「ルーヴル・ピラミッド」の版間の差分

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== デザインと建造 ==
[[File:Inside the Pyramid-Louvre museum.jpg|thumb|right|250px|ルーヴル・ピラミッド内部から観たルーヴル美術館]]
当時の[[フランスの大統領|フランス大統領]][[フランソワ・ミッテラン]]が、「パリ大改造計画 ([[:en:Grands Projets of François Mitterrand]])」を推進した。この計画の一環として「大ルーヴル計画 (Grand Louvre)」が実施されることとなり、1983年に大ルーヴル計画公団が設立され、[[建築家]][[イオ・ミン・ペイ]]に、ナポレオン[[広場]]に新たに設置するメイン・エントランスの設計が任された<ref>{{cite web|url=http://www.louvre.fr/jp/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2 |title=ルーヴルの歴史 |publisher=ルーヴル美術館 |date= |accessdate=2013-01-23}}</ref>。イオ・ミン・ペイは、[[滋賀県]]の[[MIHO MUSEUM]]、[[モントリオール]]の[[カナダロイヤル銀行]]本部ビル ([[:en:Place Ville-Marie]])、そして[[ワシントンD.C.]]の[[ナショナル・ギャラリー (ワシントン)|ナショナル・ギャラリー・オブ・アート]]東館などの設計にも携わった建築家である。建築には、モントリオールのニコレ・シャトラン・ノール社がデザイン時に、建築家ユニットRFR ([[:en:RFR Engineers]])が建設時に参画している<ref>{{cite web|url=http://www.pcfandp.com/a/p/8315/s.html |title=Pei Cobb Freed & Partners |publisher=Pcfandp.com |date= |accessdate=2011-01-16}}</ref>。完成したルーヴル・ピラミッドは、ガラスを主材料としており、高さ20.6メートル、底辺35メートルに達しており、603枚の菱形のガラス板と70枚の三角形のガラス板とで構築されている<ref>{{cite web |url=http://www.glassonweb.com/articles/article/94 |title=Glass on the web |publisher=Glass on the web |date= |accessdate=2011-01-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20020112004520/http://www.glassonweb.com/articles/article/94/ |archivedate=2002年1月12日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。
 
ルーヴル・ピラミッドとその[[地下]]の[[ロビー]]は、それまでのルーヴル美術館のメイン・エントランスが持っていた、日々の膨大な数の入館者に対応しきれないという問題点の解決を主眼に設計された。ルーヴル・ピラミッドが建設されメイン・エントランスとなってからは、入館者はルーヴル・ピラミッドを通って広々とした地下ロビーへと降りていき、ルーヴル美術館本体へと昇っていくという入館路になった。
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[[デザイン]]史家マーク・ピムロットは、イオ・ミン・ペイの設計について「(ルーヴル美術館を訪れる)人々を中央入館路から広大な地下ロビーへと案内することにより、様々な目的でルーヴル美術館を訪れた人々の足取りを分散させることを目的として設計されている。(ルーヴル・ピラミッドの)巨大な骨組構成は、[[ポンペイ|古代ポンペイ]]の邸宅の[[アトリウム|吹き抜け建築]]を髣髴とさせる。格子状にガラスとフレームが組み合わされた開放的な構成は、[[オフィスビル]]の吹き抜けをも連想させる。この場所を基点として思い思いの場所へと足を運ぶ人々からすれば、鉄道ターミナルや国際空港の順路ともいえるだろう」としている<ref name="Pimlott">Pimlott, Mark. (2007) [http://www.artdesigncafe.com/The-Grand-Louvre-I-M-Pei-Pimlott-2007 "The Grand Louvre & I.M. Pei"]. In <em>Without and within: Essays on territory and the interior</em> at artdesigncafe. (Episode Publishers: Rotterdam). Retrieved 2012-08-13.</ref>。
 
