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== 構成 ==
全二十巻で定家本によれば歌数は総勢1111首、前述のように巻頭に仮名序、巻末に真名序が付くが内容はおおよそ同じである。仮名序は紀貫之、真名序は[[紀淑望]]の作とされる。伝本によってはまず巻頭に真名序、次に仮名序があってその次に本文がはじまるものがある。ただし真名序を持たない伝本も多い<ref>『古今和歌集』については古くは貫之自筆の本というものが三つ伝わっていたが、そのうち醍醐天皇に奏覧した本には仮名序も真名序もなく、皇后[[藤原穏子]]に奉った本と貫之が自宅に留めておいた本には仮名序はあったが真名序は付いていなかったという。『古筆学断章』[[小松茂美]]著(1986年、講談社)423頁以降参照。</ref>。この両序の関係について、真名序が正式なもので仮名序は後代の偽作とする説(山田孝雄)や、真名序より仮名序のほうが前に書かれたとする説(久曾神昇)、真名序が先でそれを参考に仮名序が書かれ、仮名序が正式採用されたとする説もある。
 
久曾神は、「延喜六年二月乃至同七年正月の間に、貫之は仮名序を執筆したやうである。(中略)真名序は紀淑望が依頼を受けて執筆したもので、漢詩文に関する先行文献を参照してはゐるが、既に成つてゐた精選本仮名序をも参照し、殊に六歌仙評、撰集事情を述べた条などには、その痕跡が著しい」<ref>[『伊達本古今和歌集』 笠間書院、平成7年]</ref>として、仮名序が真名序に先行すると主張している
 
歌の中には[[長歌]]5首・[[旋頭歌]]4首が含まれるが、残りはすべて[[短歌]]である。二十巻からなる内容は以下の通りである(定家本による)。
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== 伝本 ==
『古今和歌集』については古くは貫之自筆の本と称するものが三つ伝わっており、そのうち醍醐天皇に奏覧した本には仮名序も真名序もなく、皇后[[藤原穏子]]に奉った本と貫之が自宅に留めおいた本には仮名序はあったが真名序は付いていなかったという<ref>『古筆学断章』[[小松茂美]]著(1986年、講談社)423頁以降。</ref>。
 
現在『古今和歌集』の本文としてもっぱら読まれているのは、藤原定家が書写校訂した系統の写本(定家本)をもとにしたものである。しかしその本文については定家以前のもの、また定家本以外のものも以下のように伝存する。これらの本文は、現行で流布する定家本から見て歌の出入りがあるなど相違するところが多く、そのなかでも特に元永本は激しい相違を見せている。