「メイド」の版間の差分

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'''メイド'''(maid, maid-servant)は、[[清掃]]、[[洗濯]]、[[炊事]]などの家庭内労働を行う[[女性]]の使用人([[女中]]、[[家政婦]]、[[ハウスキーパー]]、[[家庭内労働者]])を指し、狭義には個人宅で主に住み込みで働く女性の使用人。男性の対義語はボーイ。
 
語源の「maiden」は乙女、未婚の女性という意味で、過去に若い女性が結婚前には[[奉公]]に出されていたことに由来し、そこから女性奉公人・使用人の意味となった。現在では未婚や既婚に関わらず、あくまでも職種を意味し、ホテルの客室担当従業員(ルームキーパー)なども含まれる。
 
== 概要 ==
[[古代ローマ]]においては、家庭内労働は「[[奴隷]]」の仕事であった。
 
[[中世]]においては、「[[使用人]]」である。
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現在の先進国では、住み込み・フルタイム労働のメイドは、ごく一部でしか見られなくなっている。
* {{Main2|20世紀前半までの使用人に関しては、「[[|家事使用人]]」を参照のこと。}}
* {{Main2|20世紀後半からの使用人に関しては、「[[|家庭内労働者]]」を参照のこと。}}
 
== イギリス ==
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== 香港 ==
[[香港]]では、[[フィリピン]]や[[インドネシア]]など[[東南アジア]]からの女性をメイドとして雇うことが一般化しており、家事全般から子供の学校への送迎などに携わっている。
 
普段は住み込みで働いているが、日曜日など、家族が部屋に居る日には、朝から家を出て[[ヴィクトリアパーク (香港)|ビクトリアパーク]]などの公園に集まり、気の合う仲間と一緒になって夜遅くまで賑やかに楽しむ光景を見る事が出来る。
 
== 中国 ==
2000年代に入り、[[中国]]大陸]]でも都市部を中心に東南アジアから来たメイドが雇われる様になった。地方からの出稼ぎ農民や、大学生がバイトとして行うこともある。
 
[[上海市|上海]]では、フィリピン人のメイドを雇うことが禁止されているが、フィリピン人のメイドは学歴が高く英語が流暢なことから子供の教育に役立つほか、方言の激しい中国人のメイドよりも意思の疎通がしやすいことから、非合法でフィリピン人のメイドを雇うケースが後を絶たず、問題化している<ref>『[http://www.recordchina.co.jp/group/g12408.html フィリピン人メイドの個人雇用を全面禁止!それでも雇いたい理由は?]』2007年10月31日付配信 [http://www.recordchina.co.jp Record China]</ref>。
 
大衆文化としてのメイドも定着しつつある。同人イベントでは[[コスプレ]]の人気の題材の一つであり、2007年11月11日の上海のイベントでは、付帯イベントとして[[メイド喫茶]](女僕珈琲)が出現した。
 
== 台湾 ==
[[台湾]]においても、フィリピンやインドネシアなど東南アジアからの女性をメイドとして雇うことが可能であり、家事全般から家庭での年寄りの介護などに携わっている。[[サブカルチャー]]としてのメイドは日本から流入しつつあり、[[台北]]などでメイド喫茶が出現している。
 
== シンガポール ==
2005年のメイドの就業者数は15万人にも及び、世界でも有数のメイド雇用国であり、ほぼ10軒に1軒はメイドが居ると言われている。メイドのほとんどが外国人であり、メイドの為に特別に[[就労ビザ]]が発行されている。シンガポールには[[メイド税]]や外国人メイド税控除などの様々な制度があり、メイドに対して半年に一度の検査の義務なども存在する。<!--価格情報のためコメントアウト メイドの賃金は200~300[[シンガポールドル]]ほどであるが、毎月200~295[[シンガポールドル]]の[[メイド税]]を支払わなければならず、実質的には賃金の二倍以上の金額が必要である、それでも日本円で7万から8万円程度である。-->
 
