「蒼穹のファフナー」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
243行目:
; ジークフリード・システム
: 分離統括型全ファフナー指揮管理システム。当初は皆城総士が担当。本体はAlvis内に据え置かれ<ref group="注">当初は第1CDCにあるように思われたが、中盤以降は最下層のキールブロックに移された。元々、その場所にあったものが、真上の第1CDCの所にまでエレベーター式に延びていた。</ref>、フェストゥムの読心を防ぐために、思考防壁を張って、搭乗者とファフナー搭乗者の脳の皮膜神経を直接接続(クロッシング)し、意思疎通を行う。搭乗者にはファフナー搭乗者のあらゆる感覚や全体の戦況情報など膨大なデータが供給されるため、適格者以外は極度の酩酊状態になる。なお、ザルヴァートルモデルやノートゥングモデル以外のファフナーの場合は、シナジェティック・コードを発現しないためにクロッシングは、不十分になる。また、搭乗者を護るため、機体との痛覚の同調を強制的に遮断するベインブロックやコクピットブロックの強制射出、および、パイロットから各ファフナーの機体のコントロールや使用武器を剥奪・凍結・使用不能にすることも可能。物語中盤から後期にかけての7機(ザイン・ドライ・フュンフ・ジーベン・アハト・メガセリオン・ベイバロン)が稼動されたが、最大12機のファフナーとの同時接続が可能となっていた(パイロット候補生の芹・広登・暉らなど)。そのため、適格者は限定され、皆城総士の存在が前提の上で、稼動できるシステムだった。さらにこの分離型では、あくまで防衛前提の、しかもシステムの効果が及ぶ範囲内でしか運用できない。情報解析を一手に引き受ける分だけ、各パイロットへの負担は激減させられたが、その負荷と副作用をシステム搭乗者が全て負うことになり、総士は、後で各パイロットが戦闘で受けたダメージの、フラッシュバックの発作に襲われることになった。名前の由来は、「[[ニーベルングの指環]]」に登場する英雄[[ジークフリート]]から。
: また、ファフナー搭載前提のコンセプトで開発された、一体型相互扶助タイプについては、後述のティターンモデルやゼロファフナー試作機などでパイロットに過度の負担が掛かったため<ref group="注">速度はノートゥングモデルの数十倍。ゼロファフナーは1回の搭乗が限界で、西尾行美は自分の子供夫婦を失っている。</ref>、搭載は見送られ現在の形となった。しかし、後に真壁紅音 / ミョルニアによってもたらされた情報によって同化現象をほぼ完全に防げるようになったため、蒼穹作戦では4機のファフナーに分割搭載された。これによって搭乗者相互の通信が可能となったが、『全員が互いの痛みを共有する』、『1機の動作不能によってシステムがダウンしてしまう
: 劇場版
: 『EXODUS』においては、皆城総士の復帰によって
; ニーベルング・システム
: 指輪状の操縦桿。10個のリングに指をはめると'''ジークフリード・システム'''に直結されファフナー本体も起動する。小説版および『EXODUS』では、使用後に小規模な同化現象によって手に指輪の跡が残る描写があり、その跡は歴戦のパイロットの証とされる。名前の由来は[[ニーベルングの指環]]からである。
256行目:
; 変性意識
: ティターン・モデルおよびノートゥング・モデルに搭乗したパイロットに起こる、心の変化。フェストゥムには読心能力があるため、変異意識で思考の防御を築くという効果もある。
: 搭乗者の心境や境遇の変化で変性意識自体が変質するケースもあり、要咲良と立上芹の両名が特に顕著。尚、人類軍製のファフナーでは技術不足のためにシナジェティック・コードも含めて大きな変化がない。
; フェストゥム因子 / MAKABE因子<ref>"竜宮島回覧板EXODUS 8号".ジーベック.2015年10月16日閲覧</ref>