ルーヴル美術館と同様の構想を持って設計された[[美術館]]([[博物館]])が、他にいくつか存在している。有名な博物館として[[シカゴ]]の[[シカゴ科学産業博物館|科学産業博物館]]があり、ルーヴル美術館と同じく、メイン・エントランスからいったん地下へと降りてから、美術館本体へと上がっていく入館路となっている。また、1982年4月に開設された[[ヘイヴァリング・ロンドン特別区]]のドルフィン・センター ([[:en:Dolphin Centre]]) には、ルーヴル・ピラミッドとよくにたピラミッドがある<ref>{{cite web |url=http://www.romford.org/sports/swimming/dolphin/dolphin01.htm |title=アーカイブされたコピー |accessdate=2012年1月9日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20111123140716/http://www.romford.org/sports/swimming/dolphin/dolphin01.htm |archivedate=2011年11月23日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。ピラミッドの基礎部分と、地下ロビーの工事は、フランスの建設会社ヴィンチ社 ([[:en:Vinci (construction)]]) が担当した<ref>{{cite web |url=http://www.vinci.com/vinci.nsf/en/history-sites.htm?OpenAgent&the_grand_louvre_museum |title=Vinci website: Louvre |publisher=Vinci.com |date= |accessdate=2011-01-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20111001122424/http://www.vinci.com/vinci.nsf/en/history-sites.htm?OpenAgent&the_grand_louvre_museum |archivedate=2011年10月1日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。
[[File:Louvre Museum Wikimedia Commons.jpg|thumb|center|800px|ルーヴル・ピラミッド([[夜景]])。]]
 
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ルーヴル・ピラミッドに使用されているガラスの枚数が、[[サタン]]と関連があるともいわれる「[[獣の数字]]」と同じ[[666]]枚だとする説がある。作家ドミニク・Stezepfandtの著書『フランソワ・ミッテラン、大宇宙の建造物 ({{lang|fr|François Mitterrand, Grand Architecte de l'Univers}})』に「(ルーヴル・)ピラミッドは『[[ヨハネの黙示録]]』に獣として記されている、大いなる力に捧げられたものだ。・・・・・・ピラミッド全体の基礎となっているのは数字の6である」という記述がある。
 
ルーヴル・ピラミッドのガラスが666枚であるという説は1980年代から存在した。ルーヴル・ピラミッド建築中に出版されたルーヴルの公式案内書に、ガラスの総枚数が666枚であると、二箇所で記されていたのである(ただし、同じ公式案内書には672枚と記されている箇所もあった)。様々な新聞がこの666という数字について報道したが、最終的に完成したルーヴル・ピラミッドに使用されたガラスは、菱形603枚、三角形70枚の、計673枚だった<ref>{{cite web |url=http://www.glassonweb.com/articles/article/94 |title=Articles - Louvre Pyramid |publisher=Glass On Web |date= |accessdate=2011-01-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20020112004520/http://www.glassonweb.com/articles/article/94/ |archivedate=2002年1月12日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。また、デヴィッド・シュガーツは、ルーヴル・ピラミッドのガラスは689枚だと主張した。<ref>''Secrets of the Code'', edited by Dan Burstein, p. 259</ref>。シュガーツはこの枚数は、設計者のイオ・ミン・ペイの事務所から入手したものだとしている。
 
ルーヴル・ピラミッドに使用されている正確なガラスの枚数は、初歩的な数学から算出することができる。エントランスがある壁面を除く三つの壁面には、三角形のガラスが18枚使用されており、最下部には17枚の菱形のガラスが使用されている。これを[[三角数]]に当てはめると<math>\textstyle\frac{17\cdot(17+1)}{2}=153</math>となり、三角形のガラス18枚と併せたガラスの枚数は171枚と算出される。エントランスがある壁面は、他の壁面に比べて菱形のガラスが7枚、三角形のガラスが2枚、それぞれ少ない。よって菱形のガラスの総枚数は<math>4\cdot153-9=603</math>、三角形のガラスの総枚数は<math>4\cdot18-2=70</math>となり、すべてのガラスの総枚数は673枚ということになる。