== サウジアラビア ==
中東でも有数の裕福な国であり、多くの裕福層が周辺国、フィリピンなどからメイドを雇っており、2010年代の初頭には50万人弱のメイドが存在すると推定されている<ref>{{Cite news
|url=http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&command=body&no=305&
|title=【摘発】 違法滞在労働者の取り締まり サウジアラビアが再開
|work=フィリピン・インサイドニュース
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|date=2013-11-05
|accessdate=2013-11-10
}}</ref>。しかし、雇用環境は決して良いとは言えず、雇用主による外国人就労者に対する[[パスポート]]の取り上げが横行しており、[[国際労働機関]]から再三に渡り改善勧告を受けているがまったく改善の兆しは見えない。
}}</ref>
。しかし、雇用環境は決して良いとは言えず、雇用主による外国人就労者に対するパスポートの取り上げが横行しており、[[国際労働機関]]から再三に渡り改善勧告を受けているがまったく改善の兆しは見えない。
 
2007年には[[スリランカ]]から出稼ぎに来ていた19歳のメイド、[[リザナ・ナシカ]]が生後4ヶ月の赤ん坊にミルクを与えた際に気管に詰まり、メイドが救命措置を取ったが死亡してしまい、その罪により斬首刑が宣告された。
 
2010年にもインドネシア人家政婦死刑執行問題が起きている。
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==クウェート==
[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]の調査によれば<ref>{{cite web
|url= http://www.hrw.org/news/2010/10/06-1
|title=クウェート:救済の道閉ざされた家事労働者たち 虐待のはてに <small>虐待や人権侵害からの保護 不十分</small>
|date=2010-10-06
|accessdate=2017-09-29
}}</ref>クウェートのメイドの扱いは中東でも特に劣悪であり、メイドは労働者として法律の保護すら受けられない。メイドが逃げた場合には逃亡罪として刑事罰の対象となり、実質的に奴隷と同じ扱いをされている。
 
人口比では世界最多で300万人弱の総人口に対して66万人のメイドがいる。主にスリランカ、インドネシア、フィリピン、[[エチオピア]]から出稼ぎに来ている。
 
300万人のうちクウェート人が約130万人であるからクウェート人二人に対して一人のメイドがいる計算になる。
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== 日本 ==
日本では庶民層の娘が富裕層や[[武家]]階級に雇われる、いわゆる[[奉公]]の習慣が昔からあり、近代に入っても、農村出身の少女を商家や都市部の富裕な家が住み込みで雇うことが、[[高度経済成長|高度成長期]]までは見られた。[[1953年]]([[昭和]]28年)1月16日金曜日から、[[朝日新聞]]に、6人家族の家庭に働く17歳の女中が主人公である[[トンちゃん]](矢崎 武子)(『[[サザエさん]]』が、筆者の健康上の理由で休載されていた間、連載されていた)が連載されたことからもわかるように、当時は未成年者のメイド(当時は一般的に女中・お手伝いさん・家政婦という言葉の方が圧倒的に多く使われており、メイドの呼称が使われたのはせいぜい外国人家庭か[[西洋かぶれ]]の日本人家庭ぐらいだった)を雇う家庭は決して珍しくなかった。敬称をつけ「お手伝いさん」と呼称するのが一般的であった。戦後、[[高度経済成長|高度成長期]]以前では[[義務教育]]を終了すると女中奉公([[丁稚奉公]])に出されることは珍しくなく、女性の就職先としてありふれた存在であった。[[女工]]などの工場労働に比べ、身元のしっかりした家庭に奉公に上がることは女性の両親としても安心出来る就職先であった。また単に[[労働|賃労働]]としての性格と同時に、地方の良家の子女が、行儀見習い、[[花嫁修業]]、見聞を広める手段として都会の文化的な家庭に奉公する例もみられた。この場合支払われる賃金は寡少で、嫁入りの際に嫁入り道具や祝儀で代償されることが一般的であった。紹介者を必要とし、身元のしっかりした娘であることが求められた。この場合、嫁入りと同時に雇用関係が解消されるのが一般的であった。
 
昭和25年ごろまでは日本にも[[使用人税]]があり家事使用人の雇用者には税金を支払う義務があった。狭義の「メイド」の消滅に伴い、「メイド」という言葉は、実際の職業に対する呼称としてはあまり使われなくなった。
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[[画像:Japanese style French maid cosplay.jpg|thumb|180px|メイドの[[コスプレ]]]]
 
