「愛知長久手町立てこもり発砲事件」の版間の差分

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== 経緯 ==
=== 発生 ===
2007年5月17日午後3時47分頃、愛知県愛知郡長久手町の民家から「父親が[[拳銃]]を持って暴れている」という通報が警察に入った。その後、午後3時49分にこの民家に住む息子から「父親はもう落ち着いた。警察が来ると興奮するので家には来ないで下さい。持っている拳銃はおもちゃだ」という2度目の通報が入った。[[愛知警察署]]長久手[[交番]]勤務員の[[巡査部長]]が現場に駆けつけたところ、元[[暴力団]]組員の男が巡査部長に向けて[[回転式拳銃]](実銃)を発砲し、巡査部長は首を撃たれ現場民家の出入り口付近に倒れた。巡査部長は2度目の通報内容から[[ボディアーマー|防弾チョッキ]]を着ておらず、[[防刃ベスト]]プロテクターを着用していた。巡査部長が撃たれた直後に愛知警察署の[[刑事課]]員10人が3台の捜査車両で現場に駆けつけたが、10人中6人は防弾チョッキを身に付けていたものの、拳銃は10人全員が携帯していなかった。
 
男は別れた元妻との復縁について家族と話をしていたが話し合いが上手くいかないことに腹を立て、銃を持ち出し暴れていたという。男は巡査部長への銃撃とほぼ同時に息子の左腹部と娘の右足も拳銃で撃ち負傷させた。民家を脱出した息子と娘は命に別状はなかったものの、息子は重傷であった。
 
その後、男は元妻を人質にとり自宅に立てこもった。警察は現場付近の交通を全て遮断し、男に対して説得を続けたが、男は「[[救急車]]を近づけたら撃つ」「[[弾丸|弾]]が100発ある」「[[爆弾]]も持っている。近づいたら爆発させる」などと威嚇したため、民家の出入り口付近に倒れている巡査部長を容易に救出することはできなかった。民家の敷地内には人の動きに反応して点灯する防犯センサーライトが設置されており、巡査部長の腕が動く度に点灯して周囲を明るく照らしていた。また、庭に1匹と室内に2匹の犬がおり、民家の裏から捜査員が近づいた際も吠えていたという。
 
午後4時45分ごろ、捜査一課に所属する捜査員が男を説得している間に、[[機動捜査隊]]が現場に到着した。機動捜査隊の捜査員らは窓を開けて姿を現していた男の死角に配置し、拳銃を構えて[[射撃]]する態勢をとっていたが、突然、前線本部から「下がれ」と命令されたため、男の制圧は中止された<ref name=bunshun20070531>{{Cite journal |和書 |journal=週刊文春 |issue=2007年5月31日号 |publisher=[[文藝春秋]] |page={{要ページ番号|date=2016年9月}} }} </ref>。
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=== 犯人の投降・逮捕 ===
元妻が脱出・保護されると男は次第に態度を軟化させ、特殊捜査班の[[交渉人|交渉役]]捜査員が説得を続けると午後7時20分に自宅から出ることを約束した。
 
しかし、男は投降する時間を延長し午後7時30分を過ぎても出てこなかった。現地対策本部ではSITに突入訓練の再チェックを指示しており、午後10時ころに強行突入する計画を進めていたという<ref group="注釈">後に、男は交渉役の捜査員と午後7時頃から連絡が取れなくなったことから、射殺されるかもしれないと危機感を覚え、自ら[[110番]]通報し命乞いをしていたことが明らかとなった</ref>。
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ただし、警察側を擁護する以下のような見解もある。
 
* 犯人がテレビ又はラジオでニュースを聞いていたり見ていたりする可能性のある状況で、マスコミメディア隠密での警察の動きを空撮やフラッシュ撮影を含め事件の様子を詳細に生中継で報道しており、犯人に警察の動きが読まれる可能性があった。
* 敷地内に防犯センサーライトが設置されていた、庭に1匹、室内に2匹の[[犬]]がいた、などの悪条件が重なり、解決が遅れた。
* 犯人はSAT隊員をブラインド越しに銃撃していたため、外からは姿がみえず、人質を盾にしている可能性があったので警察は反撃できなかった。