: アルヴィスの子供たちは、生まれながらに遺伝子にフェストゥム因子を組み込まれており、その効果によりファフナー・ノートゥングモデルへの搭乗を可能としている。その影響として、それぞれ天才症候群(サヴァン・シンプトム)の兆候を有する。一方でフェストゥム因子の植え付けには非常な危険も伴い、フェストゥム因子移植第一世代は多くが早世し、成人したのは由紀恵・弓子・道生らごく少数に留まる。その後の世代でも問題は完全に解決されず、フェストゥムへの同化現象が起きる場合があり、総士が一騎によって片目を失うことになったのも、これが原因であった。
: しかし、脳の成長過程を過ぎれば例えこの因子を先天的に移植された人間でも一期時点の人類軍製ファフナーの搭乗は20代半ばが限界であり、ノートゥング・モデルやザルヴァートル・モデルなどのコア搭載型ファフナーの場合はファフナーとの一体化を促す因子の増強剤を投与しなければ搭乗が出来ない。増強剤の投与は同化現象が深刻化したファフナー搭乗者が再度搭乗するために投与されることもあり、片目を失明した一騎がその実例。後天的な移植も可能であり、カノンは自らの意志で半ば強引に因子を移植している。
: ミョルニアからもたらされた情報によって、同化現象の問題はかなりの解決がなされたが、まだ完全ではなく、一騎に関しては未だ生命の危険を抱えている。
:
=== 無印関連 ===
; ヘヴンズドア作戦
: フェストゥムの殲滅を目的として新国連研究者のミツヒロ・バートランドが立案。人類軍の全戦力を二分割し、北極のミールと大気圏外の小ミールに対して同時に攻撃を行うものである。フェストゥムの読心を防ぐため、各部隊は独自の判断で戦う。
: これに並行し、竜宮島では第一次蒼穹作戦が実行される。
=== 『RIGHT OF LEFT』関連 ===
; L計画(エルけいかく)
: 無印の約1年前、生駒正幸が立案。フェストゥムや新国連から竜宮島の位置を隠すための作戦。指揮官、オペレーター、メカニック、医師、そしてファフナーパイロットに選ばれた8人の少年少女の、計40名で構成されている。フェストゥムの読心能力による計画の破綻を防ぐため、参加者全員が計画の全容を知らされずに従事した。
: アルヴィスの左翼部分L区画を分離させて'''Lボート'''とし、潜行してアルヴィスの防空圏外を離脱、事前プログラムで定められた航路を竜宮島に偽装し進むことで敵を引き付ける。作戦終了をもってLボートは破棄され、自爆する。作戦期間は2ヶ月で、一定時間が過ぎる毎にLボート内の閉鎖区画が解放され、そこに蓄えられていた物資を補給とし与えられるシステムによって作戦期間を耐える仕様になっていた。L計画のLはLEFT(左、あるいは去りゆく者)という意味を持つ。4機あるファフナーに選抜された8人が、1機につき2人ずつ15分ごと(1人あたりの担当時間は450秒、つまりは7分30秒)に交代しながら敵を倒す。計画途中、弾薬などの問題から早乙女が戦闘時間の延長を提案していたが、僚や裕未の説得により延長は行われなかった。最終段階で計画参加者の人数と同じ容量の脱出艇が解放されるシステムになっており、全員の生還を見越しての計画ではあったものの、フェストゥムへの海中への適応という想定外の事態が原因で参加者は全員死亡した。4ヶ月後、僚が残したテープレコーダーが竜宮島に流れ着いたコ
; Lボート
: フェストゥムと新国連の目をごまかすため囮として切り離された竜宮島(アルヴィス)の左翼。2か月間の戦闘の後フェンリルによって消滅した。『EXODUS』ではそれまで切り離して消滅させたブロック同様再建されており、第二次L計画や右翼Rボートと共にアルヴィス本島から一時離脱するプランデルタが提案されている。
275 ⟶ 277行目:
=== 『HEAVEN AND EARTH』関連 ===
; 空母ボレアリオス
: 人類軍の空母。本作では既にミールに船体ごと同化された状態にあり、また総士を通じて命を育もうとしていたが人類軍の核攻撃で壊滅し、痛みと憎しみを抱くようになる。
