削除された内容 追加された内容
Tendosa (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
105行目:
== 日本におけるミサイル防衛 ==
=== 導入に至った経緯 ===
[[日本]]では、1993年に北朝鮮が[[核拡散防止条約]]を脱退すると、直ちにミサイル防衛網の構築検討に入った。[[1998年]]([[平成]]10年)[[8月31日]]に行われた[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の[[弾道ミサイル]][[テポドン1号|テポドン]]の[[北朝鮮によるミサイル発射実験 (1998年)|発射実験]]以来、防衛システム構築のロードマップを樹立するなどして、北朝鮮の弾道ミサイル開発を日本の安全保障の脅威とみなしその動きを注視してきた。このため、米国のミサイル防衛計画の進行に鑑みて、[[小泉純一郎]][[内閣総理大臣]]([[第2次小泉内閣]])は[[2003年]](平成15年)[[12月19日]]の[[国家安全保障会議 (日本)|安全保障会議]]および臨時閣議によって、『日本版弾道ミサイル防衛(BMD)』のシステム導入を決定した。同日付で閣議決定「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」(計画概要、総合的な防衛力の見直し、BMDが[[集団的自衛権]]に利用されるものではない旨の説明)を発表、同時に[[福田康夫]][[内閣官房長官]](当時)が周辺国に脅威を与えるものではないことを旨とした補助的な談話を公表した。そして2004年(平成16年)度から、毎年1,000億円から2,000億円の予算を計上し続けて、ミサイル防衛体制の構築と研究開発を続けている<ref> 04年度:1,068億、05年度:1,198億、06年度:1,399億、07年度:1,826億 [http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/19/sougou/sankou/02.pdf 防衛省公式サイト 平成19年度政策評価 総合評価 弾道ミサイル防衛政策 参考]</ref>。2006年に北朝鮮が最初の核実験を行うと、最高性能をのSM3とPAC3迎撃ミサイルを導入・配備した。2018年には、13年間研究してきた迎撃範囲は高高度防衛ミサイル(THAAD)の10倍のイージス・アショアシステムの導入を開始する<ref>[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/09/15/2017091501626_3.html 【コラム】全く、国とは言えない 韓国大統領],朝鮮日報,2017年9月16日 
</ref>。
 
ミサイル防衛導入のきっかけは北朝鮮のNPT離脱とテポドン1号の発射であったが、北朝鮮は既に日本へ向けては最大想定配備数約200~300基の[[ノドン]]が実戦配備されているとされ、[[江畑謙介]]によれば、ノドンは[[ミサイルサイロ|地下サイロ]]や移動式発射台のみならず、貨物船に偽装した朝鮮籍の[[工作船]]にも偽装船舶発射装置として配備可能とされている。このため、弾道ミサイルを同時に多数発射された場合は、ミサイル防衛システムでの弾道ミサイル防衛は事実上対処不能であり、大々的に事前展開する必要があるシステムの有効性とその導入に対して、一部の識者から疑問が投げかけられた<ref>なお、攻撃側の液体燃料弾道弾の即時使用信頼性は装備数の約3割とされ、配備数がそのまま完全に実効力のある攻撃手段となるわけではない。また防御側の現用のMDも、即応弾数ではなくレーダーの数によって同時対処数は制限されるため、即応弾数の数だけ同時対処できるというわけではない。</ref>。ただし「核弾頭搭載の弾道ミサイルが1発でも弾着すれば甚大な被害があるので、全弾迎撃が出来ないシステムを敢えて導入することは疑問」という意見に対しては、「核弾頭を1発でも迎撃できれば数十万人が助かるためシステムは有用。また、1996年に発生した「[[台湾海峡ミサイル危機]]」をケーススタディとして考慮すれば、通常弾攻撃による某国から日本に対する脅迫を排除する政治的手段、拒否的抑止力としての価値がある。」という反論もあった。
 
現在の日本のミサイル防衛体制は、迎撃システムの各要素(迎撃手段・探知誘導手段・指揮管制手段及び法制・システム運用経験・衛星情報連接経験)が連接を完了しており(ミニマム・パーフェクト)、[[アメリカ戦略軍]][[航空戦闘軍団]]・[[北アメリカ航空宇宙防衛司令部]]との緊密な連携の下、更なるシステムの高性能化を目指した研究開発も進められている。