marca">{{cite news |title= El Árbol de la Vida. Es marca registrada |first= Juan José |last= Rodríguez |url= http://impreso.milenio.com/node/8523161|newspaper= Milenio |location=Mexico City |date=2008-01-23 |accessdate= March 5, 2010 |language=スペイン語 |trans_title= |quote=The Tree of Life is a registered trademark }}</ref>。
 
メキシコでは優れた陶器作品を選出するConcurso Nacional de Alfareria y Ceramica(国立陶器・セラミックコンクール)が行われていて、毎年生命の樹(Árbol de la vida)も出品される。生命の樹以外にも[[オアハカ州]]、[[ハリスコ州]]、[[グアナフアト州]]など、メキシコ各地から陶器作品が出品されるが、その中でもメヒコ州から最も多く出品される。コンクールは焼成しないもの、低温焼成、高温焼成、[[琺瑯]]と、部門別に審査される<ref name="galardonan">{{cite news |title= Galardonan creatividad artesanal |first= Arturo |last=Espinosa |newspaper= |publisher=Reforma |location=Mexico City |date=2002-05-23 |page=18 |language=スペイン語 |trans_title= }}</ref>。ここでは毎年メキシコ各地の原住民コミュニティの代表者が集まり人間による「生命の樹」をつくる。2006年には63のコミュニティから民族衣装を着た500人が集まって人間ピラミッドをつくり、世界平和を訴えた。[[サポテコ族]]、{{仮リンク|ワステカ族|en|Huastec people}}、[[タラスコ族]]、[[マヤ族]]、[[オトミ族]]、{{仮リンク|[[タラウマラ族|en|Tarahumara people}}]]、[[ウイチョル族]]、{{仮リンク|ヤキ族|en|Yaqui people}}などからも代表者が集まった<ref name="savia"/>。
 
Explanada Artesanal(職人広場の意)など、似たような試みのイベントは他にも行われているが、繁盛しているものは少ない。Explanada Artesanalでは本物の民族工芸品が販売されているにもかかわらず、会場が汚い上に照明も暗く、訪れる人は少ない。このイベントはメテペックのイダルゴ通りで開催され、地元で作られた粘土・セラミック製品を販売する95の店舗が集まるが、来場者が少ないために週末しか営業されていない。サービスの拡充や広告宣伝など、自治体による支援が不十分という販売業者もいる<ref name="acusan"/>。