: 内部は竜宮島のコアを模したような大量の結晶の内部に人間を再現したフェストゥムが存在したが、生まれるということを完全に理解しておらず、更に核攻撃を受けたことによって学んだ憎しみから生まれることができず、最終的にミールは痛みと憎しみの根源が竜宮島であると考え、それを消すべく竜宮島への攻撃を行った。しかし、美羽との対話を通じて
: 操はこの船を「俺たちの島」と呼び、ミールそのものが総士を通じて竜宮島を学んだことからきている。同様に竜宮島との戦闘から学んだことにより、島の防御システムである偽装鏡面とヴェルシールドも有している。
: 『EXODUS』では艦の周囲をアザゼル型フローターに偽装していたが、アビエイター群と人類軍双方の襲撃を受けた美羽とエメリーの呼びかけを受け、偽装を解き彼らの救援へと駆け付ける。合流後は操達の島としてアルヴィス、ペルセウス中隊と共に第四次蒼穹作戦まで共闘する。
286 ⟶ 288行目:
: 能力の獲得と出現の原理は作中で明言されていないが、美羽のようにフェストゥムの因子を移植された者同士の子供、エメリーと彼女の弟の例からフェストゥムやミールとの深い関わりが能力の発現に繋がっている模様。
: 美羽とエメリーには及ばないが、大人達を含め竜宮島の人々もこの資質を有する。特に一騎、剣司、里奈、彗の四人はゴルディアス結晶にあるカノン達の記憶を通じてミールと対話を行っており、因子を移植された子供達の中でも特に高い資質を有する。
: 脱出行の果てに
; 交戦規定アルファ
: フェストゥム殲滅を最優先事項とする絶対厳守命令。フェストゥムに同化されるなどして制圧された人間、および土地への攻撃を是とするべく制定された攻撃規定であることがナレインにより語られている。発動されれば友軍の有無(撤退中含む)、更には民間人がいようがいまいが避難勧告すら無く問答無用で発令される。余りに非人道的であるために、特に新国連本部単位における発令に対してはこれに異議を唱える兵士も存在するが、規定により将官クラスの階級が覆そうとしても停止されることは無い<ref group="注">1話では中止を命令したナレインや直接阻止しようとしたウォルターの意思を完全に無視して発令されている。更に14話では友軍への救援という名目でそれを拒絶したダッカ基地司令のカマル・デクスターが暗殺される事態にまで発展している。</ref>。
: 新国連本部および現場単位での発令が可能であり、2150年および2151年にて、それぞれロードランナー率いるフェストゥム群撃退のため発せられた。現場単位では主にディアブロ型などに同化されたファフナー部隊への対処を目的に発令されている。
: シュリーナガル壊滅後に「ノートゥング・モデルの強奪」、「竜宮島とエスペラントを擁するペルセウス中隊の抹殺」を目的に発令されるなどヘスターの「トリプルプラン」とその裏にある計画を正当化する方便に利用されている。
; トリプルプラン
: ヘスター・ギャロップ主導の下で実行されようとしている人類救済計画。フェストゥムを殲滅した上で生存圏を確保し、さらなる侵略に備えるものであるが、実際には長年の戦いに伴う人類軍の疲弊や度重なる交戦規定アルファに基づく核攻撃による各地の焦土化で生存圏の確保も敵の殲滅もできず、犠牲者を増やしているだけで、既に破綻寸前である。それでもなお、姿勢を変えないヘスターに対してバーンズは疑いを持
:; シャッター作戦
:: トリプルプランの1つ。人類の生存圏を確保するためにシールド発生装置による防壁を築き、フェストゥムの封じ込めを試みた。しかし、現在シールド発生装置は機能しておらず、ただフェストゥムの密集地を作っただけに終わった。
300 ⟶ 302行目:
:: トリプルプランの1つ。フェストゥムの殲滅を目的としたもので、交戦規定アルファの根幹を成すもの。
; 第四プラン・赤い靴作戦
: トリプルプランの正体。フェストゥム
:
; 島外派遣
: 竜宮島からエリア・シュリーナガルへの派遣行動。日野美羽をシュリーナガルの世界樹と対話させるのが目的である(当初の派遣期間は1ヶ月を予定)。
310 ⟶ 312行目:
:: シュリーナガルから約2,500kmの直近にある人類軍の[[ダッカ]]基地に、およそ22,000人の生存者を避難させ、その後に戦力を整えて予め摘出しておいた世界樹のコアを、新天地たる第三アルヴィスに移植。再び成長させてアルタイルとの再対話を実行するのが目的となる(計算上はダッカ基地まで約2週間程の行程となる)。
:: この時点で残ったペルセウス中隊の戦力は42機のファフナー(320名の軍人と特に優秀なエスペラント100名が同行)。1機のファフナーで車に乗りこんだ500人の民間人を護衛しながら移動するという、かなり過酷なミッションとなる。加えて輸送機は車に速度を合わせなければならないので一度に移動できる距離はあまりに短い。
:: 一足先に戻った派遣部隊の高速機パイロットの報告を受けたアルヴィスはこの事態に際し、第三の派遣は人員的な意味でも不可能であったために島ごと派遣部隊との合流を
:: しかし新国連が潜入させたパペット=ジョナサンが模擬人格を以て稼働するという性質上、フェストゥム並の読心能力を持つエメリーでも彼のベイグラントへの干渉を感知することができず、引き続きベイグラントによって誘導されてきたアビエイター群の襲撃を受けることになる。
:: 最終的に交戦規定アルファに従ったダスティン率いるアルゴス小隊がダッカ基地を乗っ取ったことで、竜宮島の派遣部隊とペルセウス中隊、そしてシュリーナガルの市民は
:: 攻撃を受けた翌日、ナレインは後述の第二次脱出行を決定する。
:: '''第二次脱出行'''
:: 交戦規定アルファによってダッカ基地への合流が不可能となった派遣部隊とペルセウス中隊による第二次移動。当初のルートから北上し、「トリプルプラン」の一つ「シャッター作戦」により作られたフェストゥムの密集地となった荒れ野を通り、更に大陸消滅後のモンゴル海峡を経由し、ハバロフスク・エリアへ向かう。
:: ダッカ基地までの移動で消費した燃料と物資を途中放棄された基地で確保し、更に世界樹のコアでフェストゥムのコアをエネルギーに変えることで進む。しかし、攻撃を受けた翌日に荒れ地を経由するこの移動と人類軍からの攻撃に絶望した市民の多くが自ら命を絶ち、更に引き返そうとする市民
:: 「シャッター作戦」の壁を越えて一ヶ月後に拮抗薬が底をつき、同化現象によりファフナーとパイロットが激減する。
:: その後、3/4をも超える
:: 最終的にシュリーナガルの市民は5001名が生存、ペルセウス中隊は隊員の9割
; 第二次L計画
: 鏑木彗の母・香奈恵が立案し、度々アルヴィス上層部に提出している計画<ref group="注">他に柳瀬・立木・柴田といったL計画のパイロットの家族と思われる名前も見られる</ref>。名称通り、かつて娘を喪った「L計画」を再び実行しようとするのが主旨であるが、竜宮島の現状では全く実行する必要の無い「机上の空論」に過ぎず、却下され続けている。彗は妄執じみた母親の行為を「姉ちゃんのところに行きたがっている(のだろう)」と思っている。
: 実行された場合は前回同様帰還者なし、島の戦力が半減した事によるフェストゥム襲来による壊滅する未来をカノンは見ていた。彗が引き寄せた早苗のお守りをきっかけに香奈恵はようやく気持ちの整理を付けてこの計画書を海へ投げ捨て、実行される未来は消滅した。
; SDP
: 皆城織姫が目覚めた後の竜宮島内のファフナー・パイロットに発現した、フェストゥムが示した「超次元現象」を限定的に再現した異能の力。当初、ファフナー搭乗時に発現したことからファフナーの新たなる戦闘能力と考えられていたが、実際にはパイロット自身から生じたものであり、非搭乗時にも能力を発揮することが可能。竜宮島ミール影響エリア内でファフナーに搭乗することで発現する能力として描かれており、それゆえに島外派遣者には当初発現しなかったが、条件さえ満たせば甲洋や操といったヒト型フェストゥムでも発現する。なお日常生活でパイロット自身の意思と関係なく発生する場面もあるが、必然か偶然か他のSDPパイロットの身体的・精神的危機を回避(零央→美三香、彗→里奈)する、いわば「守り合う」という形での発生が確認されている。
|