上記の背景の中から、メイドを好奇心の主題に据えた作品として、メイドの住まう館もの、メイドものというジャンルでパソコン([[PC-9800シリーズ|PC-98x1]])用の[[アダルトゲーム]]として[[1993年]]に『禁断の血族』、[[1996年]]にKENJI氏の呼びかけで『[[殻の中の小鳥]]』およびその続編『[[雛鳥の囀]]』(メーカー:[[BLACK PACKAGE]]、のちSTUDiO B-ROOM )が発売されたことにより、のちに'''[[萌え属性#メイド萌え|メイド萌え]]'''と呼ばれることになる嗜好への流れが生み出された<ref>『殻の中の〜』以前にも、単に端役としてメイドが登場する、ないしはヒロインがメイドという作品は、他のサブカルチャーと同様に複数存在している。『禁断の血族』(メーカー:[[シーズウェア]])は屋敷で奉公する薄幸の少女との恋愛サスペンスで、ヒロインが薄幸なメイドである点も同様である。ただし、業界やオタクなどといった者たちがメイド萌えというムーブメントを盛り上げる契機とまでは至らなかった。</ref>。『雛鳥の囀』は19世紀の英国を舞台に身請けしたメイドを調教して取引先の客人に宛がうという設定の育成ゲームである(ただし、時代・風俗考証については稚拙なものであった)。ヒロイン全員がメイドとして登場する最初の作品とされ、以後アダルトゲーム各社の「メイドもの」作品がこれに続く形で登場した。
 
アダルトゲームにおけるメイドブームの成立初期にメイドを扱ったゲームとしては、他にも[[1998年]]に発売された『[[MAID iN HEAVEN 〜愛という名の欲望〜|MAID iN HEAVEN]]』(メーカー:ストーンヘッズ/[[PIL]])などがあり、当作品の挿入歌である[[コミックソング]]([[電波ソング]]という説もある)、「メイドさんパラパラ」「メイドさんロックンロール」(歌:[[南ピル子]])などの極端な歌詞によっても、のちのゲーム/アニメ/マンガなどのオタク的文脈における「メイド」の方向性が強調・確定されることとなった。
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=== 関連作品 ===
{{main|[[:Category:メイドを題材とした作品]]}}
メイドを主なテーマとする比較的最近の漫画作品には、以下の例がある。
* 『[[まほろまてぃっく]]』([[中山文十郎]][[ぢたま()]]、[[1998年]]-[[2004年]])
* 『[[花右京メイド隊]]』([[もりしげ]]、[[1999年]]-[[2006年]])<!--連載開始年の根拠→ http://www.google.co.jp/url?sa=U&start=13&q=http://www2.odn.ne.jp/ihatov/books/&e=747-->
* 『[[スーパーメイドちるみさん]]』([[師走冬子]]、[[2000年]]-)
* 『[[ぷぎゅる]]』([[コンノトヒロ]]、[[2001年]]-[[2008年]])
* 『[[エマ (漫画)|エマ]]』([[森薫]]、[[2002年]]-[[2008年]])
* 『[[これが私の御主人様]]』([[まっつー|まっつー]][[椿あす]]、[[2002年]]-)
* 『[[HAND MAID メイ]]』
* 『[[おとぎストーリー 天使のしっぽ|天使のしっぽ]]』
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* 『[[マジカノ]]』([[百瀬武昭]]、[[2003年]]-[[2008年]])
* 『[[Under the Rose]]』([[船戸明里]])
* 『[[ろりぽ∞]]』([[仏さんじょ]]
* 『[[会長はメイド様!]]』([[藤原ヒロ]]
* 『[[こはるびより]]』([[みづきたけひと]]
* 『[[わたしのお嬢様]]』([[樹るう]])
* 『[[家政婦のミツコさん]]』([[艶々]])
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* 『[[フロレアール~すきすきだいすき~]]』
など。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>
 
== 参考文献 ==
* 「トンちゃん登場あすの紙上から連載」朝日新聞東京版昭和28年1月15日木曜日12版7面
 
== 関連項目 ==
{{Commons|Maid|メイド(Maid)}}
{{Commons|Domestic worker|メイド(Domestic worker)}}
{{Commonscat|Domestic workers|メイド(Domestic workers)}}
* [[奉公]]
* [[采女]]
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* [[メイド論争]](スウェーデン)
 
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>
 
== 参考文献 ==
* 「トンちゃん登場あすの紙上から連載」朝日新聞東京版昭和28年1月15日木曜日12版7面
 
{{Commons|Maid|メイド(Maid)}}
{{Commons|Domestic worker|メイド(Domestic worker)}}
{{Commonscat|Domestic workers|メイド(Domestic workers)}}
 
{{DEFAULTSORT:めいと}}
[[Category:家庭内労働者]]
[[Category:女